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スウェーデン発の「完全」ワイヤレスのイヤホン「EARIN」開発ヒストリー

売るヒント

2016/08/26 18:30

 2015年12月にモダニティが発売したワイヤレスイヤホン「EARIN」は、スウェーデンのEpickal ABが開発した。耳栓のように耳の中に入れるだけで音楽が楽しめる。両耳のスピーカー間をつなぐワイヤすら使わない「完全な」ワイヤレスイヤホンだ。


完全ワイヤレスのイヤホン「EARIN」
 

発想は「耳栓みたいなワイヤレスイヤホン」

 超小型のワイヤレスイヤホン「EARIN」は、ソニー・エリクソンやノキアに勤めていたエンジニアを含む3人のエンジニアが開発した。発端は2013年の初頭、飲み屋での「耳栓みたいなワイヤレスイヤホンがあったら面白いのではないか」といった何気ない会話から生まれた。3人は幾度かの話し合いの末、それぞれ会社を辞め、Epickal ABを立ち上げた。

 2013年の春と秋にコンセプトを練り上げ、年末に試作品が出来上がった。問題は、超小型のワイヤレスイヤホンを生産するまでにかかる資金と時間だ。資金面に関しては、2014年5月に米国の有力クラウドファンディングサイト「Kickstarter」を使った。出資を募った結果、目標を大きく上回る150万ドルの資金集めに成功した。

 そこから本格的な改良・生産が始まり、2015年の年末に発売にこぎつけた。日本でも、ほぼ同時期に発売できたのは、モダニティのレジィス・ヴェラン社長がKickstarterから誕生した「EARIN」を発見し、聞きつけた岡村健治営業&マーケティングマネージャーが「間違いなく売れる」という確信のもと、Epickal ABにアプローチをかけたからだ。
 

モダニティ 営業&マーケティングの岡村健治マネージャー

 発売すると瞬く間に世間の話題となったが、大量生産できるほどの余裕はなく、予想を超える大量の注文を抱えてしまう状況が続いた。やっとのことで2016年の中ごろに生産が注文に追いつくようになり、現在は潤沢な在庫を用意できるという。
 

装着性や音質にもこだわった

 スポーツなどの激しい動作の際に外れるのではないかという不安に対しては、付属のスタビライザーを装着すれば、こぼれ落ちるのを防げる。コンプライ社製のフォームチップで遮音性も高まるなど、付属品も充実している。
 

期待通りのヒットに手応えを感じているようだ

 開発したスウェーデンのEpickal ABは「ワイヤレスのイヤホンで世界で一番の会社になりたい」という夢を目標に、次なる新製品の開発に取り組んでいる。(BCN・南雲 亮平)