オリンピックや新番組をすべて自動で録画! 話題の「全録レコーダー」の活用法とは?
7月はテレビ番組の改編期。また、7月27日にはロンドンオリンピックが開幕し、ますますテレビから離れられなくなりそうだ。テレビ番組の改編期や、大型スポーツイベントの開催時期に、どの番組をチェックしたらいいかわからず、悩むことはないだろうか。また、録画をし忘れたり、オンエア後に「実はあの番組がおもしろかった」と他の人から聞いて「録画しておけばよかった」と悔しい思いをしたりすることもあるだろう。
筆者は2番組同時録画ができるレコーダーで、とりあえず録画できるだけ予約しておき、後でじっくり吟味しているが、最近では、すべての番組を自動で録画しておき、後から好きな番組を好きな時間に視聴することができる「全録レコーダー」なるものも登場し、自由な視聴スタイルが可能になった。ところで、皆さんはどのようにテレビ番組の視聴・録画をしているのだろうか。そして、どんなときにこの全録レコーダーが便利なのだろうか。そこで「テレビ番組視聴と録画に関するアンケート」を実施し、最新の視聴・録画スタイルを調べ、全録レコーダーの活用による最新の視聴スタイルを提案する。
アンケートはウェブサイト「BCNランキング」の閲覧者を対象に、2012年5月25日から6月8日まで実施。1291の回答を得ることができた。回答者は男性55.5%、女性44.5%。
まず、テレビ番組を放送時間中に見ているか、録画して見ているか聞いた。43.1%が「録画したものを見ることが多い」と回答。放送時間に縛られず、時間が空いたときにゆっくり視聴する人が多いというのがわかる。
では、どのジャンルをよく見ているのだろうか。「放送時間中に見るジャンル」で最も多かったのが「ニュース」で78.4%、次いで「情報番組」が38.7%、「スポーツ」が36.6%だった。また、こういった番組は録画して見る人が少ない。「ニュース」「情報番組」「スポーツ」の録画して見る割合は、「ニュース」が2.8%、「情報番組」が11.3%、「スポーツ」が9.3%だった。
対して「録画して見るジャンル」は、「映画」が55.6%と最も多く、次いで「ドラマ」48.7%、「バラエティ」30.4%だった。番組特徴として、放送時間中に視聴する番組は速報性が求められる番組が多く、録画して視聴する番組は時間をおいて視聴しても困らないものが多いという結果だった。
次は「録画しておけばよかったと後悔したことがあるジャンル」の結果を見てみよう。「録画しておけばよかったと後悔したことがあるジャンル」では、「映画」「ドラマ」「バラエティ」が多かった。特に最近はおもしろいと話題になり、放送回を重ねるに連れ、右肩あがりに視聴率が上昇するドラマなども多い。
では、テレビ番組はどの機器で録画しているのだろうか。「ブルーレイディスク(BD)レコーダー」が40.5%と最も高く、2位は「PC」で39.9%だった。次いで「DVDレコーダー」の27.7%、「HDD内蔵の録画テレビ」の24.7%と続いた。
ただ、録画に対しては軒並み不満や困ったことを抱えているようだ。1位は「見たい番組が重なって録画できない」で51.2%、2位は同率で「見たい番組・話題の番組を録り逃した」「容量が不足していて録画できない」で、26.8%だった。
見たい番組が重なって録画できない、気になる番組を録り逃してしまった、録画予約が面倒……。こんな不満を解消する録画機として、いま「全録レコーダー」が注目されている。アンケートの結果では62.5%が「知っている」と答え、33.8%が「使ってみたい」と回答した。持っている人はまだ2.1%と少ないが、この便利さは1回使うとやみつきになるようだ。
「全録レコーダー」とは、設定したチャンネルの番組を24時間自動で録り続ける機能を備えたレコーダーだ。いちいち番組ごとに録画予約をする必要がなく、何もしなくても放送中の番組をすべて録画してくれる。つまり、予約をすることなく、自分の好きな時間に放送終了後の番組を視聴できるのだ。また、自動で録画している番組は一定期間HDDなどに保存した後、自動的に消去されるので、見ない番組をずっと保存しておくことはない。
ふだん、暇なときに視聴しようとレコーダーに大量に番組を録画しておいても、忙しくて番組を視聴できず、見ていない番組でHDDがいっぱいになることはないだろうか。また、ニュースなどできたら見たいと思っていても、帰宅した時間帯にニュース番組がやっていないということも多い。この全録レコーダーなら、帰ってきたらいつでも最新のニュースが楽しめるというのが大変便利だ。
全録レコーダーといえば、これまでは企業向けや一部マニア向けの高単価モデルがほとんどだった。例えば、4TBのHDDを備え、地上デジタル放送8チャンネルを1週間分蓄積するPTPの「地デジ版SPIDER PRO」は、約80万円もするが、最近は一般向けのモデルが登場している。
2011年12月には、東芝のREGZA サーバー「DBR-M190」「DBR-M180」と日本デジタル家電の「ハイビジョン・ロクラクIII Zeta」が登場した。「DBR-M190」は、最大6チャンネルを15日間、「DBR-M180」は最大6チャンネルを8日間の番組を保存できる。一方、「ハイビジョン・ロクラクIII Zeta」は、最大8チャンネルを同時に録画する。2012年3月には、バッファローが、最大8チャンネルを8日間録画する「DVR-Z8」を発売した。
価格は、計5TBのHDDを内蔵する「DBR-M190」が15万円前後、2.5TBのHDDを内蔵する「DBR-M180」が10万円前後、2TBのHDDを内蔵する「ハイビジョン・ロクラクIII Zeta」が14万8000円、2TBのHDDを内蔵する「DVR-Z8」が7万円前後とかなりこなれてきた。さらに今年度末には番組検索機能がすぐれた「スパイダー・ゼロワン(仮)」が発売する。
では、どの機種を選んだらいいのだろうか。視聴スタイルに合わせたオススメを紹介しよう。シンプルに地上デジタル放送だけを録画したいならバッファローの「DVR-Z8」や日本デジタル家電の「ハイビジョン・ロクラクIII Zeta」がおすすめ。8チャンネル分を録画してくれることもあり、首都圏在住の人でも全チャンネルが録画できる。
一方、BDレコーダーとしても使いたいなら東芝の「DBR-M190/M180」がおすすめだ。BDドライブを備え、全録してある番組のうち、気に入ったものはBDディスクへダビングできる。「タイムシフトマシン」用の地デジ6チューナーとは別に地上/BS/CSデジタルチューナーを2基備え、BS/CSの録画にも対応する。つまり、6チャンネルを常時録画しながら、興味のある2番組を同時に録画することができるのだ。
レコーダーは、VHSレコーダー、アナログチューナーを搭載したDVD/HDDレコーダー、デジタルチューナーを搭載したBD/HDDレコーダーと移り変わり、そしてすべてのチャンネルを録画する全録レコーダーが登場した。全録レコーダーの出現によって、録画ライフはどのように変化していくのだろうか。
BCNの道越一郎アナリストは、「電子番組表が確認できるデジタルレコーダーは、番組検索機能を搭載し、見たい番組、気になる番組を探し出すことが簡単になった」と語る。最新のBDレコーダーのなかには、タレント名やジャンルを登録しておくと自動で録画予約する機能を備えたレコーダーもある。
「しかし、BDレコーダーが見つけ出した番組でも、番組情報だけではおもしろいのか、自分の見たい番組なのか、判断しにくい。プログラムの内容を判断できないと、せっかくの番組を見逃してしまうこともある。特に判断できない番組がニュースやスポーツだ。例えば、もうじき始まるオリンピックは、予選の段階でメダルを獲得する選手が予想できないため、あらかじめ録画予約をしておくことができない。選手の活躍を見逃してしまうこともある。これに対して、全録レコーダーはすべての番組を録画して保存しておくので、突然注目された選手の予選の様子を遡って見ることができる。全録レコーダーは、スポーツなどの予想できない番組を逃さず見るのに最適な機器だ。さらに、新番組も含めてすべて録画してくれるので、新しい番組との遭遇もある」とする。
これから放送する番組だけではなく、放送終了後に知った番組も録画して保存する全録レコーダーは、使う人と番組をより結びつけてくれる機器といえそうだ。(BCN・山下彰子)
筆者は2番組同時録画ができるレコーダーで、とりあえず録画できるだけ予約しておき、後でじっくり吟味しているが、最近では、すべての番組を自動で録画しておき、後から好きな番組を好きな時間に視聴することができる「全録レコーダー」なるものも登場し、自由な視聴スタイルが可能になった。ところで、皆さんはどのようにテレビ番組の視聴・録画をしているのだろうか。そして、どんなときにこの全録レコーダーが便利なのだろうか。そこで「テレビ番組視聴と録画に関するアンケート」を実施し、最新の視聴・録画スタイルを調べ、全録レコーダーの活用による最新の視聴スタイルを提案する。
映画、ドラマは「とりあえず録画」、ニュースは放送中に視聴
アンケートはウェブサイト「BCNランキング」の閲覧者を対象に、2012年5月25日から6月8日まで実施。1291の回答を得ることができた。回答者は男性55.5%、女性44.5%。
まず、テレビ番組を放送時間中に見ているか、録画して見ているか聞いた。43.1%が「録画したものを見ることが多い」と回答。放送時間に縛られず、時間が空いたときにゆっくり視聴する人が多いというのがわかる。
では、どのジャンルをよく見ているのだろうか。「放送時間中に見るジャンル」で最も多かったのが「ニュース」で78.4%、次いで「情報番組」が38.7%、「スポーツ」が36.6%だった。また、こういった番組は録画して見る人が少ない。「ニュース」「情報番組」「スポーツ」の録画して見る割合は、「ニュース」が2.8%、「情報番組」が11.3%、「スポーツ」が9.3%だった。
対して「録画して見るジャンル」は、「映画」が55.6%と最も多く、次いで「ドラマ」48.7%、「バラエティ」30.4%だった。番組特徴として、放送時間中に視聴する番組は速報性が求められる番組が多く、録画して視聴する番組は時間をおいて視聴しても困らないものが多いという結果だった。
次は「録画しておけばよかったと後悔したことがあるジャンル」の結果を見てみよう。「録画しておけばよかったと後悔したことがあるジャンル」では、「映画」「ドラマ」「バラエティ」が多かった。特に最近はおもしろいと話題になり、放送回を重ねるに連れ、右肩あがりに視聴率が上昇するドラマなども多い。
では、テレビ番組はどの機器で録画しているのだろうか。「ブルーレイディスク(BD)レコーダー」が40.5%と最も高く、2位は「PC」で39.9%だった。次いで「DVDレコーダー」の27.7%、「HDD内蔵の録画テレビ」の24.7%と続いた。
ただ、録画に対しては軒並み不満や困ったことを抱えているようだ。1位は「見たい番組が重なって録画できない」で51.2%、2位は同率で「見たい番組・話題の番組を録り逃した」「容量が不足していて録画できない」で、26.8%だった。
見たい、気になる番組を全部録る 注目の録画機、全録レコーダー
見たい番組が重なって録画できない、気になる番組を録り逃してしまった、録画予約が面倒……。こんな不満を解消する録画機として、いま「全録レコーダー」が注目されている。アンケートの結果では62.5%が「知っている」と答え、33.8%が「使ってみたい」と回答した。持っている人はまだ2.1%と少ないが、この便利さは1回使うとやみつきになるようだ。
「全録レコーダー」とは、設定したチャンネルの番組を24時間自動で録り続ける機能を備えたレコーダーだ。いちいち番組ごとに録画予約をする必要がなく、何もしなくても放送中の番組をすべて録画してくれる。つまり、予約をすることなく、自分の好きな時間に放送終了後の番組を視聴できるのだ。また、自動で録画している番組は一定期間HDDなどに保存した後、自動的に消去されるので、見ない番組をずっと保存しておくことはない。
ふだん、暇なときに視聴しようとレコーダーに大量に番組を録画しておいても、忙しくて番組を視聴できず、見ていない番組でHDDがいっぱいになることはないだろうか。また、ニュースなどできたら見たいと思っていても、帰宅した時間帯にニュース番組がやっていないということも多い。この全録レコーダーなら、帰ってきたらいつでも最新のニュースが楽しめるというのが大変便利だ。
全録レコーダーといえば、これまでは企業向けや一部マニア向けの高単価モデルがほとんどだった。例えば、4TBのHDDを備え、地上デジタル放送8チャンネルを1週間分蓄積するPTPの「地デジ版SPIDER PRO」は、約80万円もするが、最近は一般向けのモデルが登場している。
PTPの「地デジ版SPIDER PRO」
2011年12月には、東芝のREGZA サーバー「DBR-M190」「DBR-M180」と日本デジタル家電の「ハイビジョン・ロクラクIII Zeta」が登場した。「DBR-M190」は、最大6チャンネルを15日間、「DBR-M180」は最大6チャンネルを8日間の番組を保存できる。一方、「ハイビジョン・ロクラクIII Zeta」は、最大8チャンネルを同時に録画する。2012年3月には、バッファローが、最大8チャンネルを8日間録画する「DVR-Z8」を発売した。
上は東芝の「DBR-M190」、下段は左から日本デジタル家電の「ハイビジョン・ロクラクIII Zeta」、バッファローの「DVR-Z8」
価格は、計5TBのHDDを内蔵する「DBR-M190」が15万円前後、2.5TBのHDDを内蔵する「DBR-M180」が10万円前後、2TBのHDDを内蔵する「ハイビジョン・ロクラクIII Zeta」が14万8000円、2TBのHDDを内蔵する「DVR-Z8」が7万円前後とかなりこなれてきた。さらに今年度末には番組検索機能がすぐれた「スパイダー・ゼロワン(仮)」が発売する。
では、どの機種を選んだらいいのだろうか。視聴スタイルに合わせたオススメを紹介しよう。シンプルに地上デジタル放送だけを録画したいならバッファローの「DVR-Z8」や日本デジタル家電の「ハイビジョン・ロクラクIII Zeta」がおすすめ。8チャンネル分を録画してくれることもあり、首都圏在住の人でも全チャンネルが録画できる。
一方、BDレコーダーとしても使いたいなら東芝の「DBR-M190/M180」がおすすめだ。BDドライブを備え、全録してある番組のうち、気に入ったものはBDディスクへダビングできる。「タイムシフトマシン」用の地デジ6チューナーとは別に地上/BS/CSデジタルチューナーを2基備え、BS/CSの録画にも対応する。つまり、6チャンネルを常時録画しながら、興味のある2番組を同時に録画することができるのだ。
全録レコーダーの登場で時間を遡っての視聴生活が実現
レコーダーは、VHSレコーダー、アナログチューナーを搭載したDVD/HDDレコーダー、デジタルチューナーを搭載したBD/HDDレコーダーと移り変わり、そしてすべてのチャンネルを録画する全録レコーダーが登場した。全録レコーダーの出現によって、録画ライフはどのように変化していくのだろうか。
道越一郎アナリスト |
「しかし、BDレコーダーが見つけ出した番組でも、番組情報だけではおもしろいのか、自分の見たい番組なのか、判断しにくい。プログラムの内容を判断できないと、せっかくの番組を見逃してしまうこともある。特に判断できない番組がニュースやスポーツだ。例えば、もうじき始まるオリンピックは、予選の段階でメダルを獲得する選手が予想できないため、あらかじめ録画予約をしておくことができない。選手の活躍を見逃してしまうこともある。これに対して、全録レコーダーはすべての番組を録画して保存しておくので、突然注目された選手の予選の様子を遡って見ることができる。全録レコーダーは、スポーツなどの予想できない番組を逃さず見るのに最適な機器だ。さらに、新番組も含めてすべて録画してくれるので、新しい番組との遭遇もある」とする。
これから放送する番組だけではなく、放送終了後に知った番組も録画して保存する全録レコーダーは、使う人と番組をより結びつけてくれる機器といえそうだ。(BCN・山下彰子)