渋谷にMEGAドン・キホーテ誕生、若年層志向から脱却

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2017/05/11 16:18

 ドン・キホーテは5月11日、翌12日にオープンする「MEGAドン・キホーテ渋谷本店」の内覧会を開催した。


「MEGAドン・キホーテ渋谷本店」の外観

 「MEGAドン・キホーテ渋谷本店」は5月7日に閉店し、18年もの歴史に幕を閉じた「ドン・キホーテ渋谷店」の後継店舗の位置付け。ドン・キホーテ初の都市型多層店として、また渋谷のランドマークとして長年、重要な戦略拠点の役割を担ってきた旧渋谷店について、東日本営業本部 本部長の竹内三善氏は、「ドン・キホーテのアイデンティティを決定してきた店舗」と評価。「コスプレ、パーティグッズ、コスメなど、ドン・キホーテを象徴する商材はいずれも渋谷店発。モデル店舗としての役割を担ってきた」と実績を紹介した。
 

東日本営業本部 本部長の竹内三善氏

 業態・規模の異なる店舗を新たにオープンする理由は、渋谷という街の変化だ。「20~30代やシングル層をターゲットにしてきたが、それだけでは現在の渋谷のニーズを包括できていない」と竹内本部長はコメント。「若者の街であることは変わらないが、このエリアで生活・商売する人の世代は幅広い。渋谷は周辺に規模の大きいスーパーが少なく、生鮮食品を中心に生活用品を要望する声もある」と業態転換の背景を説明した。

 専務取締役 兼 CFOの高橋光夫氏は、“渋谷”という街全体の課題になっているインバウンドに触れ、「ドン・キホーテとしてインバウンド関連の業績は順調に推移している。客単価が減り、客数が増えるなど、商況は変化しているが、16年夏を底に緩やかな回復傾向にある。一方で、旧渋谷店は他の観光都市と比較するとインバウンドの比率が低かった。新店は自治体と連携することで、インバウンドの活性化にも結びつけたい」と意気込みを語った。
 

高橋光夫 専務取締役 兼 CFO

 スクランブル交差点や忠犬ハチ公像のような観光スポットがあり、訪日外国人の数自体は少なくない渋谷だが、ほかの主要都市と比較すると“買い回り文化”が浸透していない。「MEGAドン・キホーテ渋谷本店」では、店舗内外にランドマークを設置し、渋谷だけでなく日本各地のお土産も充実させ、訪日外国人のショッピング需要を喚起する。

 店長に就任するのは、旧渋谷店で店長を務めた池上維彦氏。店舗スタッフは正社員41名、アルバイト200名に増員するが、旧渋谷店のスタッフはそのまま移動するという。かつては3フロアだったが、新店は地下1階から6階の7フロア展開で、坪数は約3倍に増床。アイテム数は4万アイテムから8万アイテムまで拡充した。目標とする年商は100億円。40億円だった旧渋谷店の2.5倍だ。ちなみに100億円を達成すれば、グループ全店舗で最大の売上となる。
 

旧渋谷店からの変化を説明する池上維彦店長

 新店を「進化型旗艦店舗」と称するドン・キホーテ。これは「地域や顧客の変化に応じて進化していく店舗」という意味だそうだ。ダイバーシティを掲げる渋谷を体現する存在として、あるいはドン・キホーテを再度けん引していく存在として、都市型店舗の新たな可能性を提示できるかに注目したい。(BCN・大蔵 大輔)