BCN、2016年デジタル家電の年末商戦の展望を分析、急成長するメーカーは?
BCNは11月17日、記者発表会を開催し、全国の家電量販店・ネット販売店の実売データを集計した「BCNランキング」をもとに、2016年のデジタル家電の年末商戦の展望と課題を分析した。
SIMフリーを中心としたスマートフォンのさらなる伸びや、今年10月、2年半ぶりに前年同月の実績を上回ったノートPCの本格回復が期待されるなか、道越一郎チーフエグゼクティブアナリストは、「例年と違い、明るい機運も出てきた」とコメントし、「キャリアに対する行政指導の影響を鑑みて、SIMフリースマホには特に期待が持てる」と語った。
メーカー別では、Appleは前年並みなのに対し、ファーウェイ(189.6%)、富士通(356.4%)、ASUS(207.0%)など、SIMフリー勢が大躍進。この傾向は年末商戦も続き、SIMフリーモデルがスマホ市場の拡大を下支えするとみる。
道越一郎チーフエグゼクティブアナリストは、「富士通が価格を下げつつ10万円台を維持、年末商戦ではNECがこの動きに合わせてくる可能性があり、低価格PCを見直す動きがあるかもしれない」と話した。
道越一郎チーフエグゼクティブアナリスト
このほか、液晶テレビとレコーダー、デジタルカメラについても、最新の販売動向を紹介した。
液晶テレビは、10月は販売台数・金額がそろって3か月ぶりに前年を超えた。メーカー別では、ソニーが前年同月比162.8%と好調で、シャープ(111.4%)や東芝(113.8%)も2ケタ増となった。
販売金額の約半数を占める4Kテレビに限ると、10万円を切る4Kテレビを投入したソニーが前年比290.8%と3倍近く伸び、4Kテレビ全体の販売台数も前年比202.7%と、高い伸び率を維持したまま、堅調に推移している。通常の2Kモデルの売れ行き次第で、本格回復も期待できる。
レコーダーは、パナソニックがシェアトップだが、10月の前年比は95.4%にとどまり、落ち込み気味。しかし、2位のシャープ(108.7%)、3位の東芝(118.7%)に回復傾向がみられることから、道越アナリストは「年末商戦で前年並みまで戻る可能性もある」との見方を示した。
デジカメは相変わらず大幅な前年割れが続き、年末商戦にも暗雲が立ち込める。コンパクトデジカメを手がけるカシオが121.0%と前年を上回ったものの、昨年好調だったリコーやキヤノンは、前年を大幅に下回っている。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベース(パソコンの場合)で、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
SIMフリーを中心としたスマートフォンのさらなる伸びや、今年10月、2年半ぶりに前年同月の実績を上回ったノートPCの本格回復が期待されるなか、道越一郎チーフエグゼクティブアナリストは、「例年と違い、明るい機運も出てきた」とコメントし、「キャリアに対する行政指導の影響を鑑みて、SIMフリースマホには特に期待が持てる」と語った。
スマートフォンはSIMフリー勢が躍進
直近の2016年10月、スマートフォン全体の販売台数は、前年同月比112.3%と2ケタ増を記録。内訳をみると、SIMフリーモデルは前年同月比192.6%と、倍増ペースで伸びている一方、SIMロックモデルは同104.5%と伸び悩んでいる。メーカー別では、Appleは前年並みなのに対し、ファーウェイ(189.6%)、富士通(356.4%)、ASUS(207.0%)など、SIMフリー勢が大躍進。この傾向は年末商戦も続き、SIMフリーモデルがスマホ市場の拡大を下支えするとみる。
ノートPC、2年半ぶりに前年超え、底打ちか
同じく10月は、ノートPCの販売台数は前年同月比106.0%となり、「Windows XP」サポート終了に伴う買替え特需以来、30か月ぶりに前年を上回った。特に、前年同月比167.7%という大幅増を記録した富士通やASUS(125.9%)、日本エイサー(115.3%)といった中・台勢の好調が目立つ。デスクトップPCは、依然として前年割れから抜け出せていない。道越一郎チーフエグゼクティブアナリストは、「富士通が価格を下げつつ10万円台を維持、年末商戦ではNECがこの動きに合わせてくる可能性があり、低価格PCを見直す動きがあるかもしれない」と話した。
道越一郎チーフエグゼクティブアナリスト
このほか、液晶テレビとレコーダー、デジタルカメラについても、最新の販売動向を紹介した。
液晶テレビは、10月は販売台数・金額がそろって3か月ぶりに前年を超えた。メーカー別では、ソニーが前年同月比162.8%と好調で、シャープ(111.4%)や東芝(113.8%)も2ケタ増となった。
販売金額の約半数を占める4Kテレビに限ると、10万円を切る4Kテレビを投入したソニーが前年比290.8%と3倍近く伸び、4Kテレビ全体の販売台数も前年比202.7%と、高い伸び率を維持したまま、堅調に推移している。通常の2Kモデルの売れ行き次第で、本格回復も期待できる。
レコーダーは、パナソニックがシェアトップだが、10月の前年比は95.4%にとどまり、落ち込み気味。しかし、2位のシャープ(108.7%)、3位の東芝(118.7%)に回復傾向がみられることから、道越アナリストは「年末商戦で前年並みまで戻る可能性もある」との見方を示した。
デジカメは相変わらず大幅な前年割れが続き、年末商戦にも暗雲が立ち込める。コンパクトデジカメを手がけるカシオが121.0%と前年を上回ったものの、昨年好調だったリコーやキヤノンは、前年を大幅に下回っている。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベース(パソコンの場合)で、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。