<TopVision>テスコム楠野寿也取締役が語る、これからの展望
2015年に創業50周年を迎え、新たなスタートを切ったテスコム。美容室向けのヘアドライヤーブランド「Nobby(ノビー)」は、業務用で約7割のシェアを誇る。楠野寿也代表取締役に、これからの展望をきいた。
取材/道越一郎 BCNチーフエグゼクティブアナリスト
文/南雲 亮平、写真/長谷川 博一
プロに認められている品質で女性のキレイをつくる
テスコムの楠野寿也代表取締役
楠野 創業50周年を節目に、第二創業期としてスタートしています。これに向けてプロジェクトチームをつくり、企業コンセプトや経営理念を見直しました。役員だけでなく社員たちの想いや考えも取り入れて、「これからのテスコムをどのような企業にしていきたいか」を話し合い、これからは当社の原点でもある女性の美容と健康をキーワードに、女性の「キレイをつくる」会社を目指していきます。もちろん、日本の女性だけでなく、世界中の女性に向けてグローバルに事業を展開していきます。また、新たなスタートに合わせて、ショールームも今年2月にオープンしました。
道越 ショールームはどのように活用していくのでしょうか。
楠野 価値が伝えづらい製品を、お客様に少しでも理解していただけるように説明する場として設けました。例えば、真空ミキサーは食材の酸化を防ぎながらミキシングします。日ごろから食材を扱う方なら、酸化を防いだ際の効果はすぐにわかりますが、それ以外の方には理解しにくいでしょう。そういった方々も製品に触れて、理解を深めていただくための場所にしていきたいです。
また、ブランド力の向上にも役立てたいと考えています。美容室向けのヘアドライヤーブランド「Nobby(ノビー)」が、業務用で約7割のシェアを獲得していることもあり、プロの方々に「テスコム」の名前は浸透しています。しかし、一般消費者の間では認知度がまだまだ低いので、実演や講習を通じてテスコムのことを知ってもらいたい、という期待があります。
道越 「Nobby」が、美容室の定番と呼ばれるようなシェアを獲得するまでには、どのような経緯がありましたか。
楠野 始まりは45年ほど前、美容師の負担を軽減するために、世界で初めて360度ブラシ付きのカールドライヤーを開発したことでした。美容院ではブラシとドライヤーで髪の艶出しをしますが、美容師の両手がふさがってしまうため、かなりの重労働でした。これをなんとかできないか、という声を聞きつけて開発に至りました。ヘアアイロンがない時代だったので、髪の毛にカールを付けられるカールドライヤーは、当時、コンシューマの間でも話題となり、今では一つのジャンルになっています。
テスコムの歴史を語る楠野寿也代表取締役
楠野 業務用で重要なのは耐久性と使いやすさです。慣れ親しんだ道具として使い続けるために、デザインの変更には慎重になる必要があります。一方、コンシューマ向けは、色やデザインも重要になり、その時々のニーズに合わせなければ、埋もれてしまうでしょう。しかし一部の量販店から「業務用ドライヤーも需要があるから一般消費者に販売させてほしい」との要望を受けて、2月ごろから一部で販売を開始しています。
業務用で培った耐久性・利便性を保ちつつ、一般の方でも使いやすいように調整しています。秋から「Nobby byTESCOM」のブランドで本格的に投入していく予定です。プロに認められているブランドを強みに、消費者の方々に広めていきたいです。
マイナスイオンヘアードライヤー
NIB2100-W
40年以上にわたりプロ市場を支えている「ノビー」ブランドのヘアドライヤーを、コンシューマ向けに調整したモデル。2月から一部の量販店で取り扱いを開始し、秋から本格的な投入を予定している。「Nobby byTESCOM」を前面に、プロこだわりの品質を訴求する
■プロフィール
楠野寿也
1960年東京生まれ。84年明治大学卒業。卒業後、大手家電系列の新神戸電機に入社。営業を担当する。その後、90年、テスコム電機に入社。製造部長、副社長を経て、96年8月に代表取締役就任、現在に至る。また、テスコムグループのテスコム、テスコムリンクの代表取締役としてグループを率いている。
・<動画インタビュー>トップに聞く『会社の夢』―テスコム 楠野寿也代表取締役
取材/道越一郎 BCNチーフエグゼクティブアナリスト
文/南雲 亮平、写真/長谷川 博一
プロに認められている品質で女性のキレイをつくる
テスコムの楠野寿也代表取締役
創業50周年の節目ブランド力の強化を目指す
道越 2015年に創業50周年を迎えて、大きな変化はありましたか。楠野 創業50周年を節目に、第二創業期としてスタートしています。これに向けてプロジェクトチームをつくり、企業コンセプトや経営理念を見直しました。役員だけでなく社員たちの想いや考えも取り入れて、「これからのテスコムをどのような企業にしていきたいか」を話し合い、これからは当社の原点でもある女性の美容と健康をキーワードに、女性の「キレイをつくる」会社を目指していきます。もちろん、日本の女性だけでなく、世界中の女性に向けてグローバルに事業を展開していきます。また、新たなスタートに合わせて、ショールームも今年2月にオープンしました。
道越 ショールームはどのように活用していくのでしょうか。
楠野 価値が伝えづらい製品を、お客様に少しでも理解していただけるように説明する場として設けました。例えば、真空ミキサーは食材の酸化を防ぎながらミキシングします。日ごろから食材を扱う方なら、酸化を防いだ際の効果はすぐにわかりますが、それ以外の方には理解しにくいでしょう。そういった方々も製品に触れて、理解を深めていただくための場所にしていきたいです。
また、ブランド力の向上にも役立てたいと考えています。美容室向けのヘアドライヤーブランド「Nobby(ノビー)」が、業務用で約7割のシェアを獲得していることもあり、プロの方々に「テスコム」の名前は浸透しています。しかし、一般消費者の間では認知度がまだまだ低いので、実演や講習を通じてテスコムのことを知ってもらいたい、という期待があります。
道越 「Nobby」が、美容室の定番と呼ばれるようなシェアを獲得するまでには、どのような経緯がありましたか。
楠野 始まりは45年ほど前、美容師の負担を軽減するために、世界で初めて360度ブラシ付きのカールドライヤーを開発したことでした。美容院ではブラシとドライヤーで髪の艶出しをしますが、美容師の両手がふさがってしまうため、かなりの重労働でした。これをなんとかできないか、という声を聞きつけて開発に至りました。ヘアアイロンがない時代だったので、髪の毛にカールを付けられるカールドライヤーは、当時、コンシューマの間でも話題となり、今では一つのジャンルになっています。
テスコムの歴史を語る楠野寿也代表取締役
業務用からコンシューマへ「プロ御用達」を訴求
道越 業務用とコンシューマ用製品では求められる機能が変わってくると思いますが、どのような違いがありますか。楠野 業務用で重要なのは耐久性と使いやすさです。慣れ親しんだ道具として使い続けるために、デザインの変更には慎重になる必要があります。一方、コンシューマ向けは、色やデザインも重要になり、その時々のニーズに合わせなければ、埋もれてしまうでしょう。しかし一部の量販店から「業務用ドライヤーも需要があるから一般消費者に販売させてほしい」との要望を受けて、2月ごろから一部で販売を開始しています。
業務用で培った耐久性・利便性を保ちつつ、一般の方でも使いやすいように調整しています。秋から「Nobby byTESCOM」のブランドで本格的に投入していく予定です。プロに認められているブランドを強みに、消費者の方々に広めていきたいです。
マイナスイオンヘアードライヤー
NIB2100-W
40年以上にわたりプロ市場を支えている「ノビー」ブランドのヘアドライヤーを、コンシューマ向けに調整したモデル。2月から一部の量販店で取り扱いを開始し、秋から本格的な投入を予定している。「Nobby byTESCOM」を前面に、プロこだわりの品質を訴求する
■プロフィール
楠野寿也
1960年東京生まれ。84年明治大学卒業。卒業後、大手家電系列の新神戸電機に入社。営業を担当する。その後、90年、テスコム電機に入社。製造部長、副社長を経て、96年8月に代表取締役就任、現在に至る。また、テスコムグループのテスコム、テスコムリンクの代表取締役としてグループを率いている。
・<動画インタビュー>トップに聞く『会社の夢』―テスコム 楠野寿也代表取締役
◇取材を終えて
知る人ぞ知るヘアドライヤーNobby。美容室向け市場では7割のシェアを誇る。45年の歴史を持ち、プロフェッショナルからの厚い信頼に支えられている。コンシューマ市場では「ミキサー」で長年トップシェアを走り続ける。得意とするのは真空ミキサー。鮮度を保ちながらスムージーが作れる。昨年夏に発売した「gokusen 極鮮」は、ホテルやレストランなど業務用市場も狙う。プロにもアマにも支持される、本質的な製品力の強さが同社の魅力だ。(柳)
知る人ぞ知るヘアドライヤーNobby。美容室向け市場では7割のシェアを誇る。45年の歴史を持ち、プロフェッショナルからの厚い信頼に支えられている。コンシューマ市場では「ミキサー」で長年トップシェアを走り続ける。得意とするのは真空ミキサー。鮮度を保ちながらスムージーが作れる。昨年夏に発売した「gokusen 極鮮」は、ホテルやレストランなど業務用市場も狙う。プロにもアマにも支持される、本質的な製品力の強さが同社の魅力だ。(柳)
※『BCN RETAIL REVIEW』2017年4月号から転載