Wi-Fi対応のデジタルカメラとSDメモリカード、特徴を知って使いこなそう
いまや、多くの人がスマートフォンでSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用している。最近では、テキストだけではなく、写真や動画などもアップロードしてユーザー同士で共有して楽しんでいる人が多い。ところが、スマートフォンのカメラ機能は、有効画素数こそ大きいもののセンサは小さく、ズーム機能はデジタルズーム、ストロボは弱々しい……と、きれいな写真を撮って公開したい人にはもの足りない。そこで最近注目されているのが、デジタルカメラで撮影した写真をスマートフォンへ転送する方法だ。今回は主流のWi-Fi(無線LAN)に対応したデジタルカメラとSDメモリカードを取り上げる。
Wi-Fi対応のデジタルカメラ/SDメモリカードは、ワイヤレスでデジタルカメラとスマートフォンを接続できる。注目しておきたいのが、Wi-Fi対応デジタルカメラもSDメモリカードもアクセスポイント(AP)として機能し、無線LANがない環境でもスマートフォンと接続できること。つまり、家のなかはもちろん、オフィスやカフェ、旅行先などでワイヤレス接続ができるのだ。
接続の設定は、多くはスマートフォンの「ワイヤレス設定」から行う。接続先をWi-Fi対応のデジタルカメラ/SDメモリカードに設定することで、撮影した写真データにアクセスすることができる。
写真データの転送操作は、専用のアプリケーションをスマートフォンにインストールして、スマートフォン側から行うことが多い。操作のしやすさ、利用できる機能などは、このアプリの性能によるところが大きい。
Wi-Fi対応デジタルカメラは、ソニー、パナソニック、キヤノン、富士フイルムなどから発売されている。スマートフォンに専用アプリをインストールして、アプリの操作でカメラにアクセスしてカメラ内の写真を閲覧したり、スマートフォンに写真を転送したりできる。
パナソニックの「LUMIX DMC-SZ9」の専用アプリ「Panasonic Image App」やキヤノンの「IXY 610F」の専用アプリ「CameraWindow v1.2」、ソニーの「Cyber-shot DSC-WX200」の専用アプリ「PlayMemories Mobile」は、FacebookやTwitter、YouTubeなどへ写真を投稿する機能を備える。これで、専用アプリを終了してSNSアプリを起動する手間が省ける。
パナソニックの「Panasonic Image App」、ソニーの「PlayMemories Mobile」は、スマートフォンからカメラを操作するリモート撮影機能を、キヤノンの「CameraWindow v1.2」はキヤノン製Wi-Fi対応プリンタに写真データを送って印刷する機能を備える。
Wi-Fi対応機器を接続するときにわずらわしいのが、IDとパスワードの入力作業だ。富士フイルムの「FinePix F900EXR/Z2000EXR」」は、専用アプリ「FUJIFILM Camera Application」を使ってID/パスワードなどの面倒な設定なしに画像を転送できる。高速赤外線通信を利用して送信するので、対応の携帯電話にも写真を送ることができる。
また、スマートフォンと直接ワイヤレス接続ができるWi-Fi Direct機能以外に、アクセスポイントを経由した接続も可能だ。ほとんどの製品がアクセスポイントを経由してPCにデータを送信できる。また、各社が提供するクラウドサービスに写真を送ることもできる。
Wi-Fi対応デジタルカメラとスマートフォンのワイヤレス接続は一対一の関係で、複数のスマートフォンで同時に写真データを共有することはできない。デジタルカメラで撮った写真を自分のスマートフォンで楽しむ人におすすめしたい方法だ。
Wi-Fi対応のSDメモリカードは、アイファイジャパンの「Eye-Fi」や、東芝「FlashAir」、トランセンドの「Wi-Fi SDHC Card」などがある。2月上旬にはテックの「ezShare」が発売する予定だ。
Wi-Fi対応SDメモリカード市場をつくった存在である「Eye-Fi」とそれ以外の製品ではやや性格が異なるので、最初に線引きをしておきたい。「Eye-Fi」は、無線LAN環境化で、あらかじめ設定したPCなどに写真を自動で転送するのが基本的な使い方だ。無線LANがない環境で、スマートフォンやPCとダイレクトに接続する機能も備えているが、カードを装着したデジタルカメラの電源を入れるだけでカードに記録した画像をPCやSNSに自動的に転送できるのが「Eye-Fi」の最大の魅力。写真をたくさん撮って手間なく写真を保存・管理したい人におすすめだ。
「Eye-Fi」以外のWi-Fi対応SDメモリカードは、Wi-Fi対応デジタルカメラ同様、デジタルカメラで撮った写真をスマートフォンへ転送するのが基本的な使い方だ。専用アプリから、デジタルカメラに挿入したSDメモリカードにアクセスして、写真を閲覧・転送することができる。
デジタルカメラと違うところは、複数のスマートフォンから同時にアクセスできるモデルがあること。例えば、東芝の「FlashAir」は4台、トランセンドの「Wi-Fi SDHC Card」は3台のスマートフォンと同時に接続できる。集合写真など、複数の人が映っている写真をそれぞれのスマートフォンで閲覧したり、それぞれのベストショットだけをスマートフォンに転送したりできるのだ。
また、好きなデジタルカメラを選択できる点も魅力だろう。この春、Wi-Fi対応デジタルカメラのラインアップ数が増えたが、そのほとんどがコンパクトデジタルカメラ。ミラーレス一眼やデジタル一眼レフカメラで撮った写真をスマートフォンに転送したい人は、Wi-Fi対応SDメモリカードがいい。
おまけとして紹介したいのが、Wi-Fi対応のカードリーダ。SDメモリカードを差し込んで、カードリーダからスマートフォンへデータを転送できる。これなら手持ちのカメラやSDメモリカードをそのまま使える。価格は1万円前後で、持ち歩くアイテムが一つ増えてしまうが、少ない投資でワイヤレス接続を楽しめる。
Wi-Fi対応デジタルカメラとSDメモリカードは、それぞれ特徴がある。写真を撮る頻度や、撮った写真をどう使うかなど、使い方に合わせて選びたい。デジタルカメラで撮った印象的な写真をSNSに投稿して、ファンを増やそう。(BCN・山下彰子)
続々増えるWi-Fi対応デジタルカメラ/SDメモリカード
Wi-Fi対応のデジタルカメラ/SDメモリカードは、ワイヤレスでデジタルカメラとスマートフォンを接続できる。注目しておきたいのが、Wi-Fi対応デジタルカメラもSDメモリカードもアクセスポイント(AP)として機能し、無線LANがない環境でもスマートフォンと接続できること。つまり、家のなかはもちろん、オフィスやカフェ、旅行先などでワイヤレス接続ができるのだ。
接続の設定は、多くはスマートフォンの「ワイヤレス設定」から行う。接続先をWi-Fi対応のデジタルカメラ/SDメモリカードに設定することで、撮影した写真データにアクセスすることができる。
スマートフォンのWi-Fi接続先をWi-Fi対応のデジタルカメラ/SDメモリカードに設定する
写真データの転送操作は、専用のアプリケーションをスマートフォンにインストールして、スマートフォン側から行うことが多い。操作のしやすさ、利用できる機能などは、このアプリの性能によるところが大きい。
Wi-Fi対応デジタルカメラは自分のスマートフォンだけに転送する人向け
Wi-Fi対応デジタルカメラは、ソニー、パナソニック、キヤノン、富士フイルムなどから発売されている。スマートフォンに専用アプリをインストールして、アプリの操作でカメラにアクセスしてカメラ内の写真を閲覧したり、スマートフォンに写真を転送したりできる。
パナソニックの「LUMIX DMC-SZ9」の専用アプリ「Panasonic Image App」やキヤノンの「IXY 610F」の専用アプリ「CameraWindow v1.2」、ソニーの「Cyber-shot DSC-WX200」の専用アプリ「PlayMemories Mobile」は、FacebookやTwitter、YouTubeなどへ写真を投稿する機能を備える。これで、専用アプリを終了してSNSアプリを起動する手間が省ける。
パナソニックの「Panasonic Image App」、ソニーの「PlayMemories Mobile」は、スマートフォンからカメラを操作するリモート撮影機能を、キヤノンの「CameraWindow v1.2」はキヤノン製Wi-Fi対応プリンタに写真データを送って印刷する機能を備える。
パナソニック「LUMIX DMC-SZ9」(左)とキヤノン「IXY 610F」
Wi-Fi対応機器を接続するときにわずらわしいのが、IDとパスワードの入力作業だ。富士フイルムの「FinePix F900EXR/Z2000EXR」」は、専用アプリ「FUJIFILM Camera Application」を使ってID/パスワードなどの面倒な設定なしに画像を転送できる。高速赤外線通信を利用して送信するので、対応の携帯電話にも写真を送ることができる。
ソニー「Cyber-shot DSC-WX200」(左)と富士フイルム「FinePix Z2000EXR」(右)
また、スマートフォンと直接ワイヤレス接続ができるWi-Fi Direct機能以外に、アクセスポイントを経由した接続も可能だ。ほとんどの製品がアクセスポイントを経由してPCにデータを送信できる。また、各社が提供するクラウドサービスに写真を送ることもできる。
メーカー | 製品名 | スマートフォンへ | 従来型 携帯電話へ | プリンタへ | 専用アプリ からSNSへ | リモート操作 |
キヤノン | IXY 610F | ● | × | ● | ● | × |
ソニー | Cyber-shot DSC-WX200 | ● | × | × | ● | ● |
パナソニック | LUMIX DMC-SZ9 | ● | × | × | ● | ● |
富士フイルム | FinePix Z2000EXR | ● | ● | × | ● | × |
Wi-Fi対応デジタルカメラとスマートフォンのワイヤレス接続は一対一の関係で、複数のスマートフォンで同時に写真データを共有することはできない。デジタルカメラで撮った写真を自分のスマートフォンで楽しむ人におすすめしたい方法だ。
Wi-Fi対応SDメモリカードは大勢での共有やカメラにこだわる人向け
Wi-Fi対応のSDメモリカードは、アイファイジャパンの「Eye-Fi」や、東芝「FlashAir」、トランセンドの「Wi-Fi SDHC Card」などがある。2月上旬にはテックの「ezShare」が発売する予定だ。
Wi-Fi対応SDメモリカード市場をつくった存在である「Eye-Fi」とそれ以外の製品ではやや性格が異なるので、最初に線引きをしておきたい。「Eye-Fi」は、無線LAN環境化で、あらかじめ設定したPCなどに写真を自動で転送するのが基本的な使い方だ。無線LANがない環境で、スマートフォンやPCとダイレクトに接続する機能も備えているが、カードを装着したデジタルカメラの電源を入れるだけでカードに記録した画像をPCやSNSに自動的に転送できるのが「Eye-Fi」の最大の魅力。写真をたくさん撮って手間なく写真を保存・管理したい人におすすめだ。
アイファイジャパン「Eye-Fi Mobile X2 4GB for ドコモ」
「Eye-Fi」以外のWi-Fi対応SDメモリカードは、Wi-Fi対応デジタルカメラ同様、デジタルカメラで撮った写真をスマートフォンへ転送するのが基本的な使い方だ。専用アプリから、デジタルカメラに挿入したSDメモリカードにアクセスして、写真を閲覧・転送することができる。
デジタルカメラと違うところは、複数のスマートフォンから同時にアクセスできるモデルがあること。例えば、東芝の「FlashAir」は4台、トランセンドの「Wi-Fi SDHC Card」は3台のスマートフォンと同時に接続できる。集合写真など、複数の人が映っている写真をそれぞれのスマートフォンで閲覧したり、それぞれのベストショットだけをスマートフォンに転送したりできるのだ。
東芝の「FlashAir」(左)とトランセンドの「Wi-Fi SDHC Card」
また、好きなデジタルカメラを選択できる点も魅力だろう。この春、Wi-Fi対応デジタルカメラのラインアップ数が増えたが、そのほとんどがコンパクトデジタルカメラ。ミラーレス一眼やデジタル一眼レフカメラで撮った写真をスマートフォンに転送したい人は、Wi-Fi対応SDメモリカードがいい。
おまけとして紹介したいのが、Wi-Fi対応のカードリーダ。SDメモリカードを差し込んで、カードリーダからスマートフォンへデータを転送できる。これなら手持ちのカメラやSDメモリカードをそのまま使える。価格は1万円前後で、持ち歩くアイテムが一つ増えてしまうが、少ない投資でワイヤレス接続を楽しめる。
日立マクセルの「AirStash」
Wi-Fi対応デジタルカメラとSDメモリカードは、それぞれ特徴がある。写真を撮る頻度や、撮った写真をどう使うかなど、使い方に合わせて選びたい。デジタルカメラで撮った印象的な写真をSNSに投稿して、ファンを増やそう。(BCN・山下彰子)