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コンシューマ向けMixed Reality市場立ち上がる、4回目のWindows 10アップデートで

販売戦略

2017/10/19 15:57

 日本マイクロソフトは10月18日、前日にリリースしたWindows 10のアップデート「Windows 10 Fall Creators Update(FCU)」のプレス向けブリーフィングを開催した。2015年7月29日にWindows 10がリリースされてから、数えて4回目のメジャーアップデートとなる。


Windows MRを体験する参加者たち

 FCUでWindows 10に新たに搭載されたさまざまな機能のなかでも、家電量販店など流通サイドが注目しているのが「Windows Mixed Reality(Windows MR)」だ。複合現実と訳されるMRは、スマートフォンなどのディスプレイに映った現実のシーンに商品画像やキャラクターなどを表示するAR(拡張現実)から、ゲーミングPCなどのVR(仮想現実)まで幅広く体験できるWindows 10の新しいプラットフォーム。量販店のPC売り場では、新しい顧客体験を通じたノートPCやPC周辺機器の需要の高まりに期待する。
 

Windows Mixed Realityのイメージ

 法人向けでは、すでに昨年から自動車のエンジンルームを見ながら整備したり、マンションや都市開発のデベロッパ向けなどでヘッドマウントディスプレイ「HoloLens(ホロレンズ)」を使ったMRを導入したりしているが、コンシューマ向けPCでの対応は初となる。

 日本マイクロソフトの三上智子業務執行役員Windows&デバイス本部長は「ARかVRかではなく、ARとVRのどちらにも対応できる“アンド”の関係がMR。VRのゲームにとどまらず、ヘッドセットに映るディスプレイがもうひとつの新たな空間となり、デバイスに関係なくコラボした人たちとのコミュニケーションの場となる。人とのコミュニケーション方法が大きく変わり、クリエイティブな可能性を最大限に引き出す」と、MRのインパクトの大きさについて語った。
 

業務執行役員の三上智子Windows&デバイス本部長

 例えば、Surface Studioを使ってるクリエイターやハイスペックPCでゲームを楽しんでる人、通常のノートPCを使っている人たちが、遠くに離れていても、Windows MR対応ヘッドセットを使うことで同じ仮想空間で会話や議論することはもちろん、コラボレーションして何かをつくるといったことができるようになる。

 導入時からより多くのユーザーに体験してもらおうと、一般的なPCで楽しめるようにしたのもポイントだ。対応するPCのスペックは、CPUがインテルのCore i5 7200Uのハイパースレッディング・テクノロジー対応でデュアルコア以上、システムメモリが8GB DDR3(デュアルチャンネル)以上、ディスク容量は10GB以上、グラフィックスがインテルのHD Graphics620、Nvidia MX150、Nvidia 965M以上、必要なディスプレイポートはHDMI1.4またはDisplayPort1.2、USBタイプは、USB3.0Type-4またはType-c、コントローラ用の無線タイプはBluetooth4.0となっている。

 執行役員でコンシューマ&デバイス事業本部 デバイスパートナー営業統括本部の梅田成二氏は「国内のPCを所有する4割の人が楽しめる」と語り、すばやい市場の立ち上げを目論む。ただ、日本マイクロソフト1社だけでMRの普及を推進することは難しく、「OEMパートナーと販売店の業界が一丸となって市場づくりに取り組むことが重要だ」と語った。
 

執行役員でコンシューマ&デバイス事業本部 デバイスパートナー営業統括本部の梅田成二氏

 すでにデル、日本HP、日本エイサー、富士通、レノボ・ジャパンからはWindows MR対応ヘッドセットが発売されたり発表されるなど、年内には各社から対応デバイスが出そろう予定だ。家電量販店でも、11月18日から約400店舗で体験コーナーを展開する予定。グローバルでみても米国とほぼ変わらない規模の店舗展開で、国内のMR市場の早期立ち上げに力を入れる。(BCN・細田 立圭志)