<LOGOS・オーディオテクニカ>変わらない音への情熱

特集

2017/01/30 12:00

 音響・映像機器のメーカーとして知られるオーディオテクニカ。正円と三角形のコーポレートロゴのデザインは、約半世紀前の創業当時からほぼ同じだ。背景には、これまで培ってきた同社の音への情熱がある。

 
 企業や製品の顔となるロゴ。日常的によく目にするが、由来やこだわりはご存じだろうか。そんな疑問を解決する連載企画「LOGOS」。第6回はオーディオテクニカのコーポレートロゴを取り上げる。

■会社データ
企業名:オーディオテクニカ
所在地:東京都町田市西成瀬2-46-1
創立:1962年

■案内人

オーディオテクニカのマーケティング本部広報宣伝課の松永貴之マネージャー

 音響・映像機器のメーカーとして知られるオーディオテクニカ。正円と三角形のコーポレートロゴのデザインは、約半世紀前の創業当時からほぼ同じだ。背景には、これまで培ってきた同社の音への情熱がある。

 そもそも、オーディオテクニカという社名には、どんな意味が込められているのか。マーケティング本部広報宣伝課の松永貴之マネージャーは「オーディオが感性、テクニカが技術を示す」と説明する。

 同社は、レコードの再生に使うステレオ・カートリッジの製造が事業の出発点で、そこから専業メーカーとしての地位を確立させてきた歴史がある。そのため、コーポレートロゴのデザインにも、レコードとの密接な関係性が見て取れる。

 まずは、正円に注目したい。表現しているのはレコード盤。透明感と純粋さを表すため、現在は線だけで描いているが、当初は円内を黒く塗りつぶし、今以上に“レコードっぽさ”が出ていた。

 円形のなかにある三角形は、レコード針と、社名の頭文字である「A」を組み合わせた。正円と三角形の隙間を限界まで近くすることで、「精密なものづくり」という意味も表現する。

 ロゴの基本的な形は昔から同じだが、時代に合わせて若干変更している。直近で変更したのは2016年10月。最新のロゴは、従来より線が細くなり、すっきりしたのが特徴だ。
 

オーディオテクニカのロゴの変遷

 最も大きな違いは、ロゴを前面に打ち出す方針を定めたこと。社名ではなく、ロゴに焦点を当てることには「われわれの思いを具現化しているロゴをより一層、シンボルとして強調したい」(松永氏)という狙いがある。

 「音を通して心豊かな人生を」という言葉を理想に掲げる同社。世界中に製品を展開するまでに成長しても、「ユーザーにいい音を提供する」という思いは創業当時のままだ。
 
※『BCN RETAIL REVIEW』2017年2月号から転載