有機EL、格安PB、レグザ売却……テレビ市場の激動の1年をプレーバック
2017年も残すところわずか。毎月のようにさまざまなデジタル関連のトピックがあったが、なかでもテレビ市場は例年以上に激動した1年だった。BCNの取材や記事から主要な話題を振り返る。
トピック満載だった17年の薄型テレビ市場(写真は「LABI1 LIFE SELECT高崎」のテレビ売り場)
・4K/8K対応テレビが4割に迫る勢い、40-50型台がけん引
https://www.bcnretail.com/research/detail/20171222_45677.html
数年前から成長を遂げている4Kテレビは17年も継続して好調だ。市場全体では11月に販売台数・金額が半年振りに前年を割り込んだが、4K単体では2ケタ成長を維持。40-50型が9割を占め、普及期に突入していることがわかる。
https://www.bcnretail.com/news/detail/20170113_42165.html
・ソニー初の4K有機ELテレビ、新音響システムとAndroid TVで差別化
https://www.bcnretail.com/news/detail/20170509_42760.html
・パナソニックからも4K有機ELテレビ、実売約90万円の65V型など
https://www.bcnretail.com/news/detail/20170513_42782.html
上半期を盛り上げたのは、国内メーカーの有機ELテレビへの参入だ。3月に東芝が、6月にソニーとパナソニックが相次いで発売。先行するLGを追う形で、競合は一気に激化した。市場は急拡大とはいかないものの、新しい価値として認められつつある。
https://www.bcnretail.com/news/detail/20170517_42800.html
16年10月にすでに発表されていたが、ヤマダ電機が6月2日に船井電機の「FUNAIブランド」の液晶テレビとブルーレイレコーダーの国内独占販売を開始。実質的なPB商品として、大手メーカーの対抗に名乗りをあげた。
・激安価格の裏側は? ドンキ4Kテレビの仕掛け人を直撃
https://www.bcnretail.com/market/detail/20170727_43226.html
ヤマダ電機と時期を同じくして、PBで4Kテレビを展開したのはディスカウントストア最大手のドン・キホーテ。6月15日に税込で6万円を切る「ULTRAHD TV 4K液晶テレビ(LE-5050TS4K-BK)」を発売。初回生産分は1週間で完売、追加分、第2弾も瞬時に予約受付が終了するほどのヒットとなった。
・税別4万円台の最安4Kテレビ登場、グリーンハウスが12月発売
https://www.bcnretail.com/news/detail/20171130_44008.html
・ノジマ、PBの4Kテレビ2機種、32型・24型も
https://www.bcnretail.com/news/detail/20171010_43657.html
この“価格破壊”が業界全体に与えたインパクトは予想以上に大きかった。10月にはノジマが55型で税別6万9800円、49型で税別5万3800円の格安4Kテレビを、12月にはグリーンハウスが税別4万9800円の50型4Kテレビを発売。流通企業のPB商品や新規参入企業によって、長年大手メーカーが独占していたテレビ市場に一石が投じられた。
https://www.bcnretail.com/market/detail/20171114_43906.html
・ハイセンスがULEDテレビを日本初展開、ハイエンド4Kで市場攻勢へ
https://www.bcnretail.com/market/detail/20171115_43911.html
プレイヤーの競争が激化するなかで、驚きをもって報じられたのが、東芝のテレビ事業売却だ。ブランドは今後も継続することが決定しており、すぐに目に見える変化はなさそうだが、世界第3位のシェア(TVS発表)を誇るハイセンスによる買収は、来年以降の国内のテレビ業界に少なからず影響を与えそうだ。
約1年振りに復活した「aiwa」ブランドから、18年は1月には4Kテレビが発売される予定。18年12月1日から開始する「新4K8K衛星放送」に向けて、4Kに対応したアンテナやチューナーなど、周辺機器も充実させる計画だ。テレビ市場が活性化する要因は多い。
課題もある。4K液晶テレビの単価下落が止まらない点だ。メーカーは高単価を維持しつつ販売台数を伸ばすために、対策を打つ必要がある。有機ELテレビも当初の予想よりは伸び悩んでいる。付加価値の訴求にはもう少し時間がかかりそうだ。
電子情報技術産業協会(JEITA)は、「2020年までに国内出荷台数で1050万台」の需要を予測する。その過程にある18年は、625万台の当初目標値が860万台に跳ね上がる。先々を占う上でも、18年は勝負の年となる。(BCN・大蔵 大輔)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
トピック満載だった17年の薄型テレビ市場(写真は「LABI1 LIFE SELECT高崎」のテレビ売り場)
4Kテレビは継続して成長 40-50型台が9割占める
まずは、近年のトレンドの中心である4Kを取り巻く状況を、全国の主要家電量販店・ネットショップから実売データを集計する「BCNランキング」をもとに紐解いてみる。・4K/8K対応テレビが4割に迫る勢い、40-50型台がけん引
https://www.bcnretail.com/research/detail/20171222_45677.html
数年前から成長を遂げている4Kテレビは17年も継続して好調だ。市場全体では11月に販売台数・金額が半年振りに前年を割り込んだが、4K単体では2ケタ成長を維持。40-50型が9割を占め、普及期に突入していることがわかる。
有機ELテレビに国内3社が参入 新たな市場が立ち上がる
・東芝、初の4K有機ELレグザ「X910シリーズ」、55型で70万円前後からhttps://www.bcnretail.com/news/detail/20170113_42165.html
・ソニー初の4K有機ELテレビ、新音響システムとAndroid TVで差別化
https://www.bcnretail.com/news/detail/20170509_42760.html
・パナソニックからも4K有機ELテレビ、実売約90万円の65V型など
https://www.bcnretail.com/news/detail/20170513_42782.html
上半期を盛り上げたのは、国内メーカーの有機ELテレビへの参入だ。3月に東芝が、6月にソニーとパナソニックが相次いで発売。先行するLGを追う形で、競合は一気に激化した。市場は急拡大とはいかないものの、新しい価値として認められつつある。
格安競争が激化 PB商品が新たな波に
・ヤマダ独占販売の液晶テレビ、目標は自社売上のシェア20%https://www.bcnretail.com/news/detail/20170517_42800.html
16年10月にすでに発表されていたが、ヤマダ電機が6月2日に船井電機の「FUNAIブランド」の液晶テレビとブルーレイレコーダーの国内独占販売を開始。実質的なPB商品として、大手メーカーの対抗に名乗りをあげた。
・激安価格の裏側は? ドンキ4Kテレビの仕掛け人を直撃
https://www.bcnretail.com/market/detail/20170727_43226.html
ヤマダ電機と時期を同じくして、PBで4Kテレビを展開したのはディスカウントストア最大手のドン・キホーテ。6月15日に税込で6万円を切る「ULTRAHD TV 4K液晶テレビ(LE-5050TS4K-BK)」を発売。初回生産分は1週間で完売、追加分、第2弾も瞬時に予約受付が終了するほどのヒットとなった。
・税別4万円台の最安4Kテレビ登場、グリーンハウスが12月発売
https://www.bcnretail.com/news/detail/20171130_44008.html
・ノジマ、PBの4Kテレビ2機種、32型・24型も
https://www.bcnretail.com/news/detail/20171010_43657.html
この“価格破壊”が業界全体に与えたインパクトは予想以上に大きかった。10月にはノジマが55型で税別6万9800円、49型で税別5万3800円の格安4Kテレビを、12月にはグリーンハウスが税別4万9800円の50型4Kテレビを発売。流通企業のPB商品や新規参入企業によって、長年大手メーカーが独占していたテレビ市場に一石が投じられた。
東芝がレグザを売却 ブランドは継続
・東芝がテレビ事業をハイセンスに売却https://www.bcnretail.com/market/detail/20171114_43906.html
・ハイセンスがULEDテレビを日本初展開、ハイエンド4Kで市場攻勢へ
https://www.bcnretail.com/market/detail/20171115_43911.html
プレイヤーの競争が激化するなかで、驚きをもって報じられたのが、東芝のテレビ事業売却だ。ブランドは今後も継続することが決定しており、すぐに目に見える変化はなさそうだが、世界第3位のシェア(TVS発表)を誇るハイセンスによる買収は、来年以降の国内のテレビ業界に少なからず影響を与えそうだ。
約1年振りに復活した「aiwa」ブランドから、18年は1月には4Kテレビが発売される予定。18年12月1日から開始する「新4K8K衛星放送」に向けて、4Kに対応したアンテナやチューナーなど、周辺機器も充実させる計画だ。テレビ市場が活性化する要因は多い。
課題もある。4K液晶テレビの単価下落が止まらない点だ。メーカーは高単価を維持しつつ販売台数を伸ばすために、対策を打つ必要がある。有機ELテレビも当初の予想よりは伸び悩んでいる。付加価値の訴求にはもう少し時間がかかりそうだ。
電子情報技術産業協会(JEITA)は、「2020年までに国内出荷台数で1050万台」の需要を予測する。その過程にある18年は、625万台の当初目標値が860万台に跳ね上がる。先々を占う上でも、18年は勝負の年となる。(BCN・大蔵 大輔)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。