サポート満足度98%! 富士通「らくらくパソコン専用電話相談窓口」に行ってきた
富士通の個人向けPC「FMV」には、インターネットによる「AzbyClub サポート」や電話相談の「Azbyテクニカルセンター」、24時間受付で有料の「PCコンシェルジュサービス 」などがある。しかし、シニア向けPCとして2008年から販売している「らくらくパソコン」には、これらのサポートとは別に、専用のコールセンターを用意している。それは、画面タッチや専用キーボード・マウスによる「ハードウェアとソフト」だけでなく、専用ホームページによる「サービス」や、専任スタッフによるサポートを三位一体で提供することを商品コンセプトとしているからだ。今回は、富士通が報道関係者に初公開した「らくらくパソコン専用電話相談窓口」の取り組みをレポートする。
「らくらくパソコン」は、60歳以上をメインターゲットとした初心者向けのPC。母音などの頻繁に使用するキーに色をつけたわかりやすいキーボードや、左クリックと右クリックが色や感触で区別できるマウスなどによって操作がしやすい「ハードウェアとソフト」、専用ホームページによる「サービス」、そして専用電話相談窓口による「サポート」で、シニアユーザーのPCライフを支援している。
「らくらくパソコン」専用のコールセンター「らくらくパソコン専用電話相談窓口」は、08年11月の初代「らくらくパソコン」発売以降、子会社の富士通コミュニケーションサービスの新川崎サポートセンター(神奈川県)で運営していたが、10年2月に富士通コミュニケーションサービスの新潟サポートセンターに移管。160人のスタッフが、「らくらくパソコン」専用のサポート、「ESPRIMO」や「LIFEBOOK」などの個人向けモデル「FMV」のサポートなどを担当している。今回は、ガラス越しの見学スペースが完成したことなどで個人情報保護の設備が整ったことから、報道関係者に初めて公開した。
見学会の開催にあたって、富士通コンタクトセンター統括部の佐藤俊彦部長は、「日本の人口の3割は60歳以上だが、それらの人々のPC利用率は他の年代よりも低い。ということはPCの潜在需要があるということだ」と、「らくらくパソコン」のターゲットを説明。「60歳以上の方々には、PCを使ってみたいが敷居が高いと感じている人が多い。シニア層の不安を解決することが『らくらくパソコン』のミッション」として、専用窓口が商品の付加価値として重要な位置づけになると強調した。
実際に、「らくらくパソコン」の専用サポート利用者は、8割が60歳以上。専用窓口は、早口にならないようにゆっくりとした口調で話すことや、ユーザーが不安に感じないように「おもてなし(ホスピタリティ)の心をもって対応することを心がけている」という。また、専用窓口への電話は、ガイダンスによる番号選択に抵抗を持つシニア層に配慮し、スタッフに直接つながる仕組みになっている。操作方法を案内する際には、例えば、PC操作に慣れていると無意識のうちに口にする「ドラッグ」は、「マウスの左側の紫色のボタンを抑えたまま、なぞってください」といったように伝え、「スクロール」は「画面を上げる」と言い替えるなど、ユーザーに不安や不快なイメージを与えないように注意を払っているそうだ。ときにはプリンタの設定方法や旅行の予約方法、宿泊先の検索や予約に関する操作を案内することもあるという。
ユーザーのPC操作スキル向上のために、基本的にはスタッフによる操作の代行はしていない。お客さまのPC画面をサポートスタッフが操作する「リモートサポート」について、佐藤部長は「操作を代行すれば、その場の対応時間は短縮できるが、長期的にみるとユーザーもサポートスタッフもハッピーにはならない」という。ユーザーは、PCを操作することでその操作を覚える。そして、スタッフはお手伝い役に徹する。ひと通りの手順を案内した後は、もう一度おさらいする。そうすることが、ユーザーのスキルアップと専用窓口の効率化につながっているのだ。
実際に、サポートのクオリティは、社内調査や第三者機関の審査結果が示している。「らくらくパソコン専用電話相談窓口」は、社内の品質管理チームが実施したスタッフのモニタリングと、対応終了後1時間以内の電話アンケート調査では、「非常に満足」が79.4%、「満足」が18.7%で、合計98.1%が満足という結果を得た。さらに、富士通コミュニケーションサービス新潟サポートセンターの吉田一成センター長は、世界最大のサポートサービス業界国際機関であるヘルプデスク協会の「サポートセンター国際認定」で国内最高レベルを取得したことについて、「日本一のサポートセンターという称号をもらった」と自信を示した。
見学会では、現場のスタッフ宛てに寄せられたユーザーの声を紹介。「PC教室は一対一で教えてもらえることはなかなかないので、わかりやすかった」「他メーカーの開発部門に娘婿が勤めているが、PCの操作を聞いても冷たい。らくらくサポートのスタッフはていねいに教えてくれた」といったように、「お客さまの温かい心に支えられている」(専任スタッフ)ことが、サポートクオリティの向上につながっているそうだ。スタッフによると、「息子の嫁に」「娘の婿に」といったほほえましい声もあったという。
専用窓口のクオリティを支えるのは「人」。「良質なサービスを提供するために、人を単なる労働力ではなくて『宝』として育成している」と、吉田センター長は明かす。新潟サポートセンターでは、「従業員満足なくして顧客満足なし」を掲げ、地域貢献活動や社内イベントなどの取り組みでコミュニケーションを図っている。チームワークの向上は欠勤率や離職率の低下につながり、結果として安定したスタッフによる安定した運営を行っているのだ。
「らくらくパソコン」は、佐藤部長が「お客さまに買っていただくことがゴールではない。買っていただいたときが始まり」というように、サポートが重要なポイントとなる商品。このコンセプトの下に商品を展開するなかで、「満足度98%は驚異的な数字」(佐藤部長)といえるだろう。富士通パーソナルマーケティング統括部の平野和敏コンシューマセールスプロモーションG部長は、「販売台数は、2008年の発売以降、09年、10年と前年の倍で推移しているが、まだまだ満足していない。今後は、ケタを増やすことを目指す」という。サポートクオリティを前面に打ち出していくことで、販売拡大を図っていく。(BCN・田沢理恵)
「らくらくパソコン」は、60歳以上をメインターゲットとした初心者向けのPC。母音などの頻繁に使用するキーに色をつけたわかりやすいキーボードや、左クリックと右クリックが色や感触で区別できるマウスなどによって操作がしやすい「ハードウェアとソフト」、専用ホームページによる「サービス」、そして専用電話相談窓口による「サポート」で、シニアユーザーのPCライフを支援している。
富士通コミュニケーションサービス新潟サポートセンター
「らくらくパソコン」専用のコールセンター「らくらくパソコン専用電話相談窓口」は、08年11月の初代「らくらくパソコン」発売以降、子会社の富士通コミュニケーションサービスの新川崎サポートセンター(神奈川県)で運営していたが、10年2月に富士通コミュニケーションサービスの新潟サポートセンターに移管。160人のスタッフが、「らくらくパソコン」専用のサポート、「ESPRIMO」や「LIFEBOOK」などの個人向けモデル「FMV」のサポートなどを担当している。今回は、ガラス越しの見学スペースが完成したことなどで個人情報保護の設備が整ったことから、報道関係者に初めて公開した。
見学会の開催にあたって、富士通コンタクトセンター統括部の佐藤俊彦部長は、「日本の人口の3割は60歳以上だが、それらの人々のPC利用率は他の年代よりも低い。ということはPCの潜在需要があるということだ」と、「らくらくパソコン」のターゲットを説明。「60歳以上の方々には、PCを使ってみたいが敷居が高いと感じている人が多い。シニア層の不安を解決することが『らくらくパソコン』のミッション」として、専用窓口が商品の付加価値として重要な位置づけになると強調した。
富士通コンタクトセンター統括部の佐藤俊彦部長
実際に、「らくらくパソコン」の専用サポート利用者は、8割が60歳以上。専用窓口は、早口にならないようにゆっくりとした口調で話すことや、ユーザーが不安に感じないように「おもてなし(ホスピタリティ)の心をもって対応することを心がけている」という。また、専用窓口への電話は、ガイダンスによる番号選択に抵抗を持つシニア層に配慮し、スタッフに直接つながる仕組みになっている。操作方法を案内する際には、例えば、PC操作に慣れていると無意識のうちに口にする「ドラッグ」は、「マウスの左側の紫色のボタンを抑えたまま、なぞってください」といったように伝え、「スクロール」は「画面を上げる」と言い替えるなど、ユーザーに不安や不快なイメージを与えないように注意を払っているそうだ。ときにはプリンタの設定方法や旅行の予約方法、宿泊先の検索や予約に関する操作を案内することもあるという。
ノートPC「らくらくパソコン4 AHシリーズ」
ユーザーのPC操作スキル向上のために、基本的にはスタッフによる操作の代行はしていない。お客さまのPC画面をサポートスタッフが操作する「リモートサポート」について、佐藤部長は「操作を代行すれば、その場の対応時間は短縮できるが、長期的にみるとユーザーもサポートスタッフもハッピーにはならない」という。ユーザーは、PCを操作することでその操作を覚える。そして、スタッフはお手伝い役に徹する。ひと通りの手順を案内した後は、もう一度おさらいする。そうすることが、ユーザーのスキルアップと専用窓口の効率化につながっているのだ。
ヘルプデスク協会の「サポートセンター国際認定」で国内最高レベルを取得
実際に、サポートのクオリティは、社内調査や第三者機関の審査結果が示している。「らくらくパソコン専用電話相談窓口」は、社内の品質管理チームが実施したスタッフのモニタリングと、対応終了後1時間以内の電話アンケート調査では、「非常に満足」が79.4%、「満足」が18.7%で、合計98.1%が満足という結果を得た。さらに、富士通コミュニケーションサービス新潟サポートセンターの吉田一成センター長は、世界最大のサポートサービス業界国際機関であるヘルプデスク協会の「サポートセンター国際認定」で国内最高レベルを取得したことについて、「日本一のサポートセンターという称号をもらった」と自信を示した。
富士通コミュニケーションサービス新潟サポートセンターの吉田一成センター長
見学会では、現場のスタッフ宛てに寄せられたユーザーの声を紹介。「PC教室は一対一で教えてもらえることはなかなかないので、わかりやすかった」「他メーカーの開発部門に娘婿が勤めているが、PCの操作を聞いても冷たい。らくらくサポートのスタッフはていねいに教えてくれた」といったように、「お客さまの温かい心に支えられている」(専任スタッフ)ことが、サポートクオリティの向上につながっているそうだ。スタッフによると、「息子の嫁に」「娘の婿に」といったほほえましい声もあったという。
リフレッシュスペースには、丸テーブルやカウンター、畳のコーナーを設置。スタッフが自由なスタイルでリラックスできる
専用窓口のクオリティを支えるのは「人」。「良質なサービスを提供するために、人を単なる労働力ではなくて『宝』として育成している」と、吉田センター長は明かす。新潟サポートセンターでは、「従業員満足なくして顧客満足なし」を掲げ、地域貢献活動や社内イベントなどの取り組みでコミュニケーションを図っている。チームワークの向上は欠勤率や離職率の低下につながり、結果として安定したスタッフによる安定した運営を行っているのだ。
シニア向け携帯電話「らくらくホン」との連携に関する質問にも対応する
「らくらくパソコン」は、佐藤部長が「お客さまに買っていただくことがゴールではない。買っていただいたときが始まり」というように、サポートが重要なポイントとなる商品。このコンセプトの下に商品を展開するなかで、「満足度98%は驚異的な数字」(佐藤部長)といえるだろう。富士通パーソナルマーケティング統括部の平野和敏コンシューマセールスプロモーションG部長は、「販売台数は、2008年の発売以降、09年、10年と前年の倍で推移しているが、まだまだ満足していない。今後は、ケタを増やすことを目指す」という。サポートクオリティを前面に打ち出していくことで、販売拡大を図っていく。(BCN・田沢理恵)