新iPhoneで3キャリアのLTE通信速度を比較! 山手線10駅の実測値での勝敗は……?
9月20日、ソフトバンクモバイル、KDDI(au)、NTTドコモは、LTEに対応したアップル製スマートフォン「iPhone 5s」「iPhone 5c」を一斉に発売した。どのキャリアのiPhoneでも、それぞれのLTEサービスエリア内では、LTEによる高速データ通信を利用できる。データ通信の快適さは、ブラウザなど、通信機能を利用するアプリの使い勝手を左右する。今回は、いち早く入手した「iPhone 5s」を使って、JR東日本の山手線10駅で通信速度を計測し、キャリアによって差があるかを調べた。
上位機種「iPhone 5s」と「iPhone 5c」のネットワークに関する仕様は同じ。高速通信規格のLTEと3Gネットワークに対応し、音声通話は3G、データ通信はLTE/3GまたはWi-Fiを使用する。「iPhone 5s/5c」から、対応するLTE周波数帯が増え、「プラチナバンド」と呼ばれる周波数帯を新たにカバーした。
auは、「iPhone 5s/5c」から、2.1GHz帯と800MHz帯(プラチナバンド)の二つの周波数帯に対応する。Android端末向けに整備を進めていた800MHz帯のLTE基地局の数が多く、LTEのサービスエリアは「ダントツの広さ」と主張する。
対して、ソフトバンクモバイルは、「ダブルLTE」と名づけた2.1GHz帯と1.7GHz帯(イー・モバイル)の二つの周波数帯に対応。この「ダブルLTE」のネットワークをそれぞれ下り最大75Mbpsへ高速化した「倍速ダブルLTE」をアピールする。さらに、2014年4月以降、当初の予定を前倒しにして、現在は音声通話(3G)向けに使用している900MHz帯(プラチナバンド)にも対応する予定だ。900MHz帯を含む「トリプルLTE」が実現すると、より広いエリアで、途切れずに安定して通信できるという。
新たにiPhoneを取り扱うドコモの「iPhone 5s/5c」は、LTEは2.1GHz帯、1.7GHz帯、800MHz帯に対応し、ウェブサイトには、3Gを含め、「FOMAエリア・FOMAプラスエリア、Xiエリア・Xiエリア(800MHz)で利用できる」と記載されている。
FTTH(光ファイバー)、ADSLなどの固定通信サービス同様、ベストエフォート型サービスのため、ユーザー数が多くなると通信速度は低下してしまう。「iPhone 5」の発売を機に、主要3キャリアのLTEサービスが出揃い、その品質や「つながりやすさ」がより厳しく問われるようになった。データ通信がつながりにくい状態を示す「パケ詰まり」という新語も登場し、インターネット上ではこれに悩むユーザーの声が散見された。この1年、各キャリアは、LTEを中心としたネットワーク関連への設備投資、サービスエリアの拡大、電波状況の改善への取り組みなどを進め、自社の優位を訴えてきた。「iPhone 5s/5c」のLTE対応周波数の違いや各キャリアのこれまでの取り組みを踏まえながら、測定結果をみていこう。
通信速度計測アプリによる計測結果は、体感とは必ずしも一致しない。実際の体感速度はアプリによって変わり、Twitterなどの軽いアプリでは気にならないが、YouTube動画を再生すると「遅い」と感じる場合もある。あくまでも参考として捉えていただきたい。
無料アプリ「RBB TODAY SPEED TEST」を利用し、山手線の10駅(東京・新橋・浜松町・品川・渋谷・新宿・池袋・上野・秋葉原・神田)で通信速度を計測した。山手線は全29駅あるが、オフィス最寄りの神田駅から開始し、乗降客の多い主なターミナル駅に絞った。
【計測条件】
2013年9月20日の16時~20時頃、各駅で計3回計測。下り(ダウンロード)の通信速度の平均値を「計測結果」とした
計測結果によると、10駅のうち6駅(新橋・浜松町・渋谷・新宿・池袋・神田)で、ソフトバンクモバイルの「iPhone 5s」が最も速かった。特に、渋谷駅では平均17.24Mbpsと、他の2キャリアを大きく引き離していた。折しも金曜夜の帰宅ラッシュの時間帯にぶつかったが、池袋駅のドコモを除き、「つながらない」状態は発生しなかった。
「iPhone 5s」で計測した各キャリアの平均通信速度は、ソフトバンクモバイルが12.75Mbps、auが12.09Mbps、ドコモが8.79Mbpsで、ドコモだけやや低かった。池袋駅と新宿駅の数値が低かったためだ。特に池袋駅は、途中で通信計測アプリが止まってしまい、何度もやり直す羽目になった。他のキャリアではスムーズに計測できたので、ドコモだけ電波が安定していなかったようだ。それ以外は、どのキャリアも、そこそこのスピードが出ている。
ふだん山手線を利用しない人にとっては、参考にならないかもしれない。ただ、どのキャリアもネットワーク環境の整備に力を入れていると思われる首都圏での通信状況は、各キャリアの実力を示す一つの目安になるだろう。
※本記事で計測した結果は、2013年9月20日の実測値です。通信速度は、環境・利用人数・端末などによって変わります。同じ場所で計測しても、同様の結果になるとは限りません。
【2011年11月2日追記】
iPad Air Wi-Fi +Cellularモデルでの計測結果を掲載しました
速度計測に使用したiPhone 5s(左から、ソフトバンクモバイル、au、ドコモ)
データ通信は3Gから高速なLTEへ、「つながりやすさ」が焦点に
上位機種「iPhone 5s」と「iPhone 5c」のネットワークに関する仕様は同じ。高速通信規格のLTEと3Gネットワークに対応し、音声通話は3G、データ通信はLTE/3GまたはWi-Fiを使用する。「iPhone 5s/5c」から、対応するLTE周波数帯が増え、「プラチナバンド」と呼ばれる周波数帯を新たにカバーした。
auは、「iPhone 5s/5c」から、2.1GHz帯と800MHz帯(プラチナバンド)の二つの周波数帯に対応する。Android端末向けに整備を進めていた800MHz帯のLTE基地局の数が多く、LTEのサービスエリアは「ダントツの広さ」と主張する。
対して、ソフトバンクモバイルは、「ダブルLTE」と名づけた2.1GHz帯と1.7GHz帯(イー・モバイル)の二つの周波数帯に対応。この「ダブルLTE」のネットワークをそれぞれ下り最大75Mbpsへ高速化した「倍速ダブルLTE」をアピールする。さらに、2014年4月以降、当初の予定を前倒しにして、現在は音声通話(3G)向けに使用している900MHz帯(プラチナバンド)にも対応する予定だ。900MHz帯を含む「トリプルLTE」が実現すると、より広いエリアで、途切れずに安定して通信できるという。
新たにiPhoneを取り扱うドコモの「iPhone 5s/5c」は、LTEは2.1GHz帯、1.7GHz帯、800MHz帯に対応し、ウェブサイトには、3Gを含め、「FOMAエリア・FOMAプラスエリア、Xiエリア・Xiエリア(800MHz)で利用できる」と記載されている。
SoftBank | au | ドコモ | |
---|---|---|---|
サービス名 | SoftBank 4G LTE | 4G LTE | Xi |
開始日 | 2012年9月21日 | 2012年9月21日 | 2010年12月24日 |
iPhone 5s/5cで 使用できる周波数 |
2.1GHz、1.7GHz、900MHz ※900MHzは2014年4月以降対応予定 |
2.1GHz、800MHz | 2.1GHz、1.7GHz、800MHz |
FTTH(光ファイバー)、ADSLなどの固定通信サービス同様、ベストエフォート型サービスのため、ユーザー数が多くなると通信速度は低下してしまう。「iPhone 5」の発売を機に、主要3キャリアのLTEサービスが出揃い、その品質や「つながりやすさ」がより厳しく問われるようになった。データ通信がつながりにくい状態を示す「パケ詰まり」という新語も登場し、インターネット上ではこれに悩むユーザーの声が散見された。この1年、各キャリアは、LTEを中心としたネットワーク関連への設備投資、サービスエリアの拡大、電波状況の改善への取り組みなどを進め、自社の優位を訴えてきた。「iPhone 5s/5c」のLTE対応周波数の違いや各キャリアのこれまでの取り組みを踏まえながら、測定結果をみていこう。
金曜夜の帰宅ラッシュの渋谷・新宿・秋葉原でもしっかりつながる!
通信速度計測アプリによる計測結果は、体感とは必ずしも一致しない。実際の体感速度はアプリによって変わり、Twitterなどの軽いアプリでは気にならないが、YouTube動画を再生すると「遅い」と感じる場合もある。あくまでも参考として捉えていただきたい。
無料アプリ「RBB TODAY SPEED TEST」を利用し、山手線の10駅(東京・新橋・浜松町・品川・渋谷・新宿・池袋・上野・秋葉原・神田)で通信速度を計測した。山手線は全29駅あるが、オフィス最寄りの神田駅から開始し、乗降客の多い主なターミナル駅に絞った。
【計測条件】
2013年9月20日の16時~20時頃、各駅で計3回計測。下り(ダウンロード)の通信速度の平均値を「計測結果」とした
計測結果によると、10駅のうち6駅(新橋・浜松町・渋谷・新宿・池袋・神田)で、ソフトバンクモバイルの「iPhone 5s」が最も速かった。特に、渋谷駅では平均17.24Mbpsと、他の2キャリアを大きく引き離していた。折しも金曜夜の帰宅ラッシュの時間帯にぶつかったが、池袋駅のドコモを除き、「つながらない」状態は発生しなかった。
「iPhone 5s」で計測した各キャリアの平均通信速度は、ソフトバンクモバイルが12.75Mbps、auが12.09Mbps、ドコモが8.79Mbpsで、ドコモだけやや低かった。池袋駅と新宿駅の数値が低かったためだ。特に池袋駅は、途中で通信計測アプリが止まってしまい、何度もやり直す羽目になった。他のキャリアではスムーズに計測できたので、ドコモだけ電波が安定していなかったようだ。それ以外は、どのキャリアも、そこそこのスピードが出ている。
各キャリアとも平均値が10Mbpsを超えた秋葉原駅での測定結果
ふだん山手線を利用しない人にとっては、参考にならないかもしれない。ただ、どのキャリアもネットワーク環境の整備に力を入れていると思われる首都圏での通信状況は、各キャリアの実力を示す一つの目安になるだろう。
※本記事で計測した結果は、2013年9月20日の実測値です。通信速度は、環境・利用人数・端末などによって変わります。同じ場所で計測しても、同様の結果になるとは限りません。
【2011年11月2日追記】
iPad Air Wi-Fi +Cellularモデルでの計測結果を掲載しました