センサやカメラで客層を分析、大崎電気が店舗支援システム
電力量計大手の大崎電気工業は、小売店の運営を改善する店舗支援システム「ストアウォッチ」の提供を3月から開始する。センサやカメラで取得した情報から来店者数や顧客属性を分析し、売り場の改善や販促施策の効果検証などに役立てる。支援システムの使用料に、センサ類のレンタルをセットにした月額制のサービスとして提供し、基本料金は月10万円から。
店舗の入口などに、人の動きを検知する熱センサと映像を記録するカメラを設置し、来店客数や店内での動線、性別・年代・滞在時間といった情報を取得し、クラウド上に蓄積する。さらに気象情報や、テレビ番組情報やSNSなどから得たトレンドデータを合わせて分析することで、来店客数や売り上げといった店舗改善や運営効率化に必要な情報をはじき出すことができるという。
センサデータや外部データを集約・分析し、店舗改善に必要な情報として提供する「ストアウォッチ」
(大崎電気工業の資料より)
電力量計・スマートメーター大手の同社が店舗向けの分析サービスを開発した背景について、新事業推進室の小野信之副室長は「当社は省エネルギーを目的としたデータ解析サービスを店舗向けに提供している。同様にデータを解析することで、店舗の売り上げ向上も実現できるのではないかと現場から声が上がり、2年前に開発を始めた」と話す。
新事業推進室の小野信之副室長(左)と塚脇一貴マネジャー
同社は、スーパーや家電量販店など約3000店の商業施設にスマートメーターや省エネサービスを提供してきた実績があり、当初はそれらの店舗にストアウォッチの導入を提案していく。小売店はPOSやポイントカードなどを通じて収集した多くのデータが蓄積されているが、分析・活用できないまま死蔵されている例が多いといい、ストアウォッチによって客層の把握や、気象と売り上げの相関分析などを可能にしていく。単にデータを集めるだけではなく、外部のコンサルティング会社とも連携し、店舗に対しては具体的な改善策を提案できるようにしていく。
センサやカメラを活用して客層を分析するシステムは昨今、多くのITベンダーから提案されているが、同社は多くの小売店とすでに取引があり、現場の課題を共有している点が強みとなっている。例えば、分析する情報ソースとしては、テレビ番組や、ターゲット顧客層がよく購読する雑誌などで、どのような商品が紹介されたかといったデータも含まれている。この情報を活用することで、話題の商品を集めたコーナーやフェアをすぐに企画することができるので、日本の消費者の行動に合わせた店舗運営が可能になる。
当初はウェブ画面を通じて各種情報を表示するが、年内にスマートフォンアプリを用意し、売り場の店員もリアルタイムに情報を確認できるようにする。新事業推進室の塚脇一貴マネジャーは「将来的にはマーケティングとコストダウンの両軸で店舗をサポートできるサービスにしたい」と話し、来年には従来同社が提供してきた省エネシステムとも連携し、人員シフトの最適化機能などを追加していく予定と説明した。(BCN・日高 彰)
店舗の入口などに、人の動きを検知する熱センサと映像を記録するカメラを設置し、来店客数や店内での動線、性別・年代・滞在時間といった情報を取得し、クラウド上に蓄積する。さらに気象情報や、テレビ番組情報やSNSなどから得たトレンドデータを合わせて分析することで、来店客数や売り上げといった店舗改善や運営効率化に必要な情報をはじき出すことができるという。
センサデータや外部データを集約・分析し、店舗改善に必要な情報として提供する「ストアウォッチ」
(大崎電気工業の資料より)
電力量計・スマートメーター大手の同社が店舗向けの分析サービスを開発した背景について、新事業推進室の小野信之副室長は「当社は省エネルギーを目的としたデータ解析サービスを店舗向けに提供している。同様にデータを解析することで、店舗の売り上げ向上も実現できるのではないかと現場から声が上がり、2年前に開発を始めた」と話す。
新事業推進室の小野信之副室長(左)と塚脇一貴マネジャー
同社は、スーパーや家電量販店など約3000店の商業施設にスマートメーターや省エネサービスを提供してきた実績があり、当初はそれらの店舗にストアウォッチの導入を提案していく。小売店はPOSやポイントカードなどを通じて収集した多くのデータが蓄積されているが、分析・活用できないまま死蔵されている例が多いといい、ストアウォッチによって客層の把握や、気象と売り上げの相関分析などを可能にしていく。単にデータを集めるだけではなく、外部のコンサルティング会社とも連携し、店舗に対しては具体的な改善策を提案できるようにしていく。
センサやカメラを活用して客層を分析するシステムは昨今、多くのITベンダーから提案されているが、同社は多くの小売店とすでに取引があり、現場の課題を共有している点が強みとなっている。例えば、分析する情報ソースとしては、テレビ番組や、ターゲット顧客層がよく購読する雑誌などで、どのような商品が紹介されたかといったデータも含まれている。この情報を活用することで、話題の商品を集めたコーナーやフェアをすぐに企画することができるので、日本の消費者の行動に合わせた店舗運営が可能になる。
当初はウェブ画面を通じて各種情報を表示するが、年内にスマートフォンアプリを用意し、売り場の店員もリアルタイムに情報を確認できるようにする。新事業推進室の塚脇一貴マネジャーは「将来的にはマーケティングとコストダウンの両軸で店舗をサポートできるサービスにしたい」と話し、来年には従来同社が提供してきた省エネシステムとも連携し、人員シフトの最適化機能などを追加していく予定と説明した。(BCN・日高 彰)