• ホーム
  • トレンド
  • <TopVision>ファーウェイ・ジャパン呉波副社長、日本での生き残り戦略を語る

<TopVision>ファーウェイ・ジャパン呉波副社長、日本での生き残り戦略を語る

インタビュー

2016/11/25 18:00

 2014年にSIMロックフリースマートフォンに参入してから、一気にシェア上位の常連に登り詰めた。「日本市場での目標は生き残ること」と強調するファーウェイ・ジャパンの呉波副社長が、具体的な戦略について語った。

取材/道越一郎 BCNチーフエグゼクティブアナリスト
文/細田 立圭志、写真/川嶋久人

・前半<日本で勝つ決め手はヒーロープロダクツ>

大切なのは品質とサービス

道越 日本での生き残り戦略で重要なことは何でしょうか。

 まず日本市場向けのモデルは、ほかの地域と大きく異なっています。日本市場向けにカスタマイズしたものを日本市場でのみ提供しているからです。2014年6月に日本でSIMフリー市場がスタートしてから、フラッグシップモデルを日本に合わせてカスタマイズして発売するようにしてきました。
 

ファーウェイ・ジャパンの呉波副社長

 例えば、昨年発売した「Nexus 6P」のゴールドカラーは日本だけで発売したモデルです。中国のメディアでも「なぜ日本市場だけにゴールドモデルを出しているのか」といわれたほどです。

 また、デバイスカンパニーにおける十数年前から、ファーウェイでは日本市場を、技術で最も先進的な市場という位置づけでみています。だから、最先端の技術を取り入れた製品を、最初に日本市場に投入しています。

道越 SIMフリーで日本でのファーウェイのブランド認知が急激に高まっていますね。

 日本のSIMフリー市場で大切にしている点は、製品力もさることながら、品質とサービスです。これは、すぐに目標が達成できるものではありません。巨額の宣伝費を投入して1年で一気に人気を高めるような方法ではなく、日本のユーザーにファーウェイ製品の品質を理解していただき、口コミで周りの友人や家族に認知されるという手法をとってきました。
 

直営店を開設し、アフターサービスにも力を入れると語る呉波副社長

 ですので、2016年に日本の銀座に初めて開設した直営店は、販売するための店舗ではなくアフターサービスのための店舗だったのです。今年中に、さらに2店舗目、3店舗目を開設する予定です。ファーウェイ製品はキャリア向けに提供している端末がさまざまあり、お客様に使われている端末も東京だけではないので。

 ただし、店舗の場所は人が集まる繁華街を予定しています。営利目的の店舗ではなく、ブランド戦略の一環としての店舗という位置づけです。

リアル店舗への投資を強化

道越 オンラインショップでも販売をしています。チャネル戦略について教えてください。

 2015年に楽天市場で初めての公式オンラインショップを開設しました。ここではサブブランドの「honor」にフォーカスしています。オンラインでは楽天モバイルと提携して、戦略的なパートナを組んで展開しています。
 

楽天モバイルとオンラインストア限定で販売する「honor 8」

 しかし、日本ではリアル店舗がとても重要なチャネルであると理解しています。約8年前のキャリア向けビジネスがメーンだったときから、リアル店舗での販売にしっかりと取り組んでいきたいと考えていました。今後は、リアル店舗への投資を強化していきたいですね。

・動画インタビュー・トップに聞く『会社の夢』