<フォトキナ2012>一眼レフでも撮れない写真をコンパクトで――カシオ計算機羽村技術センターQV事業部商品企画部 渋谷敦部長
各社がレンズ交換型のカメラを次々とリリースするなかで、コンパクトデジタルカメラにこだわり続けるカシオ。ドイツ・ケルンで9月18~23日に開かれた世界最大のカメラ・映像機器の見本市「フォトキナ2012」では、高速撮影を多彩な絵づくりに生かすフラッグシップモデル「EXLIM EX-ZR1000」と、小型ながら光学24倍ズームレンズを搭載する「EXILIM EX-H50」の2機種が注目を浴びた。会場のケルンメッセで、カシオ計算機羽村技術センターQV事業部商品企画部の渋谷敦部長に、新製品の特徴やコンパクトデジタルカメラへの想いを聞いた。
「EX-ZR1000」のウリは、なんといっても高速撮影機能。とはいえ、単に短時間に多くのコマを撮ることができるだけではない。その技術を応用し、暗所での撮影やブレ軽減、ピンボケの軽減などにつなげているのだ。画像エンジン「EXILIM Engine HS3」を搭載し、通常は一眼レフでも撮ることができない写真も撮影できる。カシオ計算機羽村技術センターQV事業部商品企画部の渋谷敦部長は「新エンジン『HS3』では、トリプルゼロ・コンセプトを掲げた。タイムラグゼロ、つまり撮りたい瞬間にすぐ撮ることができること、手ブレがゼロになること、ピンボケがゼロになること、これら三つのゼロを満たすカメラを目指している」と語る。
例えば、「EX-ZR1000」で初めて搭載した「全焦点マクロ」という機能がある。マクロ撮影時でも全画面にピントが合った状態の写真を撮影することができる機能だ。ピント位置をずらしながら高速で複数回のシャッターを切り、それらの画像を合成することで、全部の位置にピントが合った写真になるという仕組み。従来のカメラではおよそ考えられなかった機能だ。
通常のマクロ撮影では、ピントが合ったところ以外は大きくボケるのというのが常識だ。マクロ撮影で全体にピントが合った写真を撮るのは、ほとんど不可能に近い。しかし単純に「ボケちゃって嫌なのよねー」という人も多いという。そういった素朴な要望に、高速連写機能を応用することで応えたわけだ。
暗いシーンを明るく撮る高感度撮影では、ほとんど真っ暗な状況で、しかも手持ち撮影でも、複数回高速にシャッターを切ることでブレのない明るい写真を実現する。「何があるのかもわからない状況でも撮ることができる」ほどの実力を備えているという。これも、たくさん枚数を取って重ね合わせる画像処理エンジン「HS3」で実現したものだ。こうした技術は、ノイズの低減にも極めて有効で、渋谷部長によれば「複数枚の画像であれば、どれがノイズでどれが実物かが判別できる」という。「HS3」が、手ブレゼロ、ピンボケゼロの実現に大きく貢献しているのだ。
タイムラグゼロでは、サクサク撮影できるクイックレスポンスに、より磨きをかけた。電源を入れ、レンズを繰り出して、撮影可能状態になるまで約0.99秒。約0.26秒で次の写真を撮ることができる。フォーカスのスピードも約0.15秒と高速で、さらに、秒6コマの連写中でも、ピントを合わせながら撮影できる機能を搭載した。「以前はシャッターを押す前にピントを合わせ、そこでピントを固定した状態で連写するというスタイルでした。これが、すばやくピント合わせができるようになったことで、連写中もピントを合わせ続けることができるようになった」と渋谷部長。「薄明かりのなかでも、歩きながら、ブレずにキレイな写真をサクサク撮ることができる、というのが最終的な着地点だ」と語った。
コンパクトデジタルカメラ市場では、このところセンササイズの大型化や高画素数化、明るいレンズの搭載などの動きが目立っている。いわゆる「高級コンパクト」といわれるジャンルの製品だ。渋谷部長は「そうした製品が増えてきているのは、スマートフォンが台頭してきたから。スマートフォンは、ある程度の写真が撮れて、プリントも送信もできる。この影響で、コンパクトデジタルカメラでも、とくに3~5倍ズームモデルの落ち込みが大きい」と語る。コンパクトで勝負するカシオにとって、スマートフォンとの競合は、他社にもまして大きな問題だ。
この状況に、渋谷部長は「カシオはデジタル処理の部分で差異化して、新しい価値を提供していきたい」と語る。「嗜好品としてというアプローチではなく、トリプルゼロのコンセプトをいかに実現するかという視点を軸に、多少高くても高性能なカメラが欲しいというニーズがあれば、応える必要がある」と、安易な高級化路線には慎重だ。
一方、大型センサの採用については「カメラの価値が上がるのであれば、収益の向上も期待でき、ビジネスとしてみれば健全だとは思う」として、「必要に応じて視野に入れていくべきだろう」と語った。「センササイズが大きくなれば、レンズも大きくなり、カメラの形状にダイレクトに影響する。当然、価格も上がる。バランスを十分検討する必要がある」という。
初代「EXILIM」は、薄型カードサイズだった。いま主流になっているやや厚みのあるカメラが「大きすぎる」といわれてしまう時代もあったのだ。しかし、現在では「持っている性能に対して折り合いがつく大きさなら、受け入れられると思う。ひとまわり、ふたまわり大きなカメラも、ラインアップに入る可能性は十分にある」と、渋谷部長はやや大ぶりな高級コンパクト路線の可能性も残した。
また、昨今の無線LAN対応モデルの増加について、渋谷部長は「Eye-Fiカードや、東芝のFlashAirにはいち早く対応し、カメラからさまざまな設定ができるようにしている。無線で飛ばす機能は、これから必須のものになってくるだろう」とみる。しかし、現在は「使いたい人は、カードを買えば使えるようにしている」という段階。今後は「無線LANモジュールの内蔵タイプも検討している」ということだった。
さらに踏み込んだAndroid搭載カメラというアプローチについては、「そういう考え方も確かにあると思う。しかし、スマートフォンに高倍率ズームをつけただけとか、コンパクトデジタルカメラにスマートフォンの機能が入っただけでは足りない。これはあくまでも個人的な感想だが、それでは新しい提案や使い方にならない」と話し、「仮にやるとしても、新しい用途提案とあわせてやっていきたい」とした。
スマートフォンとの差異化という意味で、最もわかりやすい答えの一つが「EX TR-100」だろう。本体の周囲にぐるりと枠をつけたようなスタイルで、液晶画面の向きを自在にコントロールできる実にユニークなカメラだ。「新しいスタイルの提案だ。スマートフォンでは自分撮りは難しいが、画角が21mmの広角レンズを採用したこともあって、顔と背景をほどよいバランスで撮ることができる。この評判がインターネットで広がった。ズームもないカメラで、ある意味スマートフォンに近いのだが、スマートフォンでは撮れないものを撮ることができる」と「EX TR-100」の特徴を語った。そして、「これは差異化のいい例ではないかと思う。多少のズーム倍率の差ぐらいでは、ユーザーには響かない。新しい用途提案が必要だ」と説いた。
この“自分撮り”カメラは、中国市場で人気に火がついた。後継モデルの「EX TR150」も引き続き中国からの引き合いが多く、日本での発売前にもかかわらず、予約分だけで計画していた生産数を上回り、発売前に販売終了という珍しい事態を招いた。もちろん「『TRシリーズ』の次期バーションの計画は当然あります。中国だけでなく、欧州にも浸透させていきたい」という。
コンパクトデジタルカメラの高機能化と同様の理由で、ミラーレス一眼をはじめとするレンズ交換型カメラの拡大は、自然な流れのようにみえる。しかし、カシオは日本の主要デジタルカメラメーカーのなかで、唯一、レンズ交換型の製品をもっていない。なぜ、カシオはコンパクトにこだわり続けるのか?
「一眼レフについては、プロの使用や一般の方の趣味として、なくなることはないと思う」と、渋谷部長。しかし、ミラーレス一眼に関しては「ある程度割り切りながら小型化したり、価格を下げたりしたコンパクトカメラの方向を向いた製品」と指摘する。「それなのに、レンズをいくつか持って、ユーザーに交換してもらうというのを強いるのはどうかと思う。それが本当にユーザーに合った提案なのだろうか」と疑問を呈し、「ミラーレス一眼は、かなり中途半端な市場になってしまう危険性がある」と危惧を語った。
さらに、「小さなミラーレス一眼を持って歩くとき、交換レンズを何本も持って撮影している方がはたしてどれくらいいるのか。大半はボディにレンズをつけっぱなしで撮っているのが実態では? それなら、はじめからコンパクトのほうがいい」と、改めてコンパクトカメラへのこだわりを語った。
では、カシオはどこに進むのか。「コンパクトなカメラ1台で、近くから遠くまで、レンズを交換せずにきれいな写真を撮ることができるというのが、本当にお客さまのためになるのではないか。カシオは、1台でいろいろなものを撮ることができるカメラを目指す」と語った。フォトキナで発表した小型ながら光学24倍ズームレンズを搭載する「EXILIM EX-H50」も、そうしたニーズに応える製品だ。
渋谷部長は、最後に「ミラーレス一眼より、大型センサを積んだコンパクト1台で、さまざまな場面で使ってください、という提案のほうがわかりやすい」と、現在のミラーレス一眼に流れる市場のなかでも、コンパクトデジタルカメラで戦う姿勢をみせた。(道越一郎)
カシオ計算機羽村技術センターQV事業部商品企画部 渋谷敦部長
高速撮影技術を絵づくりに生かす
「EX-ZR1000」のウリは、なんといっても高速撮影機能。とはいえ、単に短時間に多くのコマを撮ることができるだけではない。その技術を応用し、暗所での撮影やブレ軽減、ピンボケの軽減などにつなげているのだ。画像エンジン「EXILIM Engine HS3」を搭載し、通常は一眼レフでも撮ることができない写真も撮影できる。カシオ計算機羽村技術センターQV事業部商品企画部の渋谷敦部長は「新エンジン『HS3』では、トリプルゼロ・コンセプトを掲げた。タイムラグゼロ、つまり撮りたい瞬間にすぐ撮ることができること、手ブレがゼロになること、ピンボケがゼロになること、これら三つのゼロを満たすカメラを目指している」と語る。
高速撮影を多彩な絵づくりに生かすフラッグシップモデル「EXLIM EX-ZR1000」
例えば、「EX-ZR1000」で初めて搭載した「全焦点マクロ」という機能がある。マクロ撮影時でも全画面にピントが合った状態の写真を撮影することができる機能だ。ピント位置をずらしながら高速で複数回のシャッターを切り、それらの画像を合成することで、全部の位置にピントが合った写真になるという仕組み。従来のカメラではおよそ考えられなかった機能だ。
通常のマクロ撮影では、ピントが合ったところ以外は大きくボケるのというのが常識だ。マクロ撮影で全体にピントが合った写真を撮るのは、ほとんど不可能に近い。しかし単純に「ボケちゃって嫌なのよねー」という人も多いという。そういった素朴な要望に、高速連写機能を応用することで応えたわけだ。
「全焦点マクロ」で撮った画像。全体にピントが合っている
暗いシーンを明るく撮る高感度撮影では、ほとんど真っ暗な状況で、しかも手持ち撮影でも、複数回高速にシャッターを切ることでブレのない明るい写真を実現する。「何があるのかもわからない状況でも撮ることができる」ほどの実力を備えているという。これも、たくさん枚数を取って重ね合わせる画像処理エンジン「HS3」で実現したものだ。こうした技術は、ノイズの低減にも極めて有効で、渋谷部長によれば「複数枚の画像であれば、どれがノイズでどれが実物かが判別できる」という。「HS3」が、手ブレゼロ、ピンボケゼロの実現に大きく貢献しているのだ。
タイムラグゼロでは、サクサク撮影できるクイックレスポンスに、より磨きをかけた。電源を入れ、レンズを繰り出して、撮影可能状態になるまで約0.99秒。約0.26秒で次の写真を撮ることができる。フォーカスのスピードも約0.15秒と高速で、さらに、秒6コマの連写中でも、ピントを合わせながら撮影できる機能を搭載した。「以前はシャッターを押す前にピントを合わせ、そこでピントを固定した状態で連写するというスタイルでした。これが、すばやくピント合わせができるようになったことで、連写中もピントを合わせ続けることができるようになった」と渋谷部長。「薄明かりのなかでも、歩きながら、ブレずにキレイな写真をサクサク撮ることができる、というのが最終的な着地点だ」と語った。
ジオラマを被写体に、クイックレスポンスやマクロ撮影などが楽しめるコーナー
スマートフォンとの差異化はまずデジタル処理で
コンパクトデジタルカメラ市場では、このところセンササイズの大型化や高画素数化、明るいレンズの搭載などの動きが目立っている。いわゆる「高級コンパクト」といわれるジャンルの製品だ。渋谷部長は「そうした製品が増えてきているのは、スマートフォンが台頭してきたから。スマートフォンは、ある程度の写真が撮れて、プリントも送信もできる。この影響で、コンパクトデジタルカメラでも、とくに3~5倍ズームモデルの落ち込みが大きい」と語る。コンパクトで勝負するカシオにとって、スマートフォンとの競合は、他社にもまして大きな問題だ。
この状況に、渋谷部長は「カシオはデジタル処理の部分で差異化して、新しい価値を提供していきたい」と語る。「嗜好品としてというアプローチではなく、トリプルゼロのコンセプトをいかに実現するかという視点を軸に、多少高くても高性能なカメラが欲しいというニーズがあれば、応える必要がある」と、安易な高級化路線には慎重だ。
一方、大型センサの採用については「カメラの価値が上がるのであれば、収益の向上も期待でき、ビジネスとしてみれば健全だとは思う」として、「必要に応じて視野に入れていくべきだろう」と語った。「センササイズが大きくなれば、レンズも大きくなり、カメラの形状にダイレクトに影響する。当然、価格も上がる。バランスを十分検討する必要がある」という。
フォトキナ2012のカシオブース
初代「EXILIM」は、薄型カードサイズだった。いま主流になっているやや厚みのあるカメラが「大きすぎる」といわれてしまう時代もあったのだ。しかし、現在では「持っている性能に対して折り合いがつく大きさなら、受け入れられると思う。ひとまわり、ふたまわり大きなカメラも、ラインアップに入る可能性は十分にある」と、渋谷部長はやや大ぶりな高級コンパクト路線の可能性も残した。
また、昨今の無線LAN対応モデルの増加について、渋谷部長は「Eye-Fiカードや、東芝のFlashAirにはいち早く対応し、カメラからさまざまな設定ができるようにしている。無線で飛ばす機能は、これから必須のものになってくるだろう」とみる。しかし、現在は「使いたい人は、カードを買えば使えるようにしている」という段階。今後は「無線LANモジュールの内蔵タイプも検討している」ということだった。
さらに踏み込んだAndroid搭載カメラというアプローチについては、「そういう考え方も確かにあると思う。しかし、スマートフォンに高倍率ズームをつけただけとか、コンパクトデジタルカメラにスマートフォンの機能が入っただけでは足りない。これはあくまでも個人的な感想だが、それでは新しい提案や使い方にならない」と話し、「仮にやるとしても、新しい用途提案とあわせてやっていきたい」とした。
スマートフォンとの差異化という意味で、最もわかりやすい答えの一つが「EX TR-100」だろう。本体の周囲にぐるりと枠をつけたようなスタイルで、液晶画面の向きを自在にコントロールできる実にユニークなカメラだ。「新しいスタイルの提案だ。スマートフォンでは自分撮りは難しいが、画角が21mmの広角レンズを採用したこともあって、顔と背景をほどよいバランスで撮ることができる。この評判がインターネットで広がった。ズームもないカメラで、ある意味スマートフォンに近いのだが、スマートフォンでは撮れないものを撮ることができる」と「EX TR-100」の特徴を語った。そして、「これは差異化のいい例ではないかと思う。多少のズーム倍率の差ぐらいでは、ユーザーには響かない。新しい用途提案が必要だ」と説いた。
カメラの形状の概念を超えたTXシリーズの最新モデル「EX TR150」。
発売前に売り切れになり、話題を呼んだ
発売前に売り切れになり、話題を呼んだ
この“自分撮り”カメラは、中国市場で人気に火がついた。後継モデルの「EX TR150」も引き続き中国からの引き合いが多く、日本での発売前にもかかわらず、予約分だけで計画していた生産数を上回り、発売前に販売終了という珍しい事態を招いた。もちろん「『TRシリーズ』の次期バーションの計画は当然あります。中国だけでなく、欧州にも浸透させていきたい」という。
ミラーレス一眼は本当にユーザーのための製品なのか?
コンパクトデジタルカメラの高機能化と同様の理由で、ミラーレス一眼をはじめとするレンズ交換型カメラの拡大は、自然な流れのようにみえる。しかし、カシオは日本の主要デジタルカメラメーカーのなかで、唯一、レンズ交換型の製品をもっていない。なぜ、カシオはコンパクトにこだわり続けるのか?
「一眼レフについては、プロの使用や一般の方の趣味として、なくなることはないと思う」と、渋谷部長。しかし、ミラーレス一眼に関しては「ある程度割り切りながら小型化したり、価格を下げたりしたコンパクトカメラの方向を向いた製品」と指摘する。「それなのに、レンズをいくつか持って、ユーザーに交換してもらうというのを強いるのはどうかと思う。それが本当にユーザーに合った提案なのだろうか」と疑問を呈し、「ミラーレス一眼は、かなり中途半端な市場になってしまう危険性がある」と危惧を語った。
さらに、「小さなミラーレス一眼を持って歩くとき、交換レンズを何本も持って撮影している方がはたしてどれくらいいるのか。大半はボディにレンズをつけっぱなしで撮っているのが実態では? それなら、はじめからコンパクトのほうがいい」と、改めてコンパクトカメラへのこだわりを語った。
では、カシオはどこに進むのか。「コンパクトなカメラ1台で、近くから遠くまで、レンズを交換せずにきれいな写真を撮ることができるというのが、本当にお客さまのためになるのではないか。カシオは、1台でいろいろなものを撮ることができるカメラを目指す」と語った。フォトキナで発表した小型ながら光学24倍ズームレンズを搭載する「EXILIM EX-H50」も、そうしたニーズに応える製品だ。
今年6月に10周年を迎えた「EXILIMシリーズ」を記念した「EX-ZR1000」の特別モデル。化粧箱と革ケースが付属する
渋谷部長は、最後に「ミラーレス一眼より、大型センサを積んだコンパクト1台で、さまざまな場面で使ってください、という提案のほうがわかりやすい」と、現在のミラーレス一眼に流れる市場のなかでも、コンパクトデジタルカメラで戦う姿勢をみせた。(道越一郎)