LTEケータイ向け新料金プラン、狙いは比率が下がったケータイのテコ入れか
家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、2016年9月、携帯電話全体に占める従来型携帯電話(フィーチャーフォン)の販売台数構成比は8.4%に低下し、過去最低を更新した。
冬春モデル発表前の買い控えと、新iPhoneの発売が重なったためとはいえ、1割を切ったインパクトは大きい。そうしたなか、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの主要3キャリアは、ケータイ向け料金プランを拡充。ここ数年、スマートフォンへの乗り換えを促すばかりだったケータイユーザーのつなぎとめに走っている。
最新機種に買い替えるにあたり、引き続き、ケータイを使い続けたい層と、毎月支払う料金さえ安ければスマホでもケータイでもどちらでも構わない層の流出を止めるには、料金プランの見直しが必要と考えたNTTドコモとKDDI(au)は、10月19日、LTEケータイ向けの新しい料金プランを発表すると、ソフトバンクも翌日になって同様のプランを発表して追従。3社ほぼ横並びとなった。
新料金プランの対象はLET対応ケータイのみ(写真はドコモの「AQUOS ケータイ SH-01J」)
あわせて、従来から提供している月額2200円の音声通話定額プラン「カケホーダイプラン(ケータイ)」の対象に「Xi」を追加した。なお、「カケホーダイライトプラン(ケータイ)」の場合、既存のパケットパックも選択できる。
新設した「ケータイパック」を選んだ場合、spモード使用料(インターネット接続料)とあわせた最低利用料金は月額1800円。FOMA対応ケータイからLTE対応ケータイに機種変更しても、通信料金は従来と同水準に抑えることができる。
「ケータイパック」の月間データ容量は2GBで、300円分(約10MB)を超過すると、約137MBまで、1KBにつき0.03円の従量課金となる。上限額は4200円。契約年数15年以上の場合、「ずっとドコモ割」によって、通常より300円安い上限額3900円で利用できる。
ドコモの「ケータイパック」利用イメージ図
KDDIと沖縄セルラーは、「4G LTEケータイ」契約者を対象に、1回5分以内の国内音声通話が24時間かけ放題になるプラン「スーパーカケホ(ケータイ)」と0円から使えるデータ定額サービス「ダブル定額Z(ケータイ)」を11月9日から提供する。
「スーパーカケホ(ケータイ)」の月額料金は税別1200円で、「ダブル定額Z(ケータイ)」と「LTE NET」(インターネット接続料)をあわせ、月額1500円から利用できる。提供中の月額2200円の電話カケ放題プラン「カケホ(ケータイ)」も選べる。なお、新設する「ダブル定額Z(ケータイ)」は、「au STARギフト」の中の「誰でも割更新ギフト券」(3000円分相当)の対象となる。
新たに提供するauの「4G LTEケータイ」向け料金プラン
「ダブル定額Z(ケータイ)」の月間データ容量は2.5GBで、500KBまでは0円、500KB超過後は利用量に応じて、1KBにつき0.03円、上限額4500円の従量課金となる。割引きサービス「auスマートバリュー」「auスマートバリューmine」の対象外。
上限額を改定する2段階データ定額サービス「データ定額S(4G ケータイ)」「パケットし放題S for 4G ケータイ」の月間データ容量は2.5GBで、500KBまでは0円、500KB超過後は利用量に応じて1KBにつき0.04円、上限額4500円の従量課金。既存契約者は10月28日以降、当該請求月から自動的に切り替わる。
4G ケータイの最低利用料金は、新設する「通話定額ライト基本料(ケータイ)」の場合、インターネット接続料とあわせて月額1500円。従来の「ホワイトプラン」と「パケットし放題S for 4G ケータイ」を組み合わせた場合は1234円。
各社とも、高速なLTEに対応しても、ケータイは、従来の3G対応ケータイの延長であり、スマホとは異なる料金体系を継続するという方針が明確になった。これら新料金プランの投入がスマホとケータイの販売動向にどう影響を与えるのか、いったん下がったケータイの比率が再び上昇に転じるのか、今後に注目したい。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
冬春モデル発表前の買い控えと、新iPhoneの発売が重なったためとはいえ、1割を切ったインパクトは大きい。そうしたなか、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの主要3キャリアは、ケータイ向け料金プランを拡充。ここ数年、スマートフォンへの乗り換えを促すばかりだったケータイユーザーのつなぎとめに走っている。
最新機種に買い替えるにあたり、引き続き、ケータイを使い続けたい層と、毎月支払う料金さえ安ければスマホでもケータイでもどちらでも構わない層の流出を止めるには、料金プランの見直しが必要と考えたNTTドコモとKDDI(au)は、10月19日、LTEケータイ向けの新しい料金プランを発表すると、ソフトバンクも翌日になって同様のプランを発表して追従。3社ほぼ横並びとなった。
新料金プランの対象はLET対応ケータイのみ(写真はドコモの「AQUOS ケータイ SH-01J」)
なぜ今ケータイ向けプランをテコ入れ? まずはドコモとauが発表
ドコモは、10月21日に、初めてLTEに対応した「ドコモ ケータイ」2機種と「ドコモ らくらくホン」の発売に合わせ、「Xi(LTE)」契約者向けに、5分以内の国内音声通話なら、回数制限なく利用できる税別月額1200円の音声通話定額プラン「カケホーダイライトプラン(ケータイ)」と、税別月額300円からの2段階パケット定額プラン「ケータイパック」の提供を開始した。あわせて、従来から提供している月額2200円の音声通話定額プラン「カケホーダイプラン(ケータイ)」の対象に「Xi」を追加した。なお、「カケホーダイライトプラン(ケータイ)」の場合、既存のパケットパックも選択できる。
新設した「ケータイパック」を選んだ場合、spモード使用料(インターネット接続料)とあわせた最低利用料金は月額1800円。FOMA対応ケータイからLTE対応ケータイに機種変更しても、通信料金は従来と同水準に抑えることができる。
「ケータイパック」の月間データ容量は2GBで、300円分(約10MB)を超過すると、約137MBまで、1KBにつき0.03円の従量課金となる。上限額は4200円。契約年数15年以上の場合、「ずっとドコモ割」によって、通常より300円安い上限額3900円で利用できる。
ドコモの「ケータイパック」利用イメージ図
KDDIと沖縄セルラーは、「4G LTEケータイ」契約者を対象に、1回5分以内の国内音声通話が24時間かけ放題になるプラン「スーパーカケホ(ケータイ)」と0円から使えるデータ定額サービス「ダブル定額Z(ケータイ)」を11月9日から提供する。
「スーパーカケホ(ケータイ)」の月額料金は税別1200円で、「ダブル定額Z(ケータイ)」と「LTE NET」(インターネット接続料)をあわせ、月額1500円から利用できる。提供中の月額2200円の電話カケ放題プラン「カケホ(ケータイ)」も選べる。なお、新設する「ダブル定額Z(ケータイ)」は、「au STARギフト」の中の「誰でも割更新ギフト券」(3000円分相当)の対象となる。
新たに提供するauの「4G LTEケータイ」向け料金プラン
「ダブル定額Z(ケータイ)」の月間データ容量は2.5GBで、500KBまでは0円、500KB超過後は利用量に応じて、1KBにつき0.03円、上限額4500円の従量課金となる。割引きサービス「auスマートバリュー」「auスマートバリューmine」の対象外。
ソフトバンクも月額1200円の音声通話プランを新設 3社ほぼ横並びに
ソフトバンクは、5分以内の国内音声通話が回数制限なく利用できる新料金プラン「スマ放題ライト」に、SoftBankの4G ケータイ(LTE対応ケータイ)利用者を対象とした月額1200円の「通話定額ライト基本料(ケータイ)」を新設する。あわせて、月額0円から利用できる2段階データ定額サービスの上限額を月額4200円に改定。ともに、新規契約・機種変更向けに10月28日から提供する。上限額を改定する2段階データ定額サービス「データ定額S(4G ケータイ)」「パケットし放題S for 4G ケータイ」の月間データ容量は2.5GBで、500KBまでは0円、500KB超過後は利用量に応じて1KBにつき0.04円、上限額4500円の従量課金。既存契約者は10月28日以降、当該請求月から自動的に切り替わる。
4G ケータイの最低利用料金は、新設する「通話定額ライト基本料(ケータイ)」の場合、インターネット接続料とあわせて月額1500円。従来の「ホワイトプラン」と「パケットし放題S for 4G ケータイ」を組み合わせた場合は1234円。
各社とも、高速なLTEに対応しても、ケータイは、従来の3G対応ケータイの延長であり、スマホとは異なる料金体系を継続するという方針が明確になった。これら新料金プランの投入がスマホとケータイの販売動向にどう影響を与えるのか、いったん下がったケータイの比率が再び上昇に転じるのか、今後に注目したい。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。