Amazonログイン&ペイメント導入企業が1000社を突破、新機能を提供開始
アマゾンジャパンは、10月21日、「Amazonログイン&ペイメント」に関するメディア向けラウンドテーブルを開催。現状とさらなる拡大に向けた新機能を発表した。
「Amazonログイン&ペイメント」は、Amazon以外のECサイトでAmazonアカウントを利用することで、注文時の配送先住所やクレジットカード情報の入力の手間を減らすことができるサービス。ユーザーの利便性を向上し、カート画面からの離脱を防ぐことで、注文成約率の改善するのが目的だ。
日本での2015年5月の提供開始から16か月間に導入したECサイトは、1000社以上にのぼる。ソリューションプロバイダー経由の導入を取り入れることで、15年9月から飛躍的に契約数が伸びた。さらに、16年4月にソリューションプロバイダーを対象とした公式認定制度「グローバルパートナープログラム」を展開。現在、30社以上の企業がメンバーに認定されている。
「Amazonログイン&ペイメント」の導入実績
Amazonのビジネスモデルの柱になっているのは、ユーザーとAmazon間で取引をする「直販」、出品サービスの「マーケットプレイス」、そしてアカウントサービスを提供する「Amazonログイン&ペイメント」だ。他のECサイトで購入されるとメインの直販ビジネスと競合するのではないかとの疑問が沸くが、アマゾンペイメント事業本部の井野川拓也事業部長によると「Amazonで販売していない商品を扱うECサイトと提携しているので問題ない」とのことだ。
アマゾンペイメント事業本部の井野川拓也事業部長
ビジネスモデルにおけるペイメント事業の位置づけ
例えば、開始当初からサービスを導入している国内最大級の宅配・デリバリー総合サービス「出前館」と、劇団公演のチケット予約をする「劇団四季」公式サイトケースだと「前者であれば地域に制限されるし、後者であれば座席の指定が必要だ。どちらもAmazonでは購入することができない商品」と説明する。サービスを導入した事業者は、決済金額に応じて一定の割合を手数料としてAmazonに支払う仕組みだ。
「出前館」と「劇団四季」のWebサイト画面(左)とAmazon IDのログイン画面(右)
導入事業者のメリットは三つある。まず会員登録の省略化による「新規顧客の獲得」。必要事項を入力する際に離脱してしまうリスクを防ぐことで、会員登録率を引き上げる。次に「コンバージョンレートの改善」。一つ目のメリットと同様、配送先やクレジット情報の省略することで成約率を改善する。最後に「不正取引対策」。導入事業者はAmazonの不正取引に対するサポートを受けることができるので、リスク管理のコストを削減することが可能だ。
導入事業者のメリット
9月から新たに追加した「定期購入」は、事業者のサービス内容に応じて、自由に金額や請求タイミングを設定できる機能。日本はアメリカ、イギリスに次ぐ3番目の導入だ。海外の事例だと、月々の引き落としがある定期購読している新聞・雑誌や、価格変動がある通信料金の支払いで活用されている。
定期購入機能の仕組み
さらに、モバイルアプリにも対応する。Nielsen Mobile NetViewの調査によると、Amazonカスタマーのモバイルアプリ利用者は16年5月で1608万人。急速に利用率が高まっている。今回の対応では、Amazonアプリにログインすれば、自動的に「Amazonログイン&ペイメント」を利用する自社のモバイルアプリのログインが不要になるシングルサインオンを実現。別途、アプリにログインする手間を省いてユーザーの利便性を高める。
モバイルアプリにも対応
「Amazonログイン&ペイメント」は、本国アメリカを中心にグローバル規模で実績を重ねている。エクスターナルペイメントサービスのパトリック・ゴディエ バイスプレジデントは「オンラインとオフラインの垣根はもはやなくなりつつある」と、ショッピングの形態変化に言及した。
エクスターナルペイメントサービスのパトリック・ゴディエ バイスプレジデント
「顧客はオフラインで出会った商品を好きな時にオンラインで購入できるし、販売事業者は事前にお客様のニーズを把握して商品を薦めることもできる」。Amazonが描くショッピングの未来は、オフとオンのシームレスな連動を前提にしている。「相互の連携でショッピングは、コネクテッドコマース(リッチな購入体験)になるだろう」と期待を込めて締め括った。(BCN・大蔵 大輔)
「Amazonログイン&ペイメント」は、Amazon以外のECサイトでAmazonアカウントを利用することで、注文時の配送先住所やクレジットカード情報の入力の手間を減らすことができるサービス。ユーザーの利便性を向上し、カート画面からの離脱を防ぐことで、注文成約率の改善するのが目的だ。
日本での2015年5月の提供開始から16か月間に導入したECサイトは、1000社以上にのぼる。ソリューションプロバイダー経由の導入を取り入れることで、15年9月から飛躍的に契約数が伸びた。さらに、16年4月にソリューションプロバイダーを対象とした公式認定制度「グローバルパートナープログラム」を展開。現在、30社以上の企業がメンバーに認定されている。
「Amazonログイン&ペイメント」の導入実績
Amazonのビジネスモデルの柱になっているのは、ユーザーとAmazon間で取引をする「直販」、出品サービスの「マーケットプレイス」、そしてアカウントサービスを提供する「Amazonログイン&ペイメント」だ。他のECサイトで購入されるとメインの直販ビジネスと競合するのではないかとの疑問が沸くが、アマゾンペイメント事業本部の井野川拓也事業部長によると「Amazonで販売していない商品を扱うECサイトと提携しているので問題ない」とのことだ。
アマゾンペイメント事業本部の井野川拓也事業部長
ビジネスモデルにおけるペイメント事業の位置づけ
例えば、開始当初からサービスを導入している国内最大級の宅配・デリバリー総合サービス「出前館」と、劇団公演のチケット予約をする「劇団四季」公式サイトケースだと「前者であれば地域に制限されるし、後者であれば座席の指定が必要だ。どちらもAmazonでは購入することができない商品」と説明する。サービスを導入した事業者は、決済金額に応じて一定の割合を手数料としてAmazonに支払う仕組みだ。
「出前館」と「劇団四季」のWebサイト画面(左)とAmazon IDのログイン画面(右)
導入事業者のメリットは三つある。まず会員登録の省略化による「新規顧客の獲得」。必要事項を入力する際に離脱してしまうリスクを防ぐことで、会員登録率を引き上げる。次に「コンバージョンレートの改善」。一つ目のメリットと同様、配送先やクレジット情報の省略することで成約率を改善する。最後に「不正取引対策」。導入事業者はAmazonの不正取引に対するサポートを受けることができるので、リスク管理のコストを削減することが可能だ。
導入事業者のメリット
9月から新たに追加した「定期購入」は、事業者のサービス内容に応じて、自由に金額や請求タイミングを設定できる機能。日本はアメリカ、イギリスに次ぐ3番目の導入だ。海外の事例だと、月々の引き落としがある定期購読している新聞・雑誌や、価格変動がある通信料金の支払いで活用されている。
定期購入機能の仕組み
さらに、モバイルアプリにも対応する。Nielsen Mobile NetViewの調査によると、Amazonカスタマーのモバイルアプリ利用者は16年5月で1608万人。急速に利用率が高まっている。今回の対応では、Amazonアプリにログインすれば、自動的に「Amazonログイン&ペイメント」を利用する自社のモバイルアプリのログインが不要になるシングルサインオンを実現。別途、アプリにログインする手間を省いてユーザーの利便性を高める。
モバイルアプリにも対応
「Amazonログイン&ペイメント」は、本国アメリカを中心にグローバル規模で実績を重ねている。エクスターナルペイメントサービスのパトリック・ゴディエ バイスプレジデントは「オンラインとオフラインの垣根はもはやなくなりつつある」と、ショッピングの形態変化に言及した。
エクスターナルペイメントサービスのパトリック・ゴディエ バイスプレジデント
「顧客はオフラインで出会った商品を好きな時にオンラインで購入できるし、販売事業者は事前にお客様のニーズを把握して商品を薦めることもできる」。Amazonが描くショッピングの未来は、オフとオンのシームレスな連動を前提にしている。「相互の連携でショッピングは、コネクテッドコマース(リッチな購入体験)になるだろう」と期待を込めて締め括った。(BCN・大蔵 大輔)