年末だから掃除機! 今年のトレンドは「使い分け」だ
大掃除の時期がやってきた。年の瀬は、クリスマスの後片づけ、新年の準備、帰省の準備などで何かと忙しい。手間と時間のかかる大掃除は、なんとかラクをしてパパッと片づけたい――そんな大掃除をラクに、でもキチンとしたい人たちが、家電量販店の掃除機コーナーに駆け込んでいる。最新の掃除機のトレンドや売れ筋モデルを掃除機のスペシャリスト、ビックカメラ有楽町店の牧野裕司専門相談員エキスパートに聞いた。
牧野さんは、ここ数年のユーザーの掃除機に対する意識の変化を「新しい掃除機を購入するきっかけは、3年ほど前までは『これまで使っていた掃除機が壊れた』だった。最近は、『いま使っている掃除機はまだ使えるけれど、もっといいものがほしい』と売り場に訪れる方が増えている」と説明する。また、「一台の掃除機で家中の掃除をすませる人がほとんどだったが、いまはロボット掃除機やコードレスのスティック型掃除機を使い分けている人が多い」という。
また、紙パック掃除機からサイクロン掃除機へ乗り換える人が増えているのも、ここ数年の傾向だ。特にこの年末は、購入者の半数以上がサイクロン掃除機を選んでいるそうだ。サイクロン掃除機の人気の理由は、吸引力を落とさずに小型化が進んでいること。今年は、これまで上位モデルにしかなかった高性能ブラシが小型の普及モデルにも搭載されるようになったことで、コンパクトで高性能の掃除機を選ぶことができるようになった。
牧野さんは「いまのサイクロン掃除機は、音が静かで排気のニオイが気にならない。また、自走ブラシを備えたモデルが増え、軽い力で掃除ができる。価格がこなれて購入しやすくなっているのも、売れている理由だ」と説明する。
では、ビックカメラ有楽町店で人気のサイクロン掃除機を紹介しよう。1位は、東芝の「TORNEO(トルネオ) V VC-S312」。12気筒のサイクロンを備え、綿ゴミなどの大きなゴミだけでなく、ミクロのゴミも99.9%まで分離。吸引力が99%以上持続する。本体重量が3.3kgと軽く、持ち運びやすいのも長所だ。
牧野さんは、おすすめのポイントとしてヘッドブラシを挙げた。「毛並みが豊かで、まるで拭き掃除をしたかのような効果がある。フローリングのザラザラが気になる人におすすめ」という。
2位は、サイクロン掃除機の代名詞、ダイソンの「DC46」だ。32個のサイクロンを2層に配列して強力な遠心力を生み出し、微細なゴミやホコリを空気から分離する。ボディをボール型にした「ボール テクノロジー」で、急な角も思い通りに曲がることができる。
牧野さんは「とにかく吸引力が強い。カーペットの奥のゴミまで取り除きたい人におすすめ」と説明する。
3位は、日立アプライアンスの「2段ブーストサイクロン CV-SW7000」。1段目で遠心分離によってゴミを分離して吸引力を持続させ、2段目でごみを圧縮する独自の「2段ブーストサイクロン」を搭載する。モーター駆動方式の回転ブラシ機能は、豊かな毛並みのブラシで微細なゴミも拭き取ることができる。
牧野さんのおすすめポイントは、パワフルな自走機能。「前に進むパワーが強く、腕にかかる負担が少ない。ラクに掃除ができる」と話す。
ビックカメラ有楽町店の生活家電売り場である地下一階フロアで、エスカレータを降りてすぐの最も目立つところにあるのが、ロボット掃除機売り場だ。これまでロボット掃除機といえば米アイロボットの「ルンバ」の独壇場だったが、ここ1~2年で参入メーカーが増え、売り場は倍以上に拡大した。
ロボット掃除機は、共働きの夫婦・家族や、高齢の両親へのプレゼント需要が多い。忙しくて平日に掃除ができない、体力的に掃除をするのが大変など、掃除の負担を減らしたい人が選んでいる。
ビックカメラ有楽町店での人気第1位は、アイロボットの「ルンバ 780」だ。「ルンバ」シリーズには、搭載機能数で価格が異なる豊富なラインアップを揃えているが、最上位モデルの「ルンバ 780」を購入する人が圧倒的に多いという。
「最上位モデルには、複数の部屋を順番に掃除する機能がある。他社モデルにはない機能で、これを目当てに購入する人が多い。また、10年前から販売している『ルンバ』にはファンが多く、『ルンバ』を使っている友人・知人にすすめられて買うお客様もいる」と牧野さん。
2位はシャープの「COCOROBO(ココロボ) RX-V100」。超音波センサによって、障害物を避けながら動き回る。1分間に約1万4000回回転する高速ターボファンを備えた独自の「強力吸じんシステム」を搭載。「吸い込む力が強いので、カーペットを敷いた部屋に向いている」(牧野さん)。また、ダストボックスを天板から取りだすことができ、ゴミ出しが簡単なのも好評だ。
ホコリが目についたとき、さっと取り出して掃除ができるコードレスのスティック掃除機の人気も高まりつつある。「玄関や人の出入りが多い部屋でホコリが目についたとき、サイクロン掃除機を持ってくるのは大変。立てかけておいたスティック掃除機をサッと取りだして掃除ができるのは非常に便利で、サブの掃除機として買い足す人が増えている」と牧野さんは話す。
スティック掃除機は、ダイソン、エレクトロラックス、ティファールなど、海外ブランドが人気だ。吸引力が強く、また、リビングに置いても違和感のないデザイン性の高さが人気の理由。「以前に比べると動作音が小さくなり、平日に目についたゴミをスティック掃除機で吸い、週末にはしっかり掃除ができるサイクロン掃除機を使う。こんな使い分けをする人が増えているようだ」と牧野さんはいう。
スティック掃除機の人気第1位は、ダイソンの「dyson digital slim DC45MH」。「とにかく吸引力が強い」(牧野さん)のが人気の理由だ。重心が手元にあって、床だけでなく、天井や棚の上なども掃除しやすい。
2位はエレクトロラックスの「ergorapido」。ゴミを溜める本体部分を外してハンディクリーナーとして使える一台二役のスティック掃除機だ。「ソファのゴミなどをサッと吸いこむことができる」(牧野さん)。
3位はティファールの「エアフォースコンパクト」。三角形の「デルタヘッド」で、部屋のコーナーのゴミをしっかりキャッチする。また、ダストボックスは手を汚さずゴミ捨てができ、フィルターの水洗いも可能だ。
掃除機は、外観だけではわからないことが多い。吸引力はどれくらいか、動作音はどのぐらいか、自走式のブラシはどのくらいスムーズに動くのか……。生活必需品だからこそ、手に取ってから選びたいものだ。今回、取材にご協力いただいたビックカメラの掃除機売り場では、最新の掃除機を試すことができるだけでなく、ユーザーの要望、部屋の環境に合わせて最適な一台を教えてくれる。ぜひ、店頭に足を運んでほしい。(BCN・山下彰子)
ビックカメラ有楽町店の牧野専門相談員エキスパート
牧野さんは、ここ数年のユーザーの掃除機に対する意識の変化を「新しい掃除機を購入するきっかけは、3年ほど前までは『これまで使っていた掃除機が壊れた』だった。最近は、『いま使っている掃除機はまだ使えるけれど、もっといいものがほしい』と売り場に訪れる方が増えている」と説明する。また、「一台の掃除機で家中の掃除をすませる人がほとんどだったが、いまはロボット掃除機やコードレスのスティック型掃除機を使い分けている人が多い」という。
メイン掃除機はサイクロン掃除機が主流 軽くても吸引力は強力
また、紙パック掃除機からサイクロン掃除機へ乗り換える人が増えているのも、ここ数年の傾向だ。特にこの年末は、購入者の半数以上がサイクロン掃除機を選んでいるそうだ。サイクロン掃除機の人気の理由は、吸引力を落とさずに小型化が進んでいること。今年は、これまで上位モデルにしかなかった高性能ブラシが小型の普及モデルにも搭載されるようになったことで、コンパクトで高性能の掃除機を選ぶことができるようになった。
吸引力が持続するサイクロン掃除機が人気(ビックカメラ有楽町店)
牧野さんは「いまのサイクロン掃除機は、音が静かで排気のニオイが気にならない。また、自走ブラシを備えたモデルが増え、軽い力で掃除ができる。価格がこなれて購入しやすくなっているのも、売れている理由だ」と説明する。
では、ビックカメラ有楽町店で人気のサイクロン掃除機を紹介しよう。1位は、東芝の「TORNEO(トルネオ) V VC-S312」。12気筒のサイクロンを備え、綿ゴミなどの大きなゴミだけでなく、ミクロのゴミも99.9%まで分離。吸引力が99%以上持続する。本体重量が3.3kgと軽く、持ち運びやすいのも長所だ。
牧野さんは、おすすめのポイントとしてヘッドブラシを挙げた。「毛並みが豊かで、まるで拭き掃除をしたかのような効果がある。フローリングのザラザラが気になる人におすすめ」という。
2位は、サイクロン掃除機の代名詞、ダイソンの「DC46」だ。32個のサイクロンを2層に配列して強力な遠心力を生み出し、微細なゴミやホコリを空気から分離する。ボディをボール型にした「ボール テクノロジー」で、急な角も思い通りに曲がることができる。
牧野さんは「とにかく吸引力が強い。カーペットの奥のゴミまで取り除きたい人におすすめ」と説明する。
3位は、日立アプライアンスの「2段ブーストサイクロン CV-SW7000」。1段目で遠心分離によってゴミを分離して吸引力を持続させ、2段目でごみを圧縮する独自の「2段ブーストサイクロン」を搭載する。モーター駆動方式の回転ブラシ機能は、豊かな毛並みのブラシで微細なゴミも拭き取ることができる。
牧野さんのおすすめポイントは、パワフルな自走機能。「前に進むパワーが強く、腕にかかる負担が少ない。ラクに掃除ができる」と話す。
左から、東芝の「TORNEO V VC-S312」、ダイソンの「DC46」、日立アプライアンスの「2段ブーストサイクロン CV-SW7000」
注目度No.1のロボット掃除機 共働きの夫婦や両親へのプレゼントに
ビックカメラ有楽町店の生活家電売り場である地下一階フロアで、エスカレータを降りてすぐの最も目立つところにあるのが、ロボット掃除機売り場だ。これまでロボット掃除機といえば米アイロボットの「ルンバ」の独壇場だったが、ここ1~2年で参入メーカーが増え、売り場は倍以上に拡大した。
参入メーカーが増えたロボット掃除機(ビックカメラ有楽町店)
ロボット掃除機は、共働きの夫婦・家族や、高齢の両親へのプレゼント需要が多い。忙しくて平日に掃除ができない、体力的に掃除をするのが大変など、掃除の負担を減らしたい人が選んでいる。
ビックカメラ有楽町店での人気第1位は、アイロボットの「ルンバ 780」だ。「ルンバ」シリーズには、搭載機能数で価格が異なる豊富なラインアップを揃えているが、最上位モデルの「ルンバ 780」を購入する人が圧倒的に多いという。
「最上位モデルには、複数の部屋を順番に掃除する機能がある。他社モデルにはない機能で、これを目当てに購入する人が多い。また、10年前から販売している『ルンバ』にはファンが多く、『ルンバ』を使っている友人・知人にすすめられて買うお客様もいる」と牧野さん。
2位はシャープの「COCOROBO(ココロボ) RX-V100」。超音波センサによって、障害物を避けながら動き回る。1分間に約1万4000回回転する高速ターボファンを備えた独自の「強力吸じんシステム」を搭載。「吸い込む力が強いので、カーペットを敷いた部屋に向いている」(牧野さん)。また、ダストボックスを天板から取りだすことができ、ゴミ出しが簡単なのも好評だ。
アイロボットの「ルンバ 780」(左)とシャープの「COCOROBO(ココロボ) RX-V100」
海外勢が人気 インテリアにマッチするコードレススティック掃除機
ホコリが目についたとき、さっと取り出して掃除ができるコードレスのスティック掃除機の人気も高まりつつある。「玄関や人の出入りが多い部屋でホコリが目についたとき、サイクロン掃除機を持ってくるのは大変。立てかけておいたスティック掃除機をサッと取りだして掃除ができるのは非常に便利で、サブの掃除機として買い足す人が増えている」と牧野さんは話す。
海外勢が人気のコードレススティック掃除機(ビックカメラ有楽町店)
スティック掃除機は、ダイソン、エレクトロラックス、ティファールなど、海外ブランドが人気だ。吸引力が強く、また、リビングに置いても違和感のないデザイン性の高さが人気の理由。「以前に比べると動作音が小さくなり、平日に目についたゴミをスティック掃除機で吸い、週末にはしっかり掃除ができるサイクロン掃除機を使う。こんな使い分けをする人が増えているようだ」と牧野さんはいう。
スティック掃除機の人気第1位は、ダイソンの「dyson digital slim DC45MH」。「とにかく吸引力が強い」(牧野さん)のが人気の理由だ。重心が手元にあって、床だけでなく、天井や棚の上なども掃除しやすい。
2位はエレクトロラックスの「ergorapido」。ゴミを溜める本体部分を外してハンディクリーナーとして使える一台二役のスティック掃除機だ。「ソファのゴミなどをサッと吸いこむことができる」(牧野さん)。
3位はティファールの「エアフォースコンパクト」。三角形の「デルタヘッド」で、部屋のコーナーのゴミをしっかりキャッチする。また、ダストボックスは手を汚さずゴミ捨てができ、フィルターの水洗いも可能だ。
左から、ダイソンの「dyson digital slim DC45MH」、エレクトロラックスの「ergorapido」、ティファールの「エアフォースコンパクト」
掃除機は、外観だけではわからないことが多い。吸引力はどれくらいか、動作音はどのぐらいか、自走式のブラシはどのくらいスムーズに動くのか……。生活必需品だからこそ、手に取ってから選びたいものだ。今回、取材にご協力いただいたビックカメラの掃除機売り場では、最新の掃除機を試すことができるだけでなく、ユーザーの要望、部屋の環境に合わせて最適な一台を教えてくれる。ぜひ、店頭に足を運んでほしい。(BCN・山下彰子)
掃除機は試してから購入しよう(ビックカメラ有楽町店)