「プレミアムフライデー」実施へ、ネット世代の新たな消費のきっかけになるか?
「月末の金曜日は、早めに仕事を終えて豊かにすごす」をコンセプトにした新しい取り組み「プレミアムフライデー」の第1回は、今年2月24日に実施される。官民で連携したプレミアムフライデー推進協議会が推進するプロジェクトで、強制力はなく、公式Webサイトなどを通じて、全国的・継続的な取り組みとなるよう、企業や消費者に個々に訴えていく。
プレミアムフライデー推進協議会は、設立にあわせ、プレミアムフライデーの実施方針と統一ロゴマークを策定。企業・団体は、使用申請すれば、販促ツールなどに自由に使用できる。今後、さまざまな店舗で見かけるようになるかもしれない。
「プレミアムフライデー」の統一ロゴ。複数の活用バリエーションも用意する
プレミアムフライデーが成功する下地はある。2015年12月にBCNが実施した、家電量販店に1か月に1回以上訪れる1000人を対象にしたインターネットでのアンケート調査によると、家電量販店への訪問頻度は「月に1回程度」が最も多く、「月に2、3回程度」、「週1回程度」と続いた。
家電量販店に訪れる機会が多い曜日は、日曜(57.9%)、土曜(50.1%)、祝日(27.3%)、金曜(15.4%)、水曜(14.3%)、木曜(11.8%)、火曜(11.1%)、月曜(10.8%)の順で、金曜は、平日の中で比率が高かった。
さらに、曜日ごとの訪問時間帯をたずねると、金曜は「15時以降」の割合が高く、他の平日や土日と比べると、「17時~19時」は最多、「19時~21時」は2番目に多かった。想定されるのは週末を前に、自発的に仕事を早く切り上げ、会社の近くや通勤途中にある家電量販店を訪れ、一人でゆっくり買い物したり、家族と一緒に見に行く前の下見をしたりする、という行動パターンが浮かび上がる。
懸念材料は、実施まですでに2か月を切っているのに、キャンペーン自体が浸透しているとはいい難い状況だろう。公式サイトをみる限りでは、これまで報じられてきたニュースの見出しから受ける印象とは異なり、かなり緩い内容だ。働き方や地域のつながりなど、ライフスタイルの変革という長期的な狙いを全面に押し出しているからだろう。
▼プレミアムフライデーの概要(経済産業省の発表資料より)
・実施時期:2017年2月24日(2回目以降も「月末」の「金曜日」を軸に実施)
・実施期間:金曜日を核とし、金曜日から日曜日の3日間とするなど、柔軟に設定
・対象地域・業種:全国各地で、業種にとらわれずに実施
・狙い:充実感・満足感を実感できる生活スタイルの変革への機会になる、地域等のコミュニティ機能強化や一体感の醸成につながる、デフレ的傾向を変えていくきっかけとなる
スマートフォンの普及とともに、多くのフォロワーをもつ影響力の高い人が紹介すると、瞬時に情報が広がるSNSが普及し、口コミからヒットする映画や商品が増えてきた。
プレミアムフライデーは一方で、ネットとの親和性が高く、実施の1週間~3日前などの直前に拡散を仕掛ければ、少なくともネット利用者には届くという見方もできる。
販売店は、リアル/オンラインを問わず、集客や販促に苦労している。オンラインショップ大手のAmazon.co.jpすら、リアルイベントを活用したり、プライム会員限定のタイムセールを連発したり、消費者を絶えず誘導する施策を打っている。
呼びかけた経済産業省の狙い通り、「プレミアムフライデー」が新たな消費の起爆剤となり浸透するのかが注目される。(BCN・嵯峨野 芙美)
プレミアムフライデー推進協議会は、設立にあわせ、プレミアムフライデーの実施方針と統一ロゴマークを策定。企業・団体は、使用申請すれば、販促ツールなどに自由に使用できる。今後、さまざまな店舗で見かけるようになるかもしれない。
「プレミアムフライデー」の統一ロゴ。複数の活用バリエーションも用意する
プレミアムフライデーが成功する下地はある。2015年12月にBCNが実施した、家電量販店に1か月に1回以上訪れる1000人を対象にしたインターネットでのアンケート調査によると、家電量販店への訪問頻度は「月に1回程度」が最も多く、「月に2、3回程度」、「週1回程度」と続いた。
家電量販店に訪れる機会が多い曜日は、日曜(57.9%)、土曜(50.1%)、祝日(27.3%)、金曜(15.4%)、水曜(14.3%)、木曜(11.8%)、火曜(11.1%)、月曜(10.8%)の順で、金曜は、平日の中で比率が高かった。
さらに、曜日ごとの訪問時間帯をたずねると、金曜は「15時以降」の割合が高く、他の平日や土日と比べると、「17時~19時」は最多、「19時~21時」は2番目に多かった。想定されるのは週末を前に、自発的に仕事を早く切り上げ、会社の近くや通勤途中にある家電量販店を訪れ、一人でゆっくり買い物したり、家族と一緒に見に行く前の下見をしたりする、という行動パターンが浮かび上がる。
官民連携の消費活性化・余暇充実キャンペーン 狙いはネットユーザー?
プレミアムフライデーは、まさにこうした「会社帰りのショッピング」をしやすくする。恩恵は家電量販店に限らない。立地が良く、金曜夕方~夜の来店が比較的多かった店舗では、訪問者の増加や訪問時刻の前倒し、滞在時間の長時間化によって売上げや単価アップが期待できる。まさに官民連携の消費活性策だ。懸念材料は、実施まですでに2か月を切っているのに、キャンペーン自体が浸透しているとはいい難い状況だろう。公式サイトをみる限りでは、これまで報じられてきたニュースの見出しから受ける印象とは異なり、かなり緩い内容だ。働き方や地域のつながりなど、ライフスタイルの変革という長期的な狙いを全面に押し出しているからだろう。
▼プレミアムフライデーの概要(経済産業省の発表資料より)
・実施時期:2017年2月24日(2回目以降も「月末」の「金曜日」を軸に実施)
・実施期間:金曜日を核とし、金曜日から日曜日の3日間とするなど、柔軟に設定
・対象地域・業種:全国各地で、業種にとらわれずに実施
・狙い:充実感・満足感を実感できる生活スタイルの変革への機会になる、地域等のコミュニティ機能強化や一体感の醸成につながる、デフレ的傾向を変えていくきっかけとなる
スマートフォンの普及とともに、多くのフォロワーをもつ影響力の高い人が紹介すると、瞬時に情報が広がるSNSが普及し、口コミからヒットする映画や商品が増えてきた。
プレミアムフライデーは一方で、ネットとの親和性が高く、実施の1週間~3日前などの直前に拡散を仕掛ければ、少なくともネット利用者には届くという見方もできる。
販売店は、リアル/オンラインを問わず、集客や販促に苦労している。オンラインショップ大手のAmazon.co.jpすら、リアルイベントを活用したり、プライム会員限定のタイムセールを連発したり、消費者を絶えず誘導する施策を打っている。
呼びかけた経済産業省の狙い通り、「プレミアムフライデー」が新たな消費の起爆剤となり浸透するのかが注目される。(BCN・嵯峨野 芙美)