【年頭所感】リテール企業トップが占う2017年(1)

オピニオン

2017/01/23 13:12

 少子高齢化による国内家電マーケットの縮小、白物家電を中心とした買い替え需要による高付加価値商品の販売、オムニチャネルによるインターネットとリアル店舗の融合、インバウンドの風向きの変化など、リテール企業を取り巻く環境が大きく変化した2016年。リテール企業のトップが2017年の抱負を語る。

■リテール企業トップが占う2017年(1)
アマゾンジャパン・カインズ・シュッピン・ジュピターショップチャンネル

 

アマゾンジャパン

渡部 一文
バイスプレジデント
ハードライン事業本部
統括事業本部長

◇「地球上で最も豊富な品揃え」を推進

 Amazonでは「地球上で最も豊富な品揃え」を企業理念としています。2016年もお取引先様のご協力によりさらに品揃えを強化でき、家電・カメラ・AV機器のストアにお越しいただくお客様も増え、非常に好調な一年となりました。この場を借りて、御礼申し上げます。

 昨年は、品揃えと利便性のさらなる拡大のために「大型家具・家電おまかせサービス」を開始しました。大型テレビや冷蔵庫などもAmazonプライム対象商品として最短で翌日にお届けできるようになり、ご好評いただいております。

 また、各国で同時開催のプライム会員向けセール「プライムデー」では、1日の注文数が前年比60%以上と過去最高を記録し、欲しい物をおトクにお買い求めいただけるイベントとして認知されてきたと感じています。

 お客様の購買行動を見ると、まずはAmazonに来られて、商品情報やレビューで「予習」をし、比較検討される方が増えています。メーカーの皆様と協力してサイト上の国内外の優れた商品の情報を充実させることは、オンラインだけでなくオフライン店舗におけるお客様の購買判断向上につながると考えています。

 Amazon では“Still Day One(まだ1日目、たくさんできることがある)”という言葉を大切にしています。2017年もお客様のお買い物に寄り添い、もっと声を聴き、サービスを充実させていく所存です。

カインズ

土屋 裕雅
代表取締役社長

◇“EXCELLENT COMPANY”をめざす

 わが国の小売業はいま、まったく新しいステージに突入しています。その新しい時代に向けて、“カインズ オンリーワン”のビジネスモデルの構築をめざして全社を挙げて取り組んでいます。

 当社は、S P A(製造小売り)企業をめざして自主企画商品づくりの力を磨いてきました。その中から、グッドデザイン賞やプロダクト分野で世界最高レベルの賞と言われる「レッドドット デザイン アワード」の受賞作品なども生み出してきました。モノづくりについて、わが国の小売業界の中では一定の評価を得たものと自負しております。

 同時に、これらの商品を軸にしたカインズのめざす生活文化の提案についても、カインズだからできることを徹底追求してまいります。

 インターネットやビッグデータ、AI など情報技術の進化は目覚ましく、消費者への提案手法は多岐にわたっています。店舗、Eコマース、「スマイルサービス」「カルチャー教室」なども含めたお客様とのダイレクトコミュニケーション等を統合して情報発信を行い、豊かな生活文化創造に貢献してまいります。そして、“For the Customers”「より良いものをより安く」というグループ共通の理念を実現する“EXCELLENT COMPANY”をめざしたいと考えています。

シュッピン

鈴木 慶
代表取締役会長

◇ネットが加速する過激な時代へ

 現在ではインターネットを通じてやろうと思えば大抵の事が出来てしまいます。しかしながら本格的なECの普及はまだこれからであり、テクノロジーの発展によってますますインターネット社会が加速する、過激な時代が来るだろうと考えられます。

 我々が取り扱っている、こだわりの高い価値ある商品や中古品は、ネット取引には不向きと思われがちですが、すべては” やり方次第” だと考えてきました。幸いに、当社のサービスは順調に利用者数を伸ばしており、年々いい方向に向かっております。

 価値ある商品の多くは、実用のためだけに購入されるのではなく、どれだけのエモーションを提供できるかが大切です。例えば商品が持つ魅力や、例えば共通の友人や仲間
とのコミュニケーションなど、様々な情報やきっかけをより広いエリアから得るのには、ネットほど役に立つものはありません。無論、セキュアーな仕組みであることは大前提となります。

 我々はリアルからネットへと急速にシフトする世の中の変化を早くから理解して、対応してきました。今後もネットを通じて何を提供できるのか、どう解決すべきかに知恵を絞り、実行する集団であり続けて参ります。

ジュピターショップチャンネル

篠原 淳史
代表取締役社長

◇「心おどる、瞬間を。もっと。」

 謹んで新年のお慶びを申し上げます。旧年中は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

 弊社「ショップチャンネル」は数多くのお客様、そしてお取引先様に支えられて、2016年に開局20周年を迎えました。この20年間、ショップチャンネルでは「心おどる、瞬間を。」お届けできるよう、様々なことに挑戦して参りました。そして、20 周年に際しましては、これからも「もっと。」をお届けできるよう、これまでの挑戦を超える挑戦を続けていく、そんな熱い想いを込めた「超挑戦!」という合言葉を掲げました。

 テレビの視聴環境そのもの、また通信とのボーダレス化に伴いテレビの位置づけが大きく変わる中、自慢の商品力・番組力・オペレーション力の更なる強化・多様化に努めると同時に、観たい商品を、観たい場所・時間に、観たいデバイスで観られる真のオムニチャネルを目指して、ショップチャンネルは生まれ変わります。

 お客様へ「心おどる、瞬間を。」「もっと。」「もっと。」、お届けしたいという変わらぬ想いの下、次のステージへ向けて、全社一丸となって「超挑戦!」を続けて参ります。
※『BCN RETAIL REVIEW』2017年2月号から転載