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「iPhone 5s/5c」の料金を比較! 機種変更で一番安いキャリアは?

特集

2013/09/15 10:20

 ソフトバンクモバイル、KDDI(au)、NTTドコモの3キャリアは、9月20日に「iPhone 5s」と「iPhone 5c」を発売する。一体どのキャリアが安いのか。学生に該当しない大人が、新規契約・MNP・機種変更で購入した場合に、端末代と毎月の通信料金を合計した2年間のトータル費用を比較した。なお、下取りや固定通信サービスとのセット割引き、キャリアが一部の既存ユーザーに配布しているクーポンなど、誰もが利用できるわけではないキャンペーン・割引きは適用していない。

何とドコモは約10万円! キャリアによって異なる一括端末価格



 各キャリアとも、料金プランは「iPhone 5s」「iPhone 5c」共通。端末代は、キャリア・機種・容量によって異なり、最大24か月間、機種ごとに設定した金額を利用料金から割り引くサービス「月月割(ソフトバンクモバイル)」「毎月割(au)」「月々サポート(ドコモ)」適用時の実質負担額は、「iPhone 5c」の16GBモデルなど、最も安いパターンだと「0円」になる。さらに、ソフトバンクモバイルは、新規契約またはMNPで「iPhone 5c」を購入すると、「iPhone 5c 購入サポート」として、1万円相当をキャッシュバック。auも同様に、新規契約またはMNPで「iPhone 5c」の16GB/32モデルを購入すると、最大1万円キャッシュバックする。

 24回などの分割払いではなく、一括で支払う場合に気になる端末価格は、ドコモだけが突出して高い。「iPhone 5c」の16GBモデル以外は、四捨五入すると約10万円に達する。ただ、「月々サポート」による割引金額が他キャリアよりも大きいため、一括払い時の価格から割引額の合計を引いた実質負担額は、他の2キャリアと同じ0円か、わずかに安い水準になる。とはいえ、心理的に、少々購入をためらってしまう金額だ。また、何らかの理由で購入後2年以内に解約・機種変更した場合、他のキャリアに比べて割高になる。モデルチェンジのたびに、MNPまたは機種変更で新しいiPhoneを手に入れたい人は、キャリアによる価格設定の違いを頭に入れておこう。
 

■iPhone 5s/5cの実質負担額
<MNP・新規契約>

  ソフトバンクモバイル au ドコモ
iPhone 5s 16GB 0円 0円 0円
iPhone 5s 32GB 1万320円(430円/月) 1万320円(430円/月) 1万80円(420円/月)
iPhone 5s 64GB 2万640円(860円/月) 2万640円(860円/月) 2万160円(840円/月)
iPhone 5c 16GB 0円
+1万円キャッシュバック
0円
+1万円キャッシュバック
0円
+6300円利用料金から割引き
iPhone 5c 32GB 4800円(260円/月) 4800円(260円/月)
+1万円キャッシュバック
0円


<機種変更>

  ソフトバンクモバイル au ドコモ
iPhone 5s 16GB 1万4160円(590円/月) 1万4160円(590円/月) 0円
iPhone 5s 32GB 2万4480円(1020円/月) 2万4480円(1020円/月) 1万80円(420円/月)
iPhone 5s 64GB 3万4680円(1455円/月) 3万4680円(1455円/月) 2万160円(840円/月)
iPhone 5c 16GB 3240円(135円/月) 3240円(135円/月) 0円
iPhone 5c 32GB 1万4160円(590円/月) 1万4160円(590円/月) 0円
※実質負担額…端末価格から割引金額の合計(24回分)を引いたもの。カッコ内は、24回の分割払い時の1か月あたりの実質負担額(支払い金額)。ドコモの実質負担額は、「iPhone買いかえ割」などの「月々サポート」増額適用後


(参考)一括購入時の端末価格 

  ソフトバンクモバイル au ドコモ
iPhone 5s 16GB 6万8040円 6万8040円 9万5760円
iPhone 5s 32GB 7万8120円 7万8120円 9万5760円
iPhone 5s 64GB 8万8200円 8万8200円 9万5760円
iPhone 5c 16GB 5万2920円 5万2920円 8万5680円
iPhone 5c 32GB 6万3000円 6万3000円 9万5760円

 なお、「実質負担額」は、あくまでも計算上の金額であり、割引適用期間中に、回線契約を解約したり、機種変更したりすると、割引は終了する。無条件で端末をタダで入手できるワケではない。費用をできるだけ安く抑えたいなら、「実質○○円」の最新機種ではなく、「一括○○円」の旧機種から選んだほうがいい。
 

機種変更はドコモとソフトバンク、MNPはソフトバンクとauが安い



 毎月の通信料金(基本使用料+パケット定額サービス+インターネット接続料)は、新規契約の場合、ソフトバンクモバイルとauは月額6775円、ドコモは月額6555円。ただし、ソフトバンクモバイルとauは、同一キャリア間の通話が1時~21時まで無料になるが、ドコモは無料ではなく、別途通話料が必要になる。月額700円の有料オプション「Xiカケ・ホーダイ」(キャンペーン適用時、最大1年間月額350円)に加入すれば、ドコモ間の国内通話が24時間無料になるが、このオプション料金を加算すると、月額7255円となり、3キャリア中、もっとも高くなる。

 MNPの場合、指定の条件を満たすと、ソフトバンクモバイルとauは月額980円の基本使用料が2年間無料になり、新規契約より月々980円安くなる(ソフトバンクモバイルは「バンバンのりかえ割」で「基本使用料2年間0円」の特典を選んだ場合)。ドコモは、MNP向けキャンペーンとして、9月20日から「ドコモへスイッチ割」、学生を対象とした「ドコモへスイッチ学割」、以前ドコモで使っていた人(番号)を対象とした「ドコモへおかえり割」を実施する。他のキャリアからドコモへ初めて乗りかえる人(番号)を対象とした「ドコモへスイッチ割」の場合、月額780円の基本使用料が1年間無料になるが、無料期間がソフトバンクモバイル・auの半分なので、2年間の通信料金の合計は他のキャリアより高い。逆に「ドコモへスイッチ学割」「ドコモへおかえり割」の該当者なら、ドコモが最も安い。

 次に、最も該当者が多いと思われる機種変更で比較しよう。機種変更向けキャンペーンとして、9月20日から、ソフトバンクモバイルは現在実施中の「かいかえ割」の内容を拡充し、ドコモは新たに「iPhone買いかえ割」を開始する。auは、機種変更向けの割引はない。2年間の通信料金の合計は、ソフトバンクモバイルが最も安く、次いでドコモ、auの順となる。ただし、端末代が異なるので、2年間のトータル費用で比較すると、ドコモ、ソフトバンクモバイル、auの順に入れ替わる。
 
■「iPhone 5s」16GBモデルを購入し、フラット型パケット定額サービス加入時の
2年間のトータル費用(端末代+24か月分の通信料金の合計)

<新規契約>
  ソフトバンクモバイル au ドコモ
端末代(実質負担額) 0円 0円 0円
24か月分の通信料金 16万2120円 16万2600円 15万7320円
合計 16万2120円 16万2120円 15万7320円
 
<MNP>
  ソフトバンクモバイル au ドコモ
端末代(実質負担額) 0円 0円 0円
24か月分の通信料金 13万8600円 13万9080円 14万7180円
合計 13万8600円 13万8600円 14万7180円
 
<機種変更>
  ソフトバンクモバイル au ドコモ
端末代(実質負担額) 9360円 9360円 0円
24か月分の通信料金 14万9520円 16万2120円 15万7320円
合計 15万8880円 17万1480円 15万7320円
 
(参考)通信料金の詳細
  ソフトバンクモバイル au ドコモ
基本使用料 980円 980円
※「誰でも割」適用時
780円
インターネット接続サービス料 315円 315円 315円
パケット定額サービス 5460円
※4G LTE 定額プログラム適用時
5460円
※LTEフラットスタート割(i)適用時
5460円
割引(最大2年または1年間)
MNP ▼980円
※2年間
▼980円
※2年間
▼780円
※1年間
機種変更 ▼1050円(パケット定額料)
※1年間
なし なし
備考 機種変更は、「かいかえ割」でパケット定額料1年間割引を選択した場合   MNPは、「ドコモへスイッチ割」適用時
※別途、事務手数料・通話料・ユニバーサル使用料・オプション料金(加入時)などが必要です
 

在庫状況・入手までの時間も比較の対象に



 iPhoneは、毎回、発売直後は、予約しなければ買えず、予約してもなかなか入荷しない、入荷時期がわからないという状況が発生している。2012年9月発売の「iPhone 5」は、品薄がほぼ解消するまで、2か月ほどかかった。今回は、3キャリアとも「iPhone 5c」しか予約を受け付けず、「iPhone 5s」は、公式には発売日以降しか予約を受け付けないそうだ。いち早く手に入れるために、価格や機能面の差を気にせず、端末供給量が多く、より「買いやすい」キャリア・容量・カラーを選ぶという判断もありだろう。
 

カラーバリエーションが増えた「iPhone 5s」。予約を受けつけないので入手は難しくなりそうだ

 ソフトバンクモバイルとauが販売していた「iPhone 5」は、家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、ほぼ6対4の比率で、ソフトバンクモバイルのほうが多く売れていた(詳しくは<日本で最も売れたスマートフォンは「iPhone 5」 歴代最速の販売ペース>を参照)。もう一世代前の「iPhone 4S」(iPhone 4s)も、比率は同様だった。新たにドコモが参入し、三つどもえになったことで、ここ2年間、ほぼ一定だったシェアはどう変わるのか。ドコモの挑戦的な価格設定に対する評価もみえてくるだろう。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。

※本記事で紹介したキャンペーン内容・料金などは、2013年9月14日時点のものです。最新情報は、各キャリアのウェブサイトでご確認ください。