モバイルバッテリのアンカー、生活家電事業に本格参入

経営戦略

2016/09/27 15:53

 モバイルバッテリやUSB充電器などを手がけるAnkerの日本支社のアンカー・ジャパンは、家電ブランド「Eufy(ユーフィ)」を立ち上げ、生活家電事業に本格的に参入することを明らかにした。

 「Anker」ブランドのモバイルバッテリの累計販売台数は1500万台に及ぶ。9月21日に開催した記者会見で井戸義経社長は、「Ankerとして2015年は3億ドルの成績を残し、2016年には5億ドルの売上高を見込む」と話した。
 

アンカー・ジャパンの井戸社長

 今年6月には、テストマーケティング的にロボット掃除機「Anker RoboVac 10」、コードレススティック掃除機「Anker HomeVac Duo」、ディフューザー「Ankerエッセンシャルオイルディフューザー 超音波加湿器」を発売。家電事業に初参入した。
 

ロボット掃除機「Anker RoboVac 10」

 ロボット掃除機やコードレススティック掃除機は、いま、注目の家電だ。参入メーカーは多い。この激戦区にあえて参入した理由について、マーケティング&セールス シニアマネージャーの猿渡 歩氏は「いい物を手が出しやすい価格で提供することで、入る余地がある」と語る。

 ロボット掃除機といえば、アイロボット社の「ルンバ」が有名だが、価格は普及帯モデルでも6万円ほどする。「ロボット掃除機の認知度が高まり、購入したいと思うユーザーは増えた。しかし、価格面で二の足を踏んでいる」とし、こうしたユーザーをターゲットに、6月11日に発売した「Anker RoboVac 10」は、ルンバの半額以下の税込価格2万5110円と、十分な機能を備えつつ、手頃な価格に設定したという。
 

猿渡シニアマネージャーと「Anker RoboVac 10」

 十分な品質と、手頃な価格を両立するため、直販にすることで商品流通の中間マージンをカットし、流通コストのスリム化を図った。井戸社長は「直販モデルでコストを削減し、満足できる製品を低価格で提供してきた」と胸を張る。
 

「eufy」ブランドを立ち上げ、家電事業を強化

 今回、「eufy」ブランドを立ち上げたことで、家電事業に本格的に取り組む姿勢をアピールした。「eufy」ブランド第一弾製品は、新型ロボット掃除機「Eufy RoboVac 20」、LEDデスクライト「Eufy Lumos E1」「Eufy Lumos A4」、超音波加湿器「Eufy Humos」の4製品。

 井戸社長は、「これまでユーザーの声に合わせて製品ロードマップや事業構造も柔軟に変化させてきた。『eufy』は家庭での快適な生活をサポートするためのブランド。クリーニング、ライティング、環境改善の三つのカテゴリの製品を投入していく」と話した。
 

新たに立ち上げた「eufy」ブランド

 今後、「eufy」ブランドは、日本だけではなく、米国をはじめ各国でも展開する予定。