【大予測2017】リテールに広がる白物家電の新たな売り方

オピニオン

2016/12/26 18:00

 日本の人口は2010年の1億2806万人をピークに減少に転じた。15年は1億2711万人。そのうち65歳以上の高齢化率は過去最高の26.7%だった。少子高齢化が進行する国内家電マーケットで白物家電の開発や売り方も転機を迎えた。

■白物家電マーケット

台数より金額が伸長

 最近の家電量販店の業績は、白物家電の動きと連動している。微減収増益という業績内容と同じく、白物家電では台数よりも金額が前年を上回る。つまり、白物家電の単価アップが、家電量販店の利益面で業績を支えるという構図だ。

 JEMAの上期国内出荷実績の前年同期比で、台数より金額の伸びの方が高かった製品は冷蔵庫、洗濯機、掃除機、空気清浄機、電子レンジ、食器洗い乾燥機、電気シェーバーだ。人口減による台数の落ち込みを、単価アップで補う構図はしばらく続きそうだが、限界を迎えたときの対策も打っておきたい。

 リテールの現場でも、白物家電を単体ではなく、顧客の生活シーンの「コト」に絡めた周辺アイテムと一緒にクロスで販売する工夫が広がっている。
 

「食」や「住」をテーマに本と雑貨、家電を融合した売り場を展開する「蔦屋家電」

 15年5月にオープンした「蔦屋家電」は、そんな新しい売り方の火付け役となった。ロフトやイオンスタイルのほか家電量販店もその一部手法を取り入れた。家電製品の供給で協業するエディオンが17年4月にオープンする「エディオン蔦屋家電」の取り組みに視線が集まる。(BCN・細田 立圭志)
 
※『BCN RETAIL REVIEW』2017年1月号から転載