メルコHDの17年3月期連結決算は6期連続の減収、4期連続の増益
メルコホールディングスは5月8日、2017年3月期の連結決算説明会を開催した。売上高は約746億円(前期比93.2%)と6期連続の減収となる一方、営業利益は約56億円(128%)と4期連続の増益となった。売上高営業利益率は7.5%となり、11年3月期以来の高水準になった。
17年3月期の決算を発表するメルコホールディングスの松尾民男副社長
減収の要因は、周辺機器事業の約6割を占めるストレージやメモリ、フラッシュメモリ、NASがいずれも前期比90%以下となったことが大きい。「シェアトップは維持しているが、PCの販売減が響き、市場規模自体がシュリンクした」と松尾民男副社長は分析する。ただし、ネットワーク事業では、ライフスタイルに合わせた無線LANルータの拡充に伴うシェアアップが奏功して約210億円(108.2%)の増収になった。
サービス事業では、従来の大手通信キャリアの設定やネットワーク設置サービスなどはほぼ行きわたったため、自社サービスによる事業転換を進めている結果、売上高は約12億円(52.2%)に半減した。
また、サービス事業で軸となる築20~30年の古いアパートをターゲットにWi-Fiのレンタルを提案する「アパートWi-Fi」は、子会社のバッファロー・IT・ソリューションズの営業人員の中途採用による先行投資を優先したため、サービス事業全体の営業利益が約1億円の赤字(前期は3億円の黒字)になった。
「アパートWi-Fi」の累計導入実績は約1000棟(約1.9万戸)で前期末比300%と着実に増えている。17年3月期に1万棟(約20万戸)の導入、売上高3億円の目標を掲げる。営業人員採用にかかるコストを除く事業単体での黒字転換を急ぐ。「中期的には2万棟(約40万戸)を確保したい」と松尾副社長は説明した。
18年3月期は既報のとおり、東芝の経営再建問題の影響で業績予想を非開示とした。重点的な取り組みとして、2月に完全子会社化したアドバンスデザインによるHDDのデータ復旧サービスを挙げる。
同社はデータ復旧や消去、故障機器の廃棄で高い技術力を持つ。法人だけでなくコンシューマ領域での展開も狙っており、既に外付けHDDの本体にサポート窓口の電話番号を記入することで、HDDの故障時や廃棄時のサポートを行っている。家電量販店でのHDDの売り切り型ビジネスから、サポートや保守によるストック型ビジネスへの転換を目指す。(BCN・細田 立圭志)
17年3月期の決算を発表するメルコホールディングスの松尾民男副社長
減収の要因は、周辺機器事業の約6割を占めるストレージやメモリ、フラッシュメモリ、NASがいずれも前期比90%以下となったことが大きい。「シェアトップは維持しているが、PCの販売減が響き、市場規模自体がシュリンクした」と松尾民男副社長は分析する。ただし、ネットワーク事業では、ライフスタイルに合わせた無線LANルータの拡充に伴うシェアアップが奏功して約210億円(108.2%)の増収になった。
サービス事業では、従来の大手通信キャリアの設定やネットワーク設置サービスなどはほぼ行きわたったため、自社サービスによる事業転換を進めている結果、売上高は約12億円(52.2%)に半減した。
また、サービス事業で軸となる築20~30年の古いアパートをターゲットにWi-Fiのレンタルを提案する「アパートWi-Fi」は、子会社のバッファロー・IT・ソリューションズの営業人員の中途採用による先行投資を優先したため、サービス事業全体の営業利益が約1億円の赤字(前期は3億円の黒字)になった。
「アパートWi-Fi」の累計導入実績は約1000棟(約1.9万戸)で前期末比300%と着実に増えている。17年3月期に1万棟(約20万戸)の導入、売上高3億円の目標を掲げる。営業人員採用にかかるコストを除く事業単体での黒字転換を急ぐ。「中期的には2万棟(約40万戸)を確保したい」と松尾副社長は説明した。
18年3月期は既報のとおり、東芝の経営再建問題の影響で業績予想を非開示とした。重点的な取り組みとして、2月に完全子会社化したアドバンスデザインによるHDDのデータ復旧サービスを挙げる。
同社はデータ復旧や消去、故障機器の廃棄で高い技術力を持つ。法人だけでなくコンシューマ領域での展開も狙っており、既に外付けHDDの本体にサポート窓口の電話番号を記入することで、HDDの故障時や廃棄時のサポートを行っている。家電量販店でのHDDの売り切り型ビジネスから、サポートや保守によるストック型ビジネスへの転換を目指す。(BCN・細田 立圭志)