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フォトレタッチソフトの雄「Photoshop」、アドビが上半期No.1を獲得

時事ネタ

2012/07/25 20:06

 デジタルカメラや携帯電話、デジタルビデオカメラで撮影した写真を編集するフォトレタッチソフトの代表格といえば、アドビ システムズの「Photoshop」だ。そのアドビが、2012年上半期(1月~6月)で最も販売数量が多かったメーカーとして「上半期No.1」を獲得した。

 BCNは7月24日に、全国の家電量販店、パソコン専門店、ネットショップから集計した実売データ「BCNランキング」にもとづき、2012年上半期(1月~6月)に最も販売数量が多かった「上半期No.1メーカー」を発表した。アドビは「画像処理ソフト」と「グラフィックスソフト」の2部門で「上半期No.1」を獲得した。

 アドビは、1年間の販売数量が最も多かったメーカーを部門ごとに表彰する「BCN AWARD 2012」で、画像処理ソフト部門とグラフィックスソフト部門の二冠を獲得。さらに、画像処理ソフト部門では10年連続10回、グラフィックスソフト部門では9年連続12回で、「BCN AWARD」を受賞した。なかでも画像処理ソフト部門は、2003年に部門を新設して以来、継続して市場をけん引してきた。



 画像処理ソフトとは、デジタルカメラなどで撮影した写真を補正/編集するフォトレタッチソフトだ。メーカーシェア推移では、アドビが約6割のシェアを獲得し、2位以下を大きく引き離している。このアドビを支えているのが、「Adobe Photoshop Elements」と「Adobe Photoshop Lightroom」の2つのシリーズだ。


 「Adobe Photoshop Elements」は、いまや画像処理ソフトの代名詞といっていい。コンパクトデジタルカメラやスマートフォンなど、さまざまな機器で写真や動画を撮影するファミリー層をターゲットにしている。

Adobe Photoshop Elements 10

 昨年10月に発売した「Adobe Photoshop Elements 10」は、SNSやオンラインサービスとの連携機能を強化し、FacebookやYouTubeなどの写真、動画を管理することができる。シリーズシェアの推移をみると、常に20%以上をキープしている。


 また最近は、デジタルカメラやデジタル一眼レフカメラで動画を撮影するユーザーが増えており、ビデオ編集ソフト「Adobe Premiere Elements」をセットにした「Photoshop Elements & Adobe Premiere Elements」が人気で、ユーザー層を着実に広げている。

「Photoshop Elements & Adobe Premiere Elements」

 そして注目したいのが、「Adobe Photoshop Lightroom」シリーズだ。2007年に「Photoshop」ファミリーに加わったシリーズで、デジタル一眼レフカメラユーザーなど、本格的な写真を撮影、編集したい人向けの画像処理ソフトだ。6月のシリーズ別シェアでは20.2%と、定番の「Elements」シリーズに迫る勢いでシェアを伸ばしている。

 「Lightroom」シリーズと「Elements」シリーズは、同じ市場にありながらシェアを奪い合うことなく、両シリーズとも堅調に伸びている。「Elements」はファミリー層向け、「Lightroom」はプロ/ハイアマチュアカメラマン向けとターゲットを分け、きちんとすみ分けることで、新規ユーザー層獲得に結びついてるようだ。

 3月には最新版「Adobe Photoshop Lightroom 4」を発売。最新版ではRAW現像機能が向上し、ハイライトとシャドウの復元など、露出調整関連の機能を追加。これまで再現が難しかった晴天時の雲のトーンなどを簡単に引き出すことができる。

Adobe Photoshop Lightroom 4

 さらに、新たに「マップ」機能を追加。Googleマップを利用し、位置情報をもつ写真をそのままマップ上に表示できる。また、位置情報をもたない写真をフィルムストリップからドラッグ&ドロップすることで、位置情報を追加できる。GPS機能を備えたカメラを持っている人、旅行などであちらこちらに出かける人には便利な機能だ。

 「BCN AWARD 2013」でも画像処理ソフト部門とグラフィックスソフト部門の二冠を目指すアドビ。特にグラフィックスソフト部門では10年連続受賞に王手がかかっている。後半戦の快進撃に注目したい。(BCN・山下彰子)


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。