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<Key Person>シュッピン 会長 鈴木慶 公取委「ガイドライン」は歓迎 ネット販売こそ「接客」が鍵を握る

インタビュー

2016/06/24 18:00

 「Map Camera」などカメラの中古と新品を扱うインターネット企業として急成長中のシュッピン。売上高は約227億円(前年度比118.5%)の規模ながら、従業員1人当たり1億円以上を売り上げる超効率経営を実践している。ソフマップの創業者でもあり、これまで3社を上場させた実績を持つ鈴木慶会長は、「面白い時代になってきた」と、インターネットネットビジネスの可能性を熱く語る。

・前半<起業の経緯>はこちら
 
「面白い時代になってきた」と語る鈴木慶会長

ライカブティックの実力 人がブランドを売る

――嗜好品は、量産品のようにコモディティ化しにくいと。

鈴木 ニーズが多様化している時代だからこそ、量産品ではなく希少価値の高いもの、人の手間がかけられているものに価値が付くのではないでしょうか。腕時計も文房具もそうです。1300万円するペンだってあるんですよ。ある意味、これは工芸品です。個人的には面白い時代になってきたとワクワクしています。たくさん売る、仕入れ力があることだけが強さではないケースがあるからです。スケールメリットが利くブランドと、効かないブランドがある。高級なものになればなるほど、スケールメリットではなく、どれだけ詳しい人間が販売しているかが重要になります。

 公正取引委員会の「流通・取引慣行ガイドライン」は、いいことだと思います。結局、量を多く売ることばかり考えている企業が、本当にブランドの価値を顧客に伝えられているのですかということが、試されているのでしょう。メーカーが流通を選択できるのはいいことだと思います。例えばシュッピンは、ライカからブティックの認定を受けています。新宿の店舗にはライカの什器が入っています。ライカの好きな社員が多く、その仕事ぶりが認められたのです。ブティックになるとライカの限定モデルが販売できます。もちろんニコン命、キヤノン命の社員もたくさんいます。
 

ネットでの親切な接客がリピートにつながる

 ネット販売は接客しないので不安に思うかもしれませんが、実は逆です。情報発信力が高まることで、ブログで一方的に情報を送るだけではなく、お客様との双方向性が生まれます。手前味噌ですが、ご購入いただいたお客様から、ネットでの親切な接客力の高い評価をいただき、お客様のリピート率も高いです。もちろん、東証一部上場という信頼もネット企業にとっては絶大な後ろ盾です。

・後半<社内アイデアから新ビジネス>に続く
 
■プロフィール
鈴木 慶(すずき けい)
1959年11月、東京都府中市生まれ。埼玉県で育つ。埼玉県立菖蒲高等学校卒業。旅行会社に勤務の後、貸レコード店経営などを経て、82年、ソフマップを設立。2000年、ソフマップの社長を退任しドリームテクノロジーズ社長に専任。03年、同社社長退任。05年、シュッピンを設立し代表取締役社長に就任。12年、東証マザーズ上場。15年、東証一部に市場変更。16年、同社代表取締役会長に就任(現任)

・動画インタビュー
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