デジタルカメラに無線通信機能が備わってなくても、スマートフォンやPCなどの端末に画像データを送信できるSDメモリカード「FlashAir」は、接続した端末への負荷が少なく、記録するだけの媒体だったSDメモリカードに革新をもたらした。
開発に携わった東芝メモリ メモリ事業部 メモリ応用技術第一部 メモリ応用技術第三担当の上岡裕一参事は「挿入先との読み書き速度などは当社の上位モデル並みのメモリ性能を保ちつつ、従来製品(SD-WEシリーズ<W-03>)よりも強化した無線LAN機能を搭載している」と、6月に発売した新製品「FlashAir SDHC/SDXCメモリカード(SD-UWAシリーズ<W-04>)」について説明する。
取材に応える東芝メモリ パーソナルストレージ企画部 新規ビジネス担当の長谷直紀参事(左)と、
メモリ事業部 メモリ応用技術第一部 メモリ応用技術第三担当の上岡裕一参事
「W-04」シリーズの特徴としては、複数の端末と同時に接続できること、記録したデータを外部の端末から確認する際に負荷が少ないことが挙げられる。後者は特に、サムネイル表示のみで画像データを確認できるため、手動で保存するまでは端末の容量を圧迫しない点がメリットだ。
FlashAir SDHC/SDXCメモリカード(SD-UWAシリーズ<W-04>)
また、「FlashAir」は簡易的なWebサーバーとしても機能するほか、Wi-Fiで接続していれば専用のアプリをインストールしていない端末からでも、Webブラウザを使って画像を確認できる。さらに、「FlashAir」を介して他のアクセスポイントに接続する「インターネット同時接続モード」を備える。
開発の苦労を語る上岡参事
開発で苦労した点として上岡参事は「消費電力の調整」をあげた。「挿して使う機器からの電源供給が必要だが、負荷をかけて機器の性能に影響を及ぼすわけにはいかない。記録するだけのSDメモリカードと同程度の電流で稼働できるように設計するのが難しかった」と振り返る。加えて、操作がなければ5分で通信機能をオフにすることでも、消費電力を抑える。
家電量販店・オンラインショップの実売データを集計する「BCNランキング」によると、2017年9月現在、「W-04」シリーズは無線LANを搭載するSDメモリカードで84.7%のシェアを占め、圧倒的な人気を誇っている。東芝メモリ パーソナルストレージ企画部 新規ビジネス担当の長谷直紀参事は「初登場時は新しいジャンルとして認知度が低かったが、カメラメーカーとの連携やCMで訴求を続けたことが奏功し、今に至る」と話す。
初登場時を振り返る長谷参事
「FlashAir」が登場する以前の無線通信機能を搭載するSDメモリカードは、サーバーへのデータ転送がメインだった。2012年に登場した東芝「FlashAir」は、SNS普及を意識していち早くスマホへの接続に対応。Android版とiPhone版のアプリを相次いで公開した。
「今ではプロのカメラマンにもご利用頂いている。メモリカードを他のカメラに差し替えてもすぐに使える点や、撮影をしながら写真を転送、即確認できる機能が好評」と、魅力を語る長谷参事。ハイアマチュア向けの製品としつつも、友達と手軽に写真を共有できるとして、若者にも訴求していくという。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
開発に携わった東芝メモリ メモリ事業部 メモリ応用技術第一部 メモリ応用技術第三担当の上岡裕一参事は「挿入先との読み書き速度などは当社の上位モデル並みのメモリ性能を保ちつつ、従来製品(SD-WEシリーズ<W-03>)よりも強化した無線LAN機能を搭載している」と、6月に発売した新製品「FlashAir SDHC/SDXCメモリカード(SD-UWAシリーズ<W-04>)」について説明する。
取材に応える東芝メモリ パーソナルストレージ企画部 新規ビジネス担当の長谷直紀参事(左)と、
メモリ事業部 メモリ応用技術第一部 メモリ応用技術第三担当の上岡裕一参事
「W-04」シリーズの特徴としては、複数の端末と同時に接続できること、記録したデータを外部の端末から確認する際に負荷が少ないことが挙げられる。後者は特に、サムネイル表示のみで画像データを確認できるため、手動で保存するまでは端末の容量を圧迫しない点がメリットだ。
FlashAir SDHC/SDXCメモリカード(SD-UWAシリーズ<W-04>)
また、「FlashAir」は簡易的なWebサーバーとしても機能するほか、Wi-Fiで接続していれば専用のアプリをインストールしていない端末からでも、Webブラウザを使って画像を確認できる。さらに、「FlashAir」を介して他のアクセスポイントに接続する「インターネット同時接続モード」を備える。
開発の苦労を語る上岡参事
開発で苦労した点として上岡参事は「消費電力の調整」をあげた。「挿して使う機器からの電源供給が必要だが、負荷をかけて機器の性能に影響を及ぼすわけにはいかない。記録するだけのSDメモリカードと同程度の電流で稼働できるように設計するのが難しかった」と振り返る。加えて、操作がなければ5分で通信機能をオフにすることでも、消費電力を抑える。
家電量販店・オンラインショップの実売データを集計する「BCNランキング」によると、2017年9月現在、「W-04」シリーズは無線LANを搭載するSDメモリカードで84.7%のシェアを占め、圧倒的な人気を誇っている。東芝メモリ パーソナルストレージ企画部 新規ビジネス担当の長谷直紀参事は「初登場時は新しいジャンルとして認知度が低かったが、カメラメーカーとの連携やCMで訴求を続けたことが奏功し、今に至る」と話す。
初登場時を振り返る長谷参事
「FlashAir」が登場する以前の無線通信機能を搭載するSDメモリカードは、サーバーへのデータ転送がメインだった。2012年に登場した東芝「FlashAir」は、SNS普及を意識していち早くスマホへの接続に対応。Android版とiPhone版のアプリを相次いで公開した。
「今ではプロのカメラマンにもご利用頂いている。メモリカードを他のカメラに差し替えてもすぐに使える点や、撮影をしながら写真を転送、即確認できる機能が好評」と、魅力を語る長谷参事。ハイアマチュア向けの製品としつつも、友達と手軽に写真を共有できるとして、若者にも訴求していくという。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。