レノボの国内ブランド力が抜き出るか、富士通とPC事業統合で
中国・レノボグループが富士通のPC事業統合に向けて動いているとNHKなどの各メディアが10月6日に報じた。家電量販店の実売データを集計する「BCNランキング」をもとに、仮に、事業統合した場合のレノボにとってのメリットを推測した。
タブレット端末を含むPC全体の販売台数の約5割を占めるノートPCに絞ると、上位3社はNEC、富士通、東芝の国内勢が占める。その次に海外勢のレノボ・ジャパン、ASUS、Apple、日本エイサーと続く。
直近1年(2015年9月~16年9月)のノートPC上位7社の販売台数シェアの推移をみると、16年1月や4月、8月など、富士通と東芝の順位が入れ替わるなどの攻防はあるものの、基本的に国内勢3社の上位占有は変わらない。ただし、9月はレノボ・ジャパン(12.7%)が東芝(12.2%)を上回って3位に浮上する変化があった。
レノボは、海外勢のなかではトップだ。シェア12.3%を占めた今年5月は、ASUS(11.8%)にわずか0.5ポイント差まで詰め寄られたものの、その後は引き離している。
直近の9月のノートPCの税別平均単価は、国内勢の富士通が11万1500円、東芝が10万3700円、NECが10万2900円だった。対して、海外勢のレノボが5万5100円、日本エイサーが5万700円、ASUSが4万7000円だった。
単純計算で、富士通のノートPC1台の価格で、レノボのノートPC2台が買えるほどの価格差が開いている。
周知のとおり、レノボは2011年にNECをグループ傘下に収めた。新たに富士通が加われば、サポート面での安心感やブランドへの信頼感の獲得という大きなメリットが得られる。
高価格帯PCが売れるという「特異な」国内PC市場の中で、レノボのPCの平均単価が上がり、海外勢の低価格PC競争から頭ひとつ抜き出ることができるのか。レノボの平均単価の推移が気になる。(BCN・細田 立圭志)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
高単価な国内メーカーが強いノートPC市場
国内PC市場は、海外メーカーに比べ、価格の高い国内PCメーカーが高いシェアをもつ。国内メーカー製PCに使い慣れたユーザーによる買い替えに加え、サポート面での安心感やブランドへの信頼が大きいとみられる。タブレット端末を含むPC全体の販売台数の約5割を占めるノートPCに絞ると、上位3社はNEC、富士通、東芝の国内勢が占める。その次に海外勢のレノボ・ジャパン、ASUS、Apple、日本エイサーと続く。
直近1年(2015年9月~16年9月)のノートPC上位7社の販売台数シェアの推移をみると、16年1月や4月、8月など、富士通と東芝の順位が入れ替わるなどの攻防はあるものの、基本的に国内勢3社の上位占有は変わらない。ただし、9月はレノボ・ジャパン(12.7%)が東芝(12.2%)を上回って3位に浮上する変化があった。
レノボは、海外勢のなかではトップだ。シェア12.3%を占めた今年5月は、ASUS(11.8%)にわずか0.5ポイント差まで詰め寄られたものの、その後は引き離している。
平均単価に大きな開き 富士通1台分でレノボのノートPC2台が買える
一方、メーカーごとの平均単価をみると、Appleの13万円台を除くと、国内PCメーカー上位3社と海外PCメーカー上位3社の二極化が際立つ。直近の9月のノートPCの税別平均単価は、国内勢の富士通が11万1500円、東芝が10万3700円、NECが10万2900円だった。対して、海外勢のレノボが5万5100円、日本エイサーが5万700円、ASUSが4万7000円だった。
単純計算で、富士通のノートPC1台の価格で、レノボのノートPC2台が買えるほどの価格差が開いている。
周知のとおり、レノボは2011年にNECをグループ傘下に収めた。新たに富士通が加われば、サポート面での安心感やブランドへの信頼感の獲得という大きなメリットが得られる。
高価格帯PCが売れるという「特異な」国内PC市場の中で、レノボのPCの平均単価が上がり、海外勢の低価格PC競争から頭ひとつ抜き出ることができるのか。レノボの平均単価の推移が気になる。(BCN・細田 立圭志)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。