ヘッドホン・イヤホンメーカー座談会・2016秋 新型iPhoneの衝撃やいかに
9月末に発売した新型iPhoneのイヤホンジャック廃止に伴い、ワイヤレスタイプのヘッドホン・イヤホン需要が拡大している。その背景には、ハイレゾの普及やファッションアイコンとしての台頭などニーズの多様化が進み、市場がいま、まさに旬を迎えていることがある。ジャンル自体が急成長にある現状を各メーカーはどうみているのか。今回は、ヘッドホン・イヤホン専門店「eイヤホン」をモデレーターに迎え、議論を交わした。
<Discussion>
・ヘッドホンの買い替え(ステップアップ)訴求に必要な施策は?(本記事)
・ハイレゾ市場の現状と活性化に必要なこととは
・新型iPhoneが変える視聴スタイル
・製品のアピールポイントについて
・参入メーカーが増えた売り場の課題とは
<販売現場の声>
・ケーズデンキ府中本店「売り場を3か所で展開」
・ビックカメラ「単価アップができる製品を」
・Amazon.co.jp「顧客第一の売り場をともに創出」
■ヘッドホンの買い替え(ステップアップ)訴求に必要な施策は?
◇エレコム
遠藤稔也
商品開発部
スーパーバイザー
(オーディオ・エバンジェリスト)
▼「聴いてみたい」を引き出す
規模が大きい3000円以下のマーケットでは、試聴しない購入者がほとんど。音質だけでなく、デザインやワイヤレスなど新しい切り口も生かした「音を聴いてみたい」と思わせるアピールが求められている。
◇JVC ケンウッド
吉田英史
メディア事業部
プロダクツ事業統括部 マーケティング1部
国内・アジア営業担当部長
▼目的を意識した開発を
ハードではなく、ソフトで訴求することが必要だ。音楽を聴く行為に何を求めているのか。使い道をきちんと提案し、目的に合った製品を開発できれば、ユーザーにステップアップする必要性を感じてもらえるはずだ。
◇ソニーマーケティング
新宮俊一
プロダクツビジネス本部
モバイルエンタテインメントプロダクツビジネス部
統括部長
▼違いが分かる体験を提供
単に「良い音」を訴求してもピンとこないが、ユーザーが好きなアーティストや日頃から聴いている音楽で比較してもらうと、反応がまったく変わってくる。違いが分かる体験を通して魅力を伝えることが重要だ。
◇ディーアンドエムホールディングス
宮原利温
国内営業本部
営業企画室 マーケティンググループ
▼コラボも有効手段
体験を促す手段は一つではない。コラボレーションも有効だ。入口が音でなくても、製品に触れてもらえれば、ファンになってもらえるケースもある。きっかけを増やすことが、音質リテラシーの向上にもつながる。
左から、エレコムの遠藤稔也氏(好きなアーティスト:リンダ・ロンシュタット、Earth,Wind&Firem)、J
VCケンウッドの吉田英史氏(好きなアーティスト:サニーデイ・サービス、ソニーマーケティングの新宮俊一氏
(好きなアーティスト:British Rock 全般)、ディーアンドエムホールディングスの宮原利温氏(好きなアーティスト:U2)
◇日立マクセル
河原健介
ライフソリューション事業本部
事業企画本部 商品企画部 企画課
副主管
▼興味を掻き立てる仕かけ
ステップアップのモチベーションはそれぞれだが「音を楽しみたい」というのは共有の目的だ。新素材や新構造をより深く知ってもらうことで「どんな音がするのか」という興味を掻き立てる仕かけづくりが必要だ。
◇ボーズ
硲夏希
マーケティング本部
ブランドマーケティング部
担当部長
▼音は入口の次にあるポイント
音は最も重要なポイントだが、じっくり比較することが求められるのでハードルが高い。体験を促す入口となるのは、機能やデザイン、使い勝手。分かりやすいポイントを訴求して、製品を選びやすくするべきだ。
◇タイムマシン(e ☆イヤホン)
松田信行
経営戦略室 広報戦略室長
岡田卓也
事業本部長
▼レビューが体験に匹敵することも
店舗では体感していただくこと、Webでは本当に聴いたようにイメージしてもらうことを重視している。Webのレビューには、ポジもネガも含めた生の声がある。ユーザー同士のつながりが結果的に商品の価値を高める。
左から、日立マクセルの河原健介氏(好きなアーティスト:BUMP OF CHICKEN)、
ボーズの硲夏希氏(好きなアーティスト:ミシェル・ペトルチアーニ)、タイムマシンの松田信行氏、岡田卓也氏
<ヘッドホン・イヤホンメーカー座談会・2016秋>
開催日:2016年11月2日
場所:BCN 22世紀アカデミールーム
モデレーター:タイムマシン(e☆イヤホン)
参加メーカー:エレコム、JVCケンウッド、ソニーマーケティング、ディーアンドエムホールディングス、日立マクセル、ボーズ(50音順)
*「BCNランキング」のヘッドホン・イヤホン販売金額上位10社+タイムマシン推薦メーカーに参加希望を募った。
開催日:2016年11月2日
場所:BCN 22世紀アカデミールーム
モデレーター:タイムマシン(e☆イヤホン)
参加メーカー:エレコム、JVCケンウッド、ソニーマーケティング、ディーアンドエムホールディングス、日立マクセル、ボーズ(50音順)
*「BCNランキング」のヘッドホン・イヤホン販売金額上位10社+タイムマシン推薦メーカーに参加希望を募った。
<Discussion>
・ヘッドホンの買い替え(ステップアップ)訴求に必要な施策は?(本記事)
・ハイレゾ市場の現状と活性化に必要なこととは
・新型iPhoneが変える視聴スタイル
・製品のアピールポイントについて
・参入メーカーが増えた売り場の課題とは
<販売現場の声>
・ケーズデンキ府中本店「売り場を3か所で展開」
・ビックカメラ「単価アップができる製品を」
・Amazon.co.jp「顧客第一の売り場をともに創出」
■ヘッドホンの買い替え(ステップアップ)訴求に必要な施策は?
◇エレコム
遠藤稔也
商品開発部
スーパーバイザー
(オーディオ・エバンジェリスト)
▼「聴いてみたい」を引き出す
規模が大きい3000円以下のマーケットでは、試聴しない購入者がほとんど。音質だけでなく、デザインやワイヤレスなど新しい切り口も生かした「音を聴いてみたい」と思わせるアピールが求められている。
◇JVC ケンウッド
吉田英史
メディア事業部
プロダクツ事業統括部 マーケティング1部
国内・アジア営業担当部長
▼目的を意識した開発を
ハードではなく、ソフトで訴求することが必要だ。音楽を聴く行為に何を求めているのか。使い道をきちんと提案し、目的に合った製品を開発できれば、ユーザーにステップアップする必要性を感じてもらえるはずだ。
◇ソニーマーケティング
新宮俊一
プロダクツビジネス本部
モバイルエンタテインメントプロダクツビジネス部
統括部長
▼違いが分かる体験を提供
単に「良い音」を訴求してもピンとこないが、ユーザーが好きなアーティストや日頃から聴いている音楽で比較してもらうと、反応がまったく変わってくる。違いが分かる体験を通して魅力を伝えることが重要だ。
◇ディーアンドエムホールディングス
宮原利温
国内営業本部
営業企画室 マーケティンググループ
▼コラボも有効手段
体験を促す手段は一つではない。コラボレーションも有効だ。入口が音でなくても、製品に触れてもらえれば、ファンになってもらえるケースもある。きっかけを増やすことが、音質リテラシーの向上にもつながる。
左から、エレコムの遠藤稔也氏(好きなアーティスト:リンダ・ロンシュタット、Earth,Wind&Firem)、J
VCケンウッドの吉田英史氏(好きなアーティスト:サニーデイ・サービス、ソニーマーケティングの新宮俊一氏
(好きなアーティスト:British Rock 全般)、ディーアンドエムホールディングスの宮原利温氏(好きなアーティスト:U2)
◇日立マクセル
河原健介
ライフソリューション事業本部
事業企画本部 商品企画部 企画課
副主管
▼興味を掻き立てる仕かけ
ステップアップのモチベーションはそれぞれだが「音を楽しみたい」というのは共有の目的だ。新素材や新構造をより深く知ってもらうことで「どんな音がするのか」という興味を掻き立てる仕かけづくりが必要だ。
◇ボーズ
硲夏希
マーケティング本部
ブランドマーケティング部
担当部長
▼音は入口の次にあるポイント
音は最も重要なポイントだが、じっくり比較することが求められるのでハードルが高い。体験を促す入口となるのは、機能やデザイン、使い勝手。分かりやすいポイントを訴求して、製品を選びやすくするべきだ。
◇タイムマシン(e ☆イヤホン)
松田信行
経営戦略室 広報戦略室長
岡田卓也
事業本部長
▼レビューが体験に匹敵することも
店舗では体感していただくこと、Webでは本当に聴いたようにイメージしてもらうことを重視している。Webのレビューには、ポジもネガも含めた生の声がある。ユーザー同士のつながりが結果的に商品の価値を高める。
左から、日立マクセルの河原健介氏(好きなアーティスト:BUMP OF CHICKEN)、
ボーズの硲夏希氏(好きなアーティスト:ミシェル・ペトルチアーニ)、タイムマシンの松田信行氏、岡田卓也氏
※『BCN RETAIL REVIEW』2016年12月号から転載