ドキュメントスキャナは速度&付属ソフトがポイント 「ScanSnap」が人気No.1
原稿を自動的に給紙する自動給紙装置(ADF:オートドキュメントフィーダ)を備えたドキュメントスキャナが人気を呼んでいる。大量の紙の資料を簡単にデジタルデータ化できるので、これまで大量の紙書類を抱えるオフィスを中心に使われていた。最近はこの用途に加え、書籍をデジタル化する「自炊」など、一般ユーザーにも浸透してきている。
ドキュメントスキャナの人気は、スマートフォンやタブレット端末など、高性能のモバイルデバイスが普及したことが要因の一つに挙げられる。デジタル化した紙の資料をスマートフォンやタブレット端末に入れて持ち歩いたり、SugarSyncやDropboxなどのクラウドサービスに保存してアクセスしたりなど、いつでもどこでも確認することができるからだ。スマートフォンはいつも持ち歩くものなので、ちょっとした空き時間にデジタル化した書籍を読むのにも都合がいい。
しかし、いまやスキャナはインクジェットプリンタ複合機のほとんどが備えている定番機能。にもかかわらず、専用機のドキュメントスキャナの人気が高まっているのはなぜだろう。ビックロ ビックカメラ新宿東口店スキャナ担当の冨田将彦主任に話を聞いた。
まず、ドキュメントスキャナを購入する人は、どんな人なのか。冨田主任は「大量の紙の書類をデジタル化したい、というビジネス用途がほとんど。だが、最近は書籍や雑誌をデジタルデータ化する『自炊』目的の一般ユーザーが増えている」と話す。
また、複合プリンタではなく、ドキュメントスキャナを選択する理由については、「ほとんどの複合プリンタは、原稿を一枚一枚、入れ替えなくてはならない。ドキュメントスキャナなら、ADFで大量の原稿を一気に読み取ることができる。この手軽さが理由だろう」と説明した。
売り場に行くと、多くのモデルが並んでいる。大量の書類や裁断した書籍のスキャンに便利なADF機能や両面スキャン機能は、ほぼすべてのモデルが搭載している。では、選ぶポイントは何だろう。冨田主任は、「読取り速度と付属ソフトが重要」と教えてくれた。
1枚や2枚の原稿なら読取り速度にこだわらないだろうが、大量になってくると速度は重要だ。ビジネスの現場では作業の効率化につながるし、「自炊」でも時間と手間の節約になる。
一方、付属ソフトは、スキャンしたデータを保存するときに活躍する。冨田主任は「スキャンしたデータをPDFで保存する人が多い。PDF編集ソフトつきの製品を選ぶといい」とアドバイスしてくれた。また、名刺をデータ化したいなら、名刺管理ソフト付きの製品を選ぶといいだろう。なお、ビックカメラの店頭では、読取り速度がひと目でわかるように、1分間にスキャンする原稿の枚数と付属ソフトをPOPにまとめて表示している。
次に、ビックカメラ新宿東口店の人気機種を聞いた。人気が高いのは、PFUの「ScanSnap」シリーズだ。「指名買いのお客様が多く、認知度が大変高いシリーズ」と冨田主任は話す。
なかでも最も人気を集めているのは、無線LANに対応し、スキャンしたデータをワイヤレスでPCやスマートフォン/タブレット端末に転送できる「ScanSnap iX500」だ。USBケーブルで接続するタイプが多いドキュメントスキャナのなかで、無線LAN接続に対応することで、PCのそばにドキュメントスキャナを置く必要がなく、置き場所が自由になるという点が人気の理由だ。
使い勝手だけではなく、基本性能面でも評価が高い。A4カラー両面原稿を毎分25枚、つまり50面読み取ることができる。セットできる原稿枚数は、A4で最高50枚。さらに読取り途中でも原稿の継ぎ足しができるので、一度に大量の原稿を読み取るときに非常に便利だ。
二番人気は、自炊派からの支持が高い「ScanSnap SV600」。上から照射するように原稿を読み取るので、紙送りができない書籍や厚みのある原稿などをスキャンできる。「辞典など、裁断してしまうのがもったいない書籍や、図書館の本などを裁断せずにデータ化したい人が買っている」と冨田主任。
もちろんADF機能はないが、ページをめくったことを自動で検知して連続スキャンをすることができる。また、本や雑誌を開いたときに発生する中央部の歪みを自動補正するブック補正機能や、本が閉じないよう抑えた指を補正するポイントレタッチ機能で、書籍を裁断しなくてもきれいにスキャンすることができる。
次の人気モデルが、買うときに「ScanSnap iX500」と比べて悩む人が多いという「ScanSnap S1300i」だ。読取り速度はA4カラー両面原稿を毎分12枚、24面で、速度では「ScanSnap iX500」に劣るものの、本体が小さく、USBバスパワーでも駆動することから、「普段はオフィスで使うけれど、たまに出張などで持ち出すという人が選んでいる」(冨田主任)という。
無線LAN環境があれば、PC経由でスマートフォン、タブレット端末にスキャンデータを直接保存することができる。また他機種と同様にクラウド上に保存するときも、「ScanSnap」のクイックメニューからSugarSync、Evernote、Dropboxなどを選択して、簡単にアップロードできる。
ビジネス用や自炊用として購入する人が多いドキュメントスキャナだが、購入後はいろいろ活用したいもの。そこで冨田主任に活用方法を聞いた。冨田主任は、雑誌の気に入ったページをスキャンして保存しているという。
「雑誌をとっておくと部屋が狭くなるし、読み返したいときにどの号のどのページか、記憶をたどりながら探すのは大変。気に入ったページや企画だけをデータ化して、号数や特集名などをファイル名にして保存しておけば簡単に検索ができる」と使い方のコツを教えてくれた。なお、スキャンして取り込んだデータは、私的使用の範囲で使用してほしい。
ビックカメラでは、池袋パソコン館、有楽町、新宿西口、ビックロ、ソフマップ 秋葉原本館の5店舗で「ScanSnap」購入者に活用方法がわかるガイドブック「ScanSnap Perfect GuideBook」をプレゼントするキャンペーンを11月13日まで実施している。なくなり次第終了となるので、早めに店頭に足を運んでほしい。家のなかが紙の資料や書籍でいっぱいの人は、この機会にドキュメントスキャナで資料のデジタル化と断捨離に踏み切ってはいかがだろう。(BCN・山下彰子)
ビックカメラ新宿東口店のドキュメントスキャナコーナー
ドキュメントスキャナの人気は、スマートフォンやタブレット端末など、高性能のモバイルデバイスが普及したことが要因の一つに挙げられる。デジタル化した紙の資料をスマートフォンやタブレット端末に入れて持ち歩いたり、SugarSyncやDropboxなどのクラウドサービスに保存してアクセスしたりなど、いつでもどこでも確認することができるからだ。スマートフォンはいつも持ち歩くものなので、ちょっとした空き時間にデジタル化した書籍を読むのにも都合がいい。
しかし、いまやスキャナはインクジェットプリンタ複合機のほとんどが備えている定番機能。にもかかわらず、専用機のドキュメントスキャナの人気が高まっているのはなぜだろう。ビックロ ビックカメラ新宿東口店スキャナ担当の冨田将彦主任に話を聞いた。
ビックカメラ新宿東口店の冨田主任
まず、ドキュメントスキャナを購入する人は、どんな人なのか。冨田主任は「大量の紙の書類をデジタル化したい、というビジネス用途がほとんど。だが、最近は書籍や雑誌をデジタルデータ化する『自炊』目的の一般ユーザーが増えている」と話す。
また、複合プリンタではなく、ドキュメントスキャナを選択する理由については、「ほとんどの複合プリンタは、原稿を一枚一枚、入れ替えなくてはならない。ドキュメントスキャナなら、ADFで大量の原稿を一気に読み取ることができる。この手軽さが理由だろう」と説明した。
ドキュメントスキャナ選びのポイントは読取り速度と付属ソフト
売り場に行くと、多くのモデルが並んでいる。大量の書類や裁断した書籍のスキャンに便利なADF機能や両面スキャン機能は、ほぼすべてのモデルが搭載している。では、選ぶポイントは何だろう。冨田主任は、「読取り速度と付属ソフトが重要」と教えてくれた。
1枚や2枚の原稿なら読取り速度にこだわらないだろうが、大量になってくると速度は重要だ。ビジネスの現場では作業の効率化につながるし、「自炊」でも時間と手間の節約になる。
一方、付属ソフトは、スキャンしたデータを保存するときに活躍する。冨田主任は「スキャンしたデータをPDFで保存する人が多い。PDF編集ソフトつきの製品を選ぶといい」とアドバイスしてくれた。また、名刺をデータ化したいなら、名刺管理ソフト付きの製品を選ぶといいだろう。なお、ビックカメラの店頭では、読取り速度がひと目でわかるように、1分間にスキャンする原稿の枚数と付属ソフトをPOPにまとめて表示している。
1~3位を独占するPFUの「ScanSnap」シリーズ
次に、ビックカメラ新宿東口店の人気機種を聞いた。人気が高いのは、PFUの「ScanSnap」シリーズだ。「指名買いのお客様が多く、認知度が大変高いシリーズ」と冨田主任は話す。
なかでも最も人気を集めているのは、無線LANに対応し、スキャンしたデータをワイヤレスでPCやスマートフォン/タブレット端末に転送できる「ScanSnap iX500」だ。USBケーブルで接続するタイプが多いドキュメントスキャナのなかで、無線LAN接続に対応することで、PCのそばにドキュメントスキャナを置く必要がなく、置き場所が自由になるという点が人気の理由だ。
ScanSnap iX500
使い勝手だけではなく、基本性能面でも評価が高い。A4カラー両面原稿を毎分25枚、つまり50面読み取ることができる。セットできる原稿枚数は、A4で最高50枚。さらに読取り途中でも原稿の継ぎ足しができるので、一度に大量の原稿を読み取るときに非常に便利だ。
二番人気は、自炊派からの支持が高い「ScanSnap SV600」。上から照射するように原稿を読み取るので、紙送りができない書籍や厚みのある原稿などをスキャンできる。「辞典など、裁断してしまうのがもったいない書籍や、図書館の本などを裁断せずにデータ化したい人が買っている」と冨田主任。
ScanSnap SV600
もちろんADF機能はないが、ページをめくったことを自動で検知して連続スキャンをすることができる。また、本や雑誌を開いたときに発生する中央部の歪みを自動補正するブック補正機能や、本が閉じないよう抑えた指を補正するポイントレタッチ機能で、書籍を裁断しなくてもきれいにスキャンすることができる。
次の人気モデルが、買うときに「ScanSnap iX500」と比べて悩む人が多いという「ScanSnap S1300i」だ。読取り速度はA4カラー両面原稿を毎分12枚、24面で、速度では「ScanSnap iX500」に劣るものの、本体が小さく、USBバスパワーでも駆動することから、「普段はオフィスで使うけれど、たまに出張などで持ち出すという人が選んでいる」(冨田主任)という。
ScanSnap S1300i
無線LAN環境があれば、PC経由でスマートフォン、タブレット端末にスキャンデータを直接保存することができる。また他機種と同様にクラウド上に保存するときも、「ScanSnap」のクイックメニューからSugarSync、Evernote、Dropboxなどを選択して、簡単にアップロードできる。
一台あると断捨離が進むドキュメントスキャナ
ビジネス用や自炊用として購入する人が多いドキュメントスキャナだが、購入後はいろいろ活用したいもの。そこで冨田主任に活用方法を聞いた。冨田主任は、雑誌の気に入ったページをスキャンして保存しているという。
「雑誌をとっておくと部屋が狭くなるし、読み返したいときにどの号のどのページか、記憶をたどりながら探すのは大変。気に入ったページや企画だけをデータ化して、号数や特集名などをファイル名にして保存しておけば簡単に検索ができる」と使い方のコツを教えてくれた。なお、スキャンして取り込んだデータは、私的使用の範囲で使用してほしい。
ビックカメラでは、池袋パソコン館、有楽町、新宿西口、ビックロ、ソフマップ 秋葉原本館の5店舗で「ScanSnap」購入者に活用方法がわかるガイドブック「ScanSnap Perfect GuideBook」をプレゼントするキャンペーンを11月13日まで実施している。なくなり次第終了となるので、早めに店頭に足を運んでほしい。家のなかが紙の資料や書籍でいっぱいの人は、この機会にドキュメントスキャナで資料のデジタル化と断捨離に踏み切ってはいかがだろう。(BCN・山下彰子)