京商のドローン、飛行の難易度を下げた理由

インタビュー

2017/01/10 16:25

 空撮が主なニーズのドローンだが、操縦に慣れていないパイロットにとって、高度を保つ技術の習得が難しいという問題があった。京商は問題を解決すれば新たなニーズにつながると考え、飛行する高度を自動で一定に保つ機能を搭載する「DRONE RACER G-ZERO(ドローンレーサー ジーゼロ)」を開発した。


DRONE RACER G-ZERO

 製品を担当するR/C営業本部R/Cグループ兼R&D本部R&Dグループの石川博義マネージャーは、一般的なドローンについて「操作が複雑で、既存のラジコンユーザーでさえ容易には手が出ない状況だ」と話す。操縦の難しさが普及の足かせになっているのだ。
 

ドローンの普及状況について語る石川博義マネージャー

 実際、京商が行ったアンケート調査でも、ドローンに求められる性能として最初に挙がったのが「操作性」。次いで「頑丈さ」、「カメラ機能」と続く。まずはドローンを飛ばすこと自体の技術的なハードルを下げる必要がある。

 「DRONE RACER G-ZERO」は飛行する高度を自動で調整し、低空飛行を固定できる機能を搭載。難しい高度調節が必要なくなったことで、操縦が簡単になった。ドローンを操縦するための「スティックタイプコントローラ」を変更し、業界で初めてRCカーで使うのと同じ「ホイールタイプコントローラ」を採用できたのも、高度固定の恩恵だ。
 

DRONE RACERを操作するホイールタイプコントローラ(左)と
従来のドローンを操作するスティックタイプコントローラ

 「操縦の難しさから今までドローンに手が出せなかった顧客にも、フライト技術を必要とせず、安全に簡単にドローンが飛ばせることを訴求してほしい」と、石川マネージャーは普及に期待を寄せる。

 「DRONE RACER」はレースをするだけでなく、フィールド・アスレチックのように登れる場所を探してみたり、冒険させてみたりと楽しみ方はさまざまだ。顧客には、“手軽さ”と“幅広さ”を具体的なイメージとともに伝えたい。(BCN・南雲 亮平)