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活況の4Kテレビ、販売台数・金額ともに増加 オリンピック需要でさらに加速か

時事ネタ

2016/07/15 16:06

 BCNは7月14日、記者発表会を開催し、全国の家電量販店・ネット販売店の実売データを集計した「BCNランキング」をもとに、今年8月のオリンピックを目前に、加速する4Kテレビ市場の動向について分析した。


4Kテレビの販売台数・金額前年同月比と平均単価の推移

 集計対象としている全121カテゴリをあわせたデジタル家電全体の2016年上半期(1月~6月)の販売数量は、前年同期比95.1%にとどまったが、販売金額は102.2%とわずかながら前年を上回り、回復の兆しを見せている。特に、2015年のデジアナ変換サービス終了による「特需」の反動が収束してきたことに加え、買い替えサイクルや値下がりなどの影響で、4Kテレビは前年同期比221.9%と大幅に伸びた。 
 


4Kテレビ市場について解説するBCNの道越一郎チーフエグゼクティブアナリスト

 道越一郎チーフエグゼクティブアナリストは、「液晶テレビ全体の販売台数のうち、4K対応モデルが22.8%を占め、4Kテレビが1つのカテゴリとして成り立っている」と分析。4Kテレビの税別平均単価も、17万1800円と緩やかに下がっている。「液晶テレビ全体における40型台の販売台数構成比が31.3%と過去最高を記録し、4Kテレビに限ると55.8%に達した。画面サイズの主役は、40型台に移り変わった」と解説した。 
 


発表会の様子

4Kテレビの2016年上半期No.1はソニー 4K比率は4割を超える


 4Kテレビを手がける主要メーカー4社について、それぞれ動きをみると、2016年上半期、販売台数シェア28.7%を占め、4Kテレビでトップを獲得したソニーは、他社に比べ、4K比率が高く、軸足を4Kに移したとみられる。6月の4K比率は43.9%で、3月以降、4割超で推移している。 

 液晶テレビ全体で上半期No.1のシャープは、依然として30型台の構成比が高く、シェアはじりじりと落ち込んでいる。東芝は、低価格4Kを武器に回復の兆しをみせ、パナソニックは、6月単月では4Kテレビで29.8%のシェアを獲得し、ソニー、シャープを抜いてトップに立った。 

 デジタルカメラやタブレット端末などが落ち込む一方で、4Kテレビは、倍増ペースの高い伸び率を維持し、活況を呈している。オリンピック需要も相まって、この夏から年末に向けて、デジタル家電市場をけん引するカテゴリだ。 

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベース(パソコンの場合)で、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。