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【大予測2017】低調のインバウンド 家電量販店にも反動が直撃

オピニオン

2016/12/26 18:00

 「爆買い」という言葉が一世を風靡した2015年から打って変わり、16年は訪日外国人(インバウンド)の需要は低調に推移した。家電量販店にも反動が直撃し、恩恵は長く続かなかった。

■インバウンド
 インバウンド需要が下火になったのは、訪日外国人一人当たりの消費額が減少したことが理由の一つとして考えられる。

 観光庁の「訪日外国人消費動向調査」によると、16年7~9月期の訪日外国人一人当たりの旅行支出額は、前年同期比82.9%と大幅に減少した。

 量販店でも、両手いっぱいに商品を抱える外国人の姿が少なくなり、店員の間では「インバウンドは終わった」との認識が拡大。決算でも大きなマイナス要因となった。
 

インバウンド向けの店舗をわずか1年で業態変更し、16年5月にグランドオープンした
「ツクモデジタル.ライフ館」(東京・港区)

 
 

以前は店の前に炊飯器の箱が積みがっていたラオックス銀座本店(東京・中央区)

 売上増の起爆剤となっていたインバウンド需要だが、現在は経営を圧迫する不安材料になりつつある。需要の取り込みに向けて次の一手を打つか、それとも方針転換を図るか。量販店は大きな選択を迫られている。(BCN・廣瀬秀平)
 
 ※『BCN RETAIL REVIEW』2017年1月号から転載