最近は実際の年齢よりだいぶ若く見える高齢者が多い。ただ、新しいことに積極的に挑戦したいと考えるアクティブシニアもいれば、慣れ親しんだものを変えたくないという保守的な人もいる。70歳を過ぎた母によると、最近テレビのニュースでは「ビットコイン」が頻繁に報じられ、「インターネットが使えると儲かるらしい(でも怖い)」という意識が高まっているようだ。2月下旬発売のドコモの「らくらくスマートフォン me」は、そうしたまだインターネットデビューしていない、保守派リタイア世代のファーストスマホにぴったりだ。
ドコモの2017-2018冬春モデル発表会で展示されていた「らくらくスマートフォン me」のモック
ざっくりまとめると、資本の出資者・出資比率が変わり、富士通傘下ではなくなるが、ブランド自体は変わらず、ユーザー視点では何も変わらないということだ。より経営の独立性が高まり、企業コラボレーションなどがやりやすくなるとしている。
販売中の「らくらくスマートフォン4」。
「見やすい、聞きやすい、使いやすい」をコンセプトにシニア向けに振り切った機能が特徴的だ
ドコモのらくらくホンシリーズのスマホ版「らくらくスマートフォン」の最新機種は、2017年2月発売の「らくらくスマートフォン4 F-04J」。発色のよい有機ELディスプレイ、人物や風景を一枚の写真に収められる広角1300万画素のカメラを搭載し、「4」からは一般的なスマホ同様、Google Play ストアから好きなアプリをダウンロードできるようになった。若者やママ世代に人気のメッセージアプリ「LINE」ももちろん利用できる。
シリーズ初の「docomo with」対象機種となる新モデル「らくらくスマートフォン me」
2月下旬には、この「らくらくスマートフォン4」をベースにした新モデル「らくらくスマートフォン me F-03K」が加わる。ずっと1500円引きとなるドコモの割引サービス「docomo with」の対象機種となっており、長く使い続けるほど、端末代の実質負担額はゼロに近づいていく。もともとの価格も安く、ドコモオンラインショップでの機種変更時の一括購入価格は3万8800円。
「らくらくスマホ」シリーズ共通の特徴は、シニア向けSNS「らくらくコミュニティ」とワンボタンで専用カスタマーサポートセンター「らくらくホンセンター」につながるボタン。シニアユーザーを想定して取り入れた機能のうち、「らくらくスマートフォン me」では、「触れる」と「押す」の違いがわかるよう、画面を押し込んで操作する独自の「らくらくタッチパネル」や赤外線通信などいくつかをカットしたが、この2つとワンセグは残した。
見やすくてわかりやすいタッチメニューなど、独自のレイアウトに加え、よく使う検索ボタンやブックマークボタンを常に表示し、簡単にインターネットが利用できる直感的な「らくらくスマートフォン専用ブラウザ」も搭載しており、初心者でも迷うことなくネット検索ができるように工夫した。
「らくらくコミュニティ」は、会員が自由に写真や話題を投稿し、互いに見せ合うことができる無料の会員制交流サイト。12年8月に開設し、現在の会員数は126万人。いざ、ケータイからスマホに機種変更したものの、どのように使っていいのかわからないシニアに、「双方向」のネットの特徴をまずは知ってもらえるよう、掲示板の交流の敷居を下げ、見るだけでも楽しめるよう工夫した。また、24時間の書き込み監視体制を敷き、安心・安全を大きく打ち出した。
シニア向けSNS「らくらくコミュニティ」
圧倒的なおトクさから、シニアに限らず、春商戦では「docomo with」対象機種が人気を集めるのは間違いない。割引もさることながら、「インターネットは気になるが何となく怖い」「周りに質問する人がいない」という層に、モノとしてのスマホではなく、コミュニケーション手段としてスマホの必要性を訴えるために、「らくらくコミュニティ」と統合した「らくらくスマホ」を訴求したい。(BCN・嵯峨野 芙美)
ドコモの2017-2018冬春モデル発表会で展示されていた「らくらくスマートフォン me」のモック
らくらくスマホはシニアのためのファーストスマホ
富士通は1月31日に携帯電話事業の再編を発表。3月末をメドに、新体制に移行する。今後は、富士通コネクテッドテクノロジーズ(FCNT)がサービスを含めて端末を企画・開発し、端末の製造は富士通周辺機(FPE)の新会社となるジャパン・イーエム・ソリューションズ(JEMS)が行う。新体制移行後も、通信キャリア向けの「らくらく」ブランドや「arrows」ブランドの製品は提供していく。また現在、富士通が運営しているシニア向けSNS「らくらくコミュニティ」はFCNTが継承する。ざっくりまとめると、資本の出資者・出資比率が変わり、富士通傘下ではなくなるが、ブランド自体は変わらず、ユーザー視点では何も変わらないということだ。より経営の独立性が高まり、企業コラボレーションなどがやりやすくなるとしている。
販売中の「らくらくスマートフォン4」。
「見やすい、聞きやすい、使いやすい」をコンセプトにシニア向けに振り切った機能が特徴的だ
ドコモのらくらくホンシリーズのスマホ版「らくらくスマートフォン」の最新機種は、2017年2月発売の「らくらくスマートフォン4 F-04J」。発色のよい有機ELディスプレイ、人物や風景を一枚の写真に収められる広角1300万画素のカメラを搭載し、「4」からは一般的なスマホ同様、Google Play ストアから好きなアプリをダウンロードできるようになった。若者やママ世代に人気のメッセージアプリ「LINE」ももちろん利用できる。
シリーズ初の「docomo with」対象機種となる新モデル「らくらくスマートフォン me」
2月下旬には、この「らくらくスマートフォン4」をベースにした新モデル「らくらくスマートフォン me F-03K」が加わる。ずっと1500円引きとなるドコモの割引サービス「docomo with」の対象機種となっており、長く使い続けるほど、端末代の実質負担額はゼロに近づいていく。もともとの価格も安く、ドコモオンラインショップでの機種変更時の一括購入価格は3万8800円。
「らくらくスマホ」シリーズ共通の特徴は、シニア向けSNS「らくらくコミュニティ」とワンボタンで専用カスタマーサポートセンター「らくらくホンセンター」につながるボタン。シニアユーザーを想定して取り入れた機能のうち、「らくらくスマートフォン me」では、「触れる」と「押す」の違いがわかるよう、画面を押し込んで操作する独自の「らくらくタッチパネル」や赤外線通信などいくつかをカットしたが、この2つとワンセグは残した。
見やすくてわかりやすいタッチメニューなど、独自のレイアウトに加え、よく使う検索ボタンやブックマークボタンを常に表示し、簡単にインターネットが利用できる直感的な「らくらくスマートフォン専用ブラウザ」も搭載しており、初心者でも迷うことなくネット検索ができるように工夫した。
「らくらくコミュニティ」は、会員が自由に写真や話題を投稿し、互いに見せ合うことができる無料の会員制交流サイト。12年8月に開設し、現在の会員数は126万人。いざ、ケータイからスマホに機種変更したものの、どのように使っていいのかわからないシニアに、「双方向」のネットの特徴をまずは知ってもらえるよう、掲示板の交流の敷居を下げ、見るだけでも楽しめるよう工夫した。また、24時間の書き込み監視体制を敷き、安心・安全を大きく打ち出した。
シニア向けSNS「らくらくコミュニティ」
圧倒的なおトクさから、シニアに限らず、春商戦では「docomo with」対象機種が人気を集めるのは間違いない。割引もさることながら、「インターネットは気になるが何となく怖い」「周りに質問する人がいない」という層に、モノとしてのスマホではなく、コミュニケーション手段としてスマホの必要性を訴えるために、「らくらくコミュニティ」と統合した「らくらくスマホ」を訴求したい。(BCN・嵯峨野 芙美)