BSと110度CSの4K・8K本放送について、A-PABのキーマンに聞く
4月で発足から1年を迎えた放送サービス高度化推進協会(A-PAB)。2016年12月にはBSによる4K・8Kの試験放送がスタートし、18年12月からいよいよBSと110度CSで本放送が始まる。家電量販店のテレビ売り場では、4Kテレビがけん引役となり活気が戻りつつある。A-PABの土屋円専務理事に、4K・8K放送の最新動向を聞いた。
取材・文/細田 立圭志
写真/瀬之口 寿一
放送サービス高度化推進協会(A-PAB)の土屋円専務理事
―― 昨年はBSで4K・8Kの試験放送が始まり、来年の12月からいよいよBSと110度CSで本放送がスタートします。
土屋 放送事業者が中核の団体であるA-PABにとって、今年1月24日の総務省によるBSと110度CSの4K・8K実用放送事業者の認定は、4K・8K放送が前進する大きな一歩になりました。
現在の4Kテレビには4Kチューナーが内蔵されていないため、受信するには各メーカーで開発中の外付けチューナーが必要になります。お客様から「この4Kテレビで4K放送は受信できるの?」と聞かれたときに、販売員の方々は「受信できません」と正しくお伝えしていることと思います。
問題は、その後にお客様から必ず聞かれる「いつから見られるようになるの?」という質問です。この質問に対してこれまでは、「わかりません」としか答えようがありませんでした。なぜなら、コンテンツを提供する放送事業者が決まっていなかったからです。売り場の方々にとっては売り逃しにつながる可能性もあり、ストレスだったと思います。
―― 放送事業者が認定されたことで、具体的に販売員は顧客にどのように答えられるようになったのですか。
土屋 「2018年の12月1日からです」とお答えできます。各放送事業者の認定申請書には「2018年12月1日から放送開始」と記載されているのです。放送開始がいつからかをお客様に正確にお伝えできることは販売する上でも重要だと考えています。
しかも、NHK、BS朝日、BSジャパン、BS-TBS、BS日本、BSフジの6事業者の放送は、今のBSのチャンネル帯域を使って放送するので、お客様は今お使いのBSのパラボラアンテナのままで視聴することができます。われわれは、こうしたファクトを売り場の方々に、リアルタイムに近いかたちでお伝えし、販売員の方々は自分たちの言葉でわかりやすくお客様に説明していただければと思います。
2018年12月から始まるBS・110度CSの4K・8K放送事業者
一方、BSで4KのSCサテライト放送とQVCサテライト、東北新社、WOWOWの4事業者と、8KのNHK、110度CSで4Kのスカパー・エンターテイメントは、いずれも左旋円偏波という新しい技術を使った電波で放送するため、パラボラアンテナの買い替えが必要になります。
すでにアンテナメーカーからBS、110度CSの共用はもちろん、右旋と左旋共用のパラボラアンテナが販売されていますので、こちらの動向についても逐次、販売の現場に提供していけるようにしたいです。
―― 売り場とのリレーションがポイントになってきますね。
土屋 A-PABでは、BSと110度CSの4K・8K本放送に関するリーフレットを作成し、大手家電流通協会や全国電機商業組合連合会に案内しました。リーフレットは、A-PABのホームページからもダウンロードできるので積極的に活用していただきたいです。
A-PABとしては、販売員の方々の力を借りて、消費者に4K・8K放送の正しい情報を伝えていただきたいので、できるだけ詳しい情報を発信していきたいと考えています。技術的なことまでお客様に話すかどうかは販売店サイドで判断していただくとして、少なくとも販売員として最新の情報を押さえておくことは重要だと思います。
本放送が開始される直前のころには、コンテンツの具体的な中身や4Kオリジナルの構成比、有料放送なのか広告による無料放送なのかということも決まるでしょう。決まり次第、販売員の方々に伝えていきます。
取材・文/細田 立圭志
写真/瀬之口 寿一
放送サービス高度化推進協会(A-PAB)の土屋円専務理事
―― 昨年はBSで4K・8Kの試験放送が始まり、来年の12月からいよいよBSと110度CSで本放送がスタートします。
土屋 放送事業者が中核の団体であるA-PABにとって、今年1月24日の総務省によるBSと110度CSの4K・8K実用放送事業者の認定は、4K・8K放送が前進する大きな一歩になりました。
現在の4Kテレビには4Kチューナーが内蔵されていないため、受信するには各メーカーで開発中の外付けチューナーが必要になります。お客様から「この4Kテレビで4K放送は受信できるの?」と聞かれたときに、販売員の方々は「受信できません」と正しくお伝えしていることと思います。
問題は、その後にお客様から必ず聞かれる「いつから見られるようになるの?」という質問です。この質問に対してこれまでは、「わかりません」としか答えようがありませんでした。なぜなら、コンテンツを提供する放送事業者が決まっていなかったからです。売り場の方々にとっては売り逃しにつながる可能性もあり、ストレスだったと思います。
―― 放送事業者が認定されたことで、具体的に販売員は顧客にどのように答えられるようになったのですか。
土屋 「2018年の12月1日からです」とお答えできます。各放送事業者の認定申請書には「2018年12月1日から放送開始」と記載されているのです。放送開始がいつからかをお客様に正確にお伝えできることは販売する上でも重要だと考えています。
しかも、NHK、BS朝日、BSジャパン、BS-TBS、BS日本、BSフジの6事業者の放送は、今のBSのチャンネル帯域を使って放送するので、お客様は今お使いのBSのパラボラアンテナのままで視聴することができます。われわれは、こうしたファクトを売り場の方々に、リアルタイムに近いかたちでお伝えし、販売員の方々は自分たちの言葉でわかりやすくお客様に説明していただければと思います。
2018年12月から始まるBS・110度CSの4K・8K放送事業者
一方、BSで4KのSCサテライト放送とQVCサテライト、東北新社、WOWOWの4事業者と、8KのNHK、110度CSで4Kのスカパー・エンターテイメントは、いずれも左旋円偏波という新しい技術を使った電波で放送するため、パラボラアンテナの買い替えが必要になります。
すでにアンテナメーカーからBS、110度CSの共用はもちろん、右旋と左旋共用のパラボラアンテナが販売されていますので、こちらの動向についても逐次、販売の現場に提供していけるようにしたいです。
―― 売り場とのリレーションがポイントになってきますね。
土屋 A-PABでは、BSと110度CSの4K・8K本放送に関するリーフレットを作成し、大手家電流通協会や全国電機商業組合連合会に案内しました。リーフレットは、A-PABのホームページからもダウンロードできるので積極的に活用していただきたいです。
A-PABとしては、販売員の方々の力を借りて、消費者に4K・8K放送の正しい情報を伝えていただきたいので、できるだけ詳しい情報を発信していきたいと考えています。技術的なことまでお客様に話すかどうかは販売店サイドで判断していただくとして、少なくとも販売員として最新の情報を押さえておくことは重要だと思います。
本放送が開始される直前のころには、コンテンツの具体的な中身や4Kオリジナルの構成比、有料放送なのか広告による無料放送なのかということも決まるでしょう。決まり次第、販売員の方々に伝えていきます。