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<Special Report>リテールテクノロジー最前線──業務効率化、クラウド、ロボット

オピニオン

2016/06/24 18:00

【スティックPC】

法人活用で注目のスティックPC 周辺機器との連携で使い方も多様化
 
6月22日に発売した「Compute Stick」の新モデル

 コンシューマ市場だけでなく、法人分野でも好調なスティックPC。とくに顕著なのがサイネージ活用だ。低コストで導入できるだけでなく、コンテンツ配信管理をクラウド化することで、複数のディスプレイを一括管理できる点が魅力になっている。カメラと組み合わせることで、人の動きに連動した映像を表示するといった複合的なソリューションも生まれている。

 インテル広報室の荒木義満室長は「現在のスティックPCは“使う=コンテンツ表示”に軸を置いているが、性能が向上すれば“つくる=コンテンツ制作”も可能になる」と今後のビジョンを語る。新カテゴリを創造した同社の「Compute Stick」は6月22日にCore Mシリーズ搭載の新モデルを発売。性能と使い勝手の向上によってさらなる利用シーンの拡大に期待がかかる。
 

【ロボット】

クラウド活用でいよいよ 「Pepper」本格始動

 リテール分野でもっとも身近なロボットといえば「Pepper」だろう。センセーショナルに持ち上げられた時期は過ぎたようにみえるが、実は水面下では「Pepper」を活用した接客提案が着々と進行している。例えば、日本マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」を活用した次世代型店舗ソリューション「未来の商品棚(仮)」。「Pepper」をはじめとするインターフェースに常時「Azure」を接続することで、顧客行動やPOS売上をリアルタイムで分析・フィードバック。ビッグデータを接客に生かす仕組みだ。今後、翻訳Webサービスやパーソナルアシスタント「Cortana」との連携も模索する。今秋には提供を開始する予定で、普及すれば小売業界の売り場が一変する可能性を秘めている。
 
今春、東京・表参道に期間限定でオープンした「Pepperだらけの携帯ショップ」

ロボット接客はここまできた! 最先端を行くハウステンボス

 日本でロボット運用に最も積極的ともいわれているのが、長崎県のハウステンボスだ。昨年夏にオープンした「変なホテル」は、フロントや荷物運びなど、それぞれの業務に特化したロボットを採用。周囲の不安をよそに、この1年で従業員を半分以下に減らし、コストカットに成功している。今年7月には園内エリアの一つとして「ロボットの王国」もオープンする予定だ。
 
ロボットがあらゆる業務を担う「変なホテル」(画像提供:ハウステンボス)
 
「ロボットの王国」内にオープンする「ロボットレストラン」のイメージ(画像提供:ハウステンボス)

 ハウステンボスの技術責任者である富田直美経営顧問&CTOは「これからは“Feature(機能)”ではなく“Experience(経験)”」と、ロボット産業は実用(実験)のなかでしか成長しないという考えを示す。店頭に並ぶ「Pepper」にしても、直に顧客と触れ合うことに意義がある。現在の蓄積が必ず“次世代の売り場”の構築につながってくるはずだ。(BCN・大蔵 大輔)

【関連記事】
・<インタビュー>ハウステンボスの富田直美経営顧問&CTOに聞く 「売り場でロボットはどう働く? 人とロボットの未来の関係」
 
※購読無料の専門紙『BCN Retail Review』2016年7月号から一部改稿して転載

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