＜特集＞「上半期No.1メーカー」と振り返る2012年1～6月のデジタル市場

特集

2012/08/10 22:16

　BCNは、PC・デジタル家電の実売データ「BCNランキング」にもとづいて、107アイテム（ジャンル）について、2012年上半期（1月～6月）に最も販売数量が多かった「上半期No.1メーカー」を発表した。

　BCNでは、年1回、全国の主要な家電量販店、パソコン販売店、ネットショップから収集したPCやPC周辺機器、デジタル家電などの実売データ「BCNランキング」にもとづいて、部門（ジャンル）ごとに年間販売数量第1位の企業を表彰する「BCN AWARD」を開催している。

　今回発表した中間集計は、2012年上半期（1～6月）のデータをまとめたもので、「BCN AWARD 2013」へ連なる実売データだ。ここでは、この中間集計でトップに立った「上半期No.1メーカー」とともに注目ジャンルを振り返る。

・画像処理ソフトアドビシステムズ
・システムメンテナンスソフト AOSテクノロジーズ
・業務ソフト弥生
・三脚・一脚スリック
・スマートフォンアップル
・スマートフォンアクセサリテレホンリース
・ノートPC 東芝
・DTM関連機器コルグ
・SSD インテル

「Photoshop」を擁するアドビが上半期No.1を獲得

「画像処理ソフト」上半期No.1
アドビシステムズ
メーカー別シェア
64.0％

　画像処理ソフト部門が「BCN AWARD」の表彰対象になって以来、10年連続で栄冠に輝いているアドビシステムズの販売が好調だ。2012年上半期も約6割のメーカーシェアを獲得し、独走している。定番の「Adobe Photoshop Elements 10」に加え、3月にはRAW現像機能が向上し、ハイライトとシャドウの復元などが簡単にできる「Adobe Photoshop Lightroom 4.0」を発売。進化を遂げた「Photoshop」シリーズで、アドビシステムズがどこまで躍進するのか、下半期に注目だ。

まだあるソフトの注目ジャンル

「システムメンテナンスソフト」上半期No.1
AOSテクノロジーズ
メーカー別シェア
24.7％

　AOSテクノロジーズが、「システムメンテナンスソフト」のなかの「修復・診断」ジャンルでメーカーシェア35.6％を獲得して上半期No.1に輝いた。牽引したデータ修復ソフト「ファイナルデータ」は、体験版でデータ復旧ができるかどうか試してから購入できる。いざというときに使う一本だけに、この安心感がシェア獲得に貢献している。

「業務ソフト」上半期No.1
弥生
メーカー別シェア
35.5％

　「弥生会計 12 スタンダード」が牽引して、上半期トップに立った弥生。「BCN AWARD」を13年連続で制してきたトップの地位は、2012年上半期も盤石だった。「弥生会計」は、全グレードで出納帳などを模した入力画面が選べるほか、勘定科目のテンプレートをホームページで提供するなど、導入のしやすさが魅力だ。

できばえに差がつくプラスアルファの機材が好調

「三脚・一脚」上半期No.1
スリック
メーカー別シェア
25.5％

　デジタル一眼やデジタルビデオカメラに対応し、軽さと安定感を両立したスリックの売れ筋モデル。「国産プロフェッショナル三脚」の道を切り開いた技術力を売れ筋モデルにも投入し、幅広いユーザーから支持を得た。6月には後継機「F741」と「F631」を発売。下半期の市場動向にも注目が集まる。

日本で一番売れたスマートフォン「iPhone 4S」

「スマートフォン」No.1
アップル
メーカー別シェア
25.8％

　今年6月、「BCNランキング」の実売データにもとづく集計で、スマートフォンの累計販売台数1位になった「iPhone 4S」。上半期は、この「iPhone 4S」のアップルが「スマートフォン」でトップに立った。「iPhone 4」を加えた新旧モデルで25.8％のシェアを獲得。ハイスペックの夏モデルが続々登場しているAndroid勢、新OS「Windows 8」の勢いで一気にシェア拡大を狙う「Windows Phone 8」が、アップルの牙城にどこまで迫るか、下半期も目が離せない。

「スマートフォンアクセサリ」上半期No.1
テレホンリース
メーカー別シェア
25.0％

　スマートフォンの伸びとともに拡大する「スマートフォンアクセサリ」。テレホンリースは、「ラスタバナナ」ブランドから、いち早く新製品に対応した保護フィルムを提供して支持を集め、上半期のトップに立った。市場全体では、スマートフォンケースや保護フィルムに加え、外出先での突然の電池切れに対応できるモバイルバッテリが前年同月比で約460％と販売台数を大きく伸ばした。

PC、PC関連ジャンルで注目の上半期No.1！

「ノートPC」上半期No.1
東芝
メーカー別シェア
21.2％

　上半期は、15.6インチの画面をもつモデルが圧倒的な支持を集めた。このサイズでカラーやCPU性能が選べるスタンダードノートPCを重層的に揃える東芝が上半期の市場を一歩リードした。存在感を高めつつあるウルトラブックも投入。ウルトラブックの機種別ランキングでは、デザインと実用性を両立した東芝「dynabook R631」がトップに立っている。

「DTM関連機器」上半期No.1
コルグ
メーカー別シェア
23.9％

　電子楽器の老舗、コルグが上半期No.1となった。今夏、人気のミニ・キーボード「microKey」シリーズのラインアップを一新。従来の37鍵モデルに加え、持ち運びに便利な25鍵モデル、5オクターブ仕様の61鍵モデルを揃えた。さらに、充実したソフトウェアが付属し、これさえ購入すれば、初心者でもすぐにDTM（デスクトップ・ミュージック）が始められる。

「SSD」上半期No.1
インテル
メーカー別シェア
24.6％

　起動速度や耐衝撃性、静音性にすぐれるSSDの存在感は、日増しに大きくなっている。拡大はしているものの、群雄割拠の状態にある市場で上半期No.1になったのはインテルだ。製品の高い信頼性に加え、新製品の「330シリーズ」は3年間、「520シリーズ」は5年間のカスターマーサポート保証がつくという安心感でシェアを獲得した。

＜特集＞「上半期No.1メーカー」と振り返る2012年1～6月のデジタル市場

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