炊飯器「秋の陣」を占う
今年も秋の新米シーズンが近づいてきた。日本電機工業会(JEMA)の国内出荷実績によると、2016年1月~6月のIHジャー炊飯器は台数ベースで278万8000台(前年同期比98.1%)、金額ベースでは582億3100万円(同99.8%)と堅調な推移となった。だが、直近の6月単月の実績を見ると台数は同82.2%、金額は同71.9%と翳りもみられる。高級炊飯器を中心としたインバウンド需要が鈍ったとの見方が多い。各社の最上位モデルから秋商戦のポイントを探る。(BCN・細田 立圭志)
インバウンド需要が減ったとはいえ、家電量販店ではキッチンスタジオで試食会のイベント集客を開催するなど、依然として人気商品であることは間違いない。麦や玄米など健康や美容に関心の高い顧客に向けては、健康機器や理美容機器と一緒に、「ヘルシー家電」のジャンルで展示するなど新しい視点も求められる。
「ヘルシー家電」の売り方もあり
各社の炊飯器を見ると、炭や鉄、土など異なる内釜の素材が特徴だ。ここ数年では、「かまど」に近づけようと、羽根のある内釜も増えた。また、圧力の加減を調節したり、高温スチームを使ったりするなどして、ふっくらとした甘くておいしいごはんの炊き上がりを追求している。いずれも、内釜の中で大きな対流を起こして水と米を混ぜたり、熱を内釜の中心まで浸透させるなど、ムラなく炊き上げるための工夫だ。インバウンド需要が減ったとはいえ、家電量販店ではキッチンスタジオで試食会のイベント集客を開催するなど、依然として人気商品であることは間違いない。麦や玄米など健康や美容に関心の高い顧客に向けては、健康機器や理美容機器と一緒に、「ヘルシー家電」のジャンルで展示するなど新しい視点も求められる。
※『BCN RETAIL REVIEW』2016年9月号から転載