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日本音響エンジニアリング、部屋をオーディオルームに近づけるコツを紹介

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2017/02/20 11:18

 日本音響エンジニアリングは、同社で100件以上の音響設計に携わってきた平田昌之氏による、自分の部屋を本格的なオーディオルームに近づけるための豆知識とノウハウを公開した。

 平田氏は、オーディオルームのための第一歩として、隣室や階下の住民に迷惑をかけないための防音対策を挙げており、スピーカーからの大音量や重低音は階上から階下に伝わって、掃除機の音のように響くことから、夜の遅い時間帯は音量を抑えて音楽を聴くよう求めている。また、窓やドア、換気口などの開口部へのケアも重要で、窓に内窓を追加したり、ドアを防音ドアに交換したりすることで、大きな防音効果が期待できるという。

 一般の家庭でも応用可能な音響設計としては、ビニールクロスなど表面がつるつるとした素材のフラットな壁面や天井などを反射面に、厚手のカーテンや絨毯など音を吸う素材がある面、ソファやマット、壁に掛けた衣類、本棚などの家具を吸音材として、向かい合う2つの面が極端に反射と反射、吸音と吸音にならないよう配慮するよう指摘し、吸音材を置く位置を変えるなどして、音が響きすぎず、吸収しすぎないよう調整するよう提案している。

 スピーカーの設置位置は、リスナーと左右のスピーカーが左右対称の正三角形、向きは右30°/左30°とするのが理想的で、壁からの反射音を少なくするため、壁から離して置くことがポイントであるという。なお、どうしても壁の近くに設置しなければならない場合は、カーテンなどで反射音を防ぎ、正三角形や左右対称での設置が難しい場合は、吸音材の使用や設置位置の工夫で調整できる。

 スピーカーの高さは耳の位置mイスに座った場合は約1.2mが理想的で、スピーカーをリスナーよりも高い位置に置く場合は下向きに、低い位置に置く場合は上向きに設置するとよい。
 

理想的なスピーカーの設置位置

 スピーカーを設置する場所としては、堅くてしっかりした板や台、重い石などの上が望ましく、スピーカーの振動を抑制することで、音響がかなりよくなるという。
 

据置タイプのAGS「SYLVAN」

 森林の中は、「低域の抜けの良さ」と「中高域の緻密な響き」を得られる理想的な音響空間といわれている。日本音響エンジニアリングは、森と同じような音響効果を屋内の部屋で再現する柱状拡散体「Acoustic Grove System(AGS)」を販売している。AGSは2011年に日本音響学会の技術開発賞を受賞しており、スタジオや放送局、コンサートホールなどで使われている。税別価格は10万円から。