お得なIP電話アプリを探せ! 通話料を見直して賢くスマートフォンを使う
iPhone 5s/5cが発売され、Android搭載スマートフォンの冬モデルも続々と登場している。この機会からスマートフォンへ乗り換えた人も多いだろう。だが、従来型携帯電話の料金プランと最新のスマートフォンの料金プランを比べると、月々の通信料の高さに驚く人も多いはず。でも、実は安くすませる方法がある。それが、IP電話アプリだ。
携帯電話の通信会社各社は高速データ通信のLTEサービスに力を入れているが、快適なデータ通信を利用できる一方で、どうしても毎月の利用料金は高額になりがち。さらに、LTEに対応したスマートフォンでは無料通話分のあるプランが選択できず、通話料も30秒21円とやや高めの設定だ。仕事で使う人や頻繁に電話をかける人は、利用料金の合計が想像以上に高額になってしまうことがある。
通話料金を抑えるために、最近注目されているのがIP電話アプリだ。インターネット回線を使って通話するアプリで、有名なのが無料通話・メールができる「LINE」だ。だが、「LINE」で通話できるのはアプリをインストールしているユーザー同士だけ。つまり、スマートフォンユーザーにしか電話をかけることができない。そこで、ここでは固定電話にも電話をかけることができるIP電話アプリをピックアップして、通話料金やサービスを比較した。
「LINE」がアプリ間の通話しかできないので、IP電話アプリはすべて固定電話にはかけられないと思っている人もいるかもしれない。しかし、固定電話やアプリをインストールしていないスマートフォン、従来型携帯電話にも電話をかけることができるIP電話アプリはけっこうたくさんある。これらのアプリには「050」で始まる専用の電話番号が割り当てられ、固定電話や携帯電話に電話をかけられるだけではなく、電話を受けることもできる。
アプリ間通話は無料のことが多いが、固定電話や携帯電話への通話は通話料金が発生する。サービスによって通話料はまちまちだ。固定電話への通話料が安いサービスや、携帯電話への通話料が安いサービスがあるので、まず自分がどちらに電話をかけることが多いのかをきっちり把握しよう。
ここでは、固定電話や携帯電話に電話をかけることができるIP電話アプリとして「IP-Phone SMART(月額無料)」「LaLa Call(月額105円)」「050 plus(月額315円)」の三つをピックアップした。
「IP-Phone SMART」はフュージョン・コミュニケーションズが提供しているサービスで、iPhone向けは今年の6月に、Android向けは8月にスタートした。専用アプリ「SMARTalk」は「IP-Phone SMART」を利用するための初期設定がすでに完了しているので、アカウントとパスワードを入力するだけですぐに利用できる。
「LaLa Call」は今年、ケイ・オプティコムが提供を開始した比較的新しいサービスで、9月下旬にAndroid向け、11月にiPhone向けアプリの提供している。「LaLa Call」はアプリをインストールする前に「eoID」というアカウントを取得して、「LaLa Call」の申込みを行う必要がある。いきなりアプリを起動してもすぐには使えないし、アプリからは申し込めないので要注意だ。
「050plus」はNTTコミュニケーションズが提供しているサービスで、2011年から提供している。アプリをインストールしたスマートフォンだけではなく、「OCNドットフォン」や提携プロバイダの050IP電話へも無料で通話できるのが特徴だ。
まずは気になる通話料を比較しよう。各社の通話料金表をみると、何秒でいくらかかるか表記してあるが、この通話時間が各社まちまち。例えば同じ8円でも通話時間が30秒と3分では大きく違う。ここは注意したい。今回は、一律3分間の通話料を計算して比較した。
固定電話に電話をかける場合、一番安かったのが「050 plus」と「LaLa Call」で、料金は8.4円。一方、30秒で8.4円の「IP-Phone SMART」は3分に換算すると50.4円と少々割高だ。なお、キャリア通話は30秒21円の場合、3分126円となる。「050 plus」「LaLa Call」と比べると、実に通話料を15分の1まで抑えることができる。
携帯電話へはどうだろうか。「IP-Phone SMART」は固定電話と料金は変わらないが、「050 plus」と「LaLa Call」は固定電話よりも少々高くなる。3分間の通話料金は「IP-Phone SMART」と「050 plus」が50.4円で、「LaLa Call」が56.7円だ。
固定電話にかけることが多い人は「LaLa Call」か「050 plus」を、携帯電話にかけることが多い人は「IP-Phone SMART」か「050 plus」を選択するといい。また、どちらにもよくかける人は、「050 plus」を選んでおけば間違いがない。
仕事で使うなら、打ち合わせ中などで電話に出られないこともある。だから、留守番電話サービスは必須。三つのサービスは、どれも無料で留守番電話サービスを利用できる。なかでも「050 plus」は、90秒のメッセージを最大20件残すことができる。さらにメッセージは168時間(7日間)保存することができるので、大事なメッセージを聞き逃すことはない。
ここまでみると、通話料も安く、留守番電話サービスが充実している「050 plus」が一番魅力的にみえる。だが、気になるのは月額料だ。「IP-Phone SMART」は月額無料、「LaLa Call」は月額105円なのに対し、「050 plus」は315円と少々高めの設定なのだ。
月額315円と聞くと思わず避けてしまいがちだが、冷静に計算しよう。例えば、月額無料の「IP-Phone SMART」で固定電話に30分電話をかけた場合の通話料は504円、「050 plus」の場合は84円とその差額は420円。十分月額料をカバーできる。
あまり使わない月はどうしよう……と心配する人もいるかもしれないが、1か月30分、固定電話に電話をすると仮定しよう。キャリアの通話料では30分話すと1260円の通話料が発生するが、「050 plus」の場合、月額料と合わせても399円。その差は歴然としている。2か月ぐらい通話をしない月があっても、ほかの月の差額で十分元が取れる。また、1か月で30分も通話しない人なら、そもそもIP電話アプリを導入する必要はないだろう。
来年4月には税率が5%から8%に上がる。ちりも積もれば山となって、プラス3%の負担はじわじわと家計に響く。その前に、IP電話アプリを使って通話料を賢く抑えてはいかがだろう。(BCN・山下彰子)
携帯電話の通信会社各社は高速データ通信のLTEサービスに力を入れているが、快適なデータ通信を利用できる一方で、どうしても毎月の利用料金は高額になりがち。さらに、LTEに対応したスマートフォンでは無料通話分のあるプランが選択できず、通話料も30秒21円とやや高めの設定だ。仕事で使う人や頻繁に電話をかける人は、利用料金の合計が想像以上に高額になってしまうことがある。
通話料金を抑えるために、最近注目されているのがIP電話アプリだ。インターネット回線を使って通話するアプリで、有名なのが無料通話・メールができる「LINE」だ。だが、「LINE」で通話できるのはアプリをインストールしているユーザー同士だけ。つまり、スマートフォンユーザーにしか電話をかけることができない。そこで、ここでは固定電話にも電話をかけることができるIP電話アプリをピックアップして、通話料金やサービスを比較した。
固定電話? 携帯電話? よくかける先を把握しよう
「LINE」がアプリ間の通話しかできないので、IP電話アプリはすべて固定電話にはかけられないと思っている人もいるかもしれない。しかし、固定電話やアプリをインストールしていないスマートフォン、従来型携帯電話にも電話をかけることができるIP電話アプリはけっこうたくさんある。これらのアプリには「050」で始まる専用の電話番号が割り当てられ、固定電話や携帯電話に電話をかけられるだけではなく、電話を受けることもできる。
アプリ間通話は無料のことが多いが、固定電話や携帯電話への通話は通話料金が発生する。サービスによって通話料はまちまちだ。固定電話への通話料が安いサービスや、携帯電話への通話料が安いサービスがあるので、まず自分がどちらに電話をかけることが多いのかをきっちり把握しよう。
ここでは、固定電話や携帯電話に電話をかけることができるIP電話アプリとして「IP-Phone SMART(月額無料)」「LaLa Call(月額105円)」「050 plus(月額315円)」の三つをピックアップした。
三つのIP電話アプリを比べた
「IP-Phone SMART」はフュージョン・コミュニケーションズが提供しているサービスで、iPhone向けは今年の6月に、Android向けは8月にスタートした。専用アプリ「SMARTalk」は「IP-Phone SMART」を利用するための初期設定がすでに完了しているので、アカウントとパスワードを入力するだけですぐに利用できる。
「LaLa Call」は今年、ケイ・オプティコムが提供を開始した比較的新しいサービスで、9月下旬にAndroid向け、11月にiPhone向けアプリの提供している。「LaLa Call」はアプリをインストールする前に「eoID」というアカウントを取得して、「LaLa Call」の申込みを行う必要がある。いきなりアプリを起動してもすぐには使えないし、アプリからは申し込めないので要注意だ。
「050plus」はNTTコミュニケーションズが提供しているサービスで、2011年から提供している。アプリをインストールしたスマートフォンだけではなく、「OCNドットフォン」や提携プロバイダの050IP電話へも無料で通話できるのが特徴だ。
どちらにもよくかけるなら、最も安いのは「050 plus」
まずは気になる通話料を比較しよう。各社の通話料金表をみると、何秒でいくらかかるか表記してあるが、この通話時間が各社まちまち。例えば同じ8円でも通話時間が30秒と3分では大きく違う。ここは注意したい。今回は、一律3分間の通話料を計算して比較した。
固定電話に電話をかける場合、一番安かったのが「050 plus」と「LaLa Call」で、料金は8.4円。一方、30秒で8.4円の「IP-Phone SMART」は3分に換算すると50.4円と少々割高だ。なお、キャリア通話は30秒21円の場合、3分126円となる。「050 plus」「LaLa Call」と比べると、実に通話料を15分の1まで抑えることができる。
IP-Phone SMART | LaLa Call | 050 plus | |
各社の料金表の表記 | 8.4円/30秒 | 8.4円/3分 | 8.4円/3分 |
3分 | 50.4円 | 8.4円 | 8.4円 |
30分 | 504円 | 84円 | 84円 |
携帯電話へはどうだろうか。「IP-Phone SMART」は固定電話と料金は変わらないが、「050 plus」と「LaLa Call」は固定電話よりも少々高くなる。3分間の通話料金は「IP-Phone SMART」と「050 plus」が50.4円で、「LaLa Call」が56.7円だ。
IP-Phone SMART | LaLa Call | 050 plus | |
各社の料金表の表記 | 8.4円/30秒 | 18.9円/1分 | 16.8円/1分 |
3分 | 50.4円 | 56.7円 | 50.4円 |
30分 | 504円 | 567円 | 504円 |
固定電話にかけることが多い人は「LaLa Call」か「050 plus」を、携帯電話にかけることが多い人は「IP-Phone SMART」か「050 plus」を選択するといい。また、どちらにもよくかける人は、「050 plus」を選んでおけば間違いがない。
仕事で使うなら、打ち合わせ中などで電話に出られないこともある。だから、留守番電話サービスは必須。三つのサービスは、どれも無料で留守番電話サービスを利用できる。なかでも「050 plus」は、90秒のメッセージを最大20件残すことができる。さらにメッセージは168時間(7日間)保存することができるので、大事なメッセージを聞き逃すことはない。
気になる月額料金……本当に安いのは「050 plus」だった
ここまでみると、通話料も安く、留守番電話サービスが充実している「050 plus」が一番魅力的にみえる。だが、気になるのは月額料だ。「IP-Phone SMART」は月額無料、「LaLa Call」は月額105円なのに対し、「050 plus」は315円と少々高めの設定なのだ。
月額315円と聞くと思わず避けてしまいがちだが、冷静に計算しよう。例えば、月額無料の「IP-Phone SMART」で固定電話に30分電話をかけた場合の通話料は504円、「050 plus」の場合は84円とその差額は420円。十分月額料をカバーできる。
あまり使わない月はどうしよう……と心配する人もいるかもしれないが、1か月30分、固定電話に電話をすると仮定しよう。キャリアの通話料では30分話すと1260円の通話料が発生するが、「050 plus」の場合、月額料と合わせても399円。その差は歴然としている。2か月ぐらい通話をしない月があっても、ほかの月の差額で十分元が取れる。また、1か月で30分も通話しない人なら、そもそもIP電話アプリを導入する必要はないだろう。
来年4月には税率が5%から8%に上がる。ちりも積もれば山となって、プラス3%の負担はじわじわと家計に響く。その前に、IP電話アプリを使って通話料を賢く抑えてはいかがだろう。(BCN・山下彰子)