2012年の注目製品はコレだ<白物家電編>──「節電」「時短」を実現する夢の家電
日々の家事に欠かせない生活家電。長期間使えるものは使ってほしいが、一方で古くなった製品を買い替えたり、買い増したりすることで、毎日の生活はより快適になり、もちろん省エネにも大きく貢献する。2012年に注目すべき製品は、LEDシーリングライト、ロボット掃除機、ドラム式洗濯乾燥機、大型冷蔵庫――。節電・時短をテーマに家事を効率化したいなら、チェックしておきたい。
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・2012年の注目製品はコレだ<デジタル編1>──ネット接続は多様化の時代へ
・2012年の注目製品はコレだ<デジタル編2>──日常生活に溶け込むデジタルデバイス
節電アイテムの代表格、LED照明。白熱電球からLED電球への買い替えに加え、蛍光灯のシーリングライトをLEDにする家庭が多くなっている。
LEDシーリングライトは、シャープ、東芝、パナソニック、日立、NECなど大手メーカーの製品が続々と登場し、家電量販店の売り場スペースは拡大している。対応する部屋のサイズや調光・調色機能の有無などのスペックで違うが、店頭の価格は、2万5000円前後~8万円前後が中心。蛍光灯と違うのは、省エネ効果が高いことに加え、暖色系と寒色系に光の色が切り替えられる調色対応モデルがあること。調色モデルは、蛍光灯のようにランプの種類を変えなくても、食事のときには温かみのある電球色に、テレビ視聴や読書をする時には昼白色や昼光色といったように、一灯で温かみのある暖色系の光とさわやかな寒色系の光を自在に切り替えることができる。
また、LEDは虫が好む光の波長をほとんど出さないという特性があり、蛍光灯のシーリングライトのように、カバーのなかに虫の死骸が溜まって不快な思いすることはほとんどない。省エネというだけでなく、雰囲気や気分に合わせて光の色や明るさを変える機能は、新しい価値を提供する。リビングや個室などでシーリングライトを使っている家庭は多く、これからは順次LED化が進むだろう。
掃除機の新カテゴリとして注目を集めるロボット掃除機。日本市場では、2004年からセールス・オンデマンドが販売を始めた米アイロボットの「ルンバ」が先行している。ルンバの販売台数は年々拡大し、10年度は前年比237%と急速に成長している。昨年10月には、東芝が「Smarbo(スマーボ)」を発売。掃除機売り場で動き回る姿が定着してきた「ルンバ」や、国内大手家電メーカーの「Smarbo」によって、ロボット掃除機市場は、ますます活気づきそうだ。
「ルンバ」は、6万円台半ばから8万円弱の3モデル、「Smarbo」は実勢価格9万円前後といったように、まだまだ気軽に購入できるような価格ではないが、それだけの付加価値はある。専業、共働きにかかわらず、主婦なら今まで床掃除にかけていた時間を別のことに使えるということは大きなメリットだ。
共働き世帯なら、仕事に行っている間にも床掃除ができるし、赤ちゃんや小さい子どもがいる家庭なら、買い物やお散歩などで外出している間にロボット掃除機で掃除をしてしまえば、昼寝中の子どもが目を覚まして困ることもない。狭い隙間など細かい部分はキャニスター型掃除機を使うとして、ロボット掃除機に床掃除を任せば、効率的に掃除ができるというわけだ。将来は、ロボット掃除機は一家の2台目の掃除機として受け入れられるようになっていくだろう。
洗濯機や冷蔵庫は、日々の生活に欠かせない電化製品だ。高価でサイズが大きいので、そうそう買い替えるものではないが、魅力的な製品が増えているので、きっかけがなくても買い替えたくなる。
パナソニックが昨年4月に発売したドラム式洗濯乾燥機「プチドラム」は、同社の計画の約1.2倍売れるなど人気を集めた。洗濯容量9kg/乾燥6kgのレギュラーサイズに比べて小ぶりの洗濯6kg/乾燥3kgなので、設置スペースに限りがある集合住宅に住む人や、単身や夫婦2人の少人数世帯などに支持された。
洗濯乾燥機なら、洗濯物を入れて洗濯~乾燥コースにセットしておけば、自動で乾燥までが終わる。タオルなどの縮みやしわが気にならない洗濯物なら、外出前にセットして、帰宅したときには乾いているので、仕事などで自宅にいる時間が短い人には便利な製品だ。天日干し派の人でも、雨や花粉で外に洗濯物が干せないときの味方になる。関心が高まっている製品なので、売り場展開に力を入れる家電量販店が増えている。
一方、冷蔵庫は年々省エネ性能が高まっているので、5年前以上のモデルを使っているなら、買い替えるだけで電気代を抑えることができるというメリットがある。さらに、使い方によっては時短にも貢献する。
冷蔵庫は、容量500L前後の大型の最新モデルのほうが、小型サイズよりも消費電力量が少ないケースが多い。思い切って最新の大型サイズを選べば、電気代が半分程度になるかもしれない。冷蔵庫がサイズアップすれば、余裕があるときに料理をたくさんつくってストックしたり、野菜をゆでて冷凍しておいたり、意外と傷みやすい米を冷蔵庫に収納したりなど、食材を有効活用できてムダが減る。ネットスーパーで食材をまとめ買いすれば、買い物で外出する手間も省けてしまう。
今ある古い家電を買い替えたり、買い増ししたりすれば、節電ができたり、家事を効率化して空いた時間を他のことに使うことができる。より快適で充実した毎日を送るための一助になるだろう。(BCN・田沢理恵)
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・2012年の注目製品はコレだ<デジタル編1>──ネット接続は多様化の時代へ
・2012年の注目製品はコレだ<デジタル編2>──日常生活に溶け込むデジタルデバイス
<LEDシーリングライト>光の色を暖色系や寒色系に、蛍光灯ではできなかった新しいスタイルも
節電アイテムの代表格、LED照明。白熱電球からLED電球への買い替えに加え、蛍光灯のシーリングライトをLEDにする家庭が多くなっている。
シャープ「DL-C603V」(左)とパナソニック「HH-LC730A」。光の色や明るさが調節できる
LEDシーリングライトは、シャープ、東芝、パナソニック、日立、NECなど大手メーカーの製品が続々と登場し、家電量販店の売り場スペースは拡大している。対応する部屋のサイズや調光・調色機能の有無などのスペックで違うが、店頭の価格は、2万5000円前後~8万円前後が中心。蛍光灯と違うのは、省エネ効果が高いことに加え、暖色系と寒色系に光の色が切り替えられる調色対応モデルがあること。調色モデルは、蛍光灯のようにランプの種類を変えなくても、食事のときには温かみのある電球色に、テレビ視聴や読書をする時には昼白色や昼光色といったように、一灯で温かみのある暖色系の光とさわやかな寒色系の光を自在に切り替えることができる。
東芝ライテック「LEDH95004YX-LC」は、リモコンの「カラー」ボタンを押すと、青、青緑、緑、黄色、橙、赤、紫の順に色が変化する
また、LEDは虫が好む光の波長をほとんど出さないという特性があり、蛍光灯のシーリングライトのように、カバーのなかに虫の死骸が溜まって不快な思いすることはほとんどない。省エネというだけでなく、雰囲気や気分に合わせて光の色や明るさを変える機能は、新しい価値を提供する。リビングや個室などでシーリングライトを使っている家庭は多く、これからは順次LED化が進むだろう。
<ロボット掃除機>床掃除はロボットに任せて時間を有効活用、一家の2台目に
掃除機の新カテゴリとして注目を集めるロボット掃除機。日本市場では、2004年からセールス・オンデマンドが販売を始めた米アイロボットの「ルンバ」が先行している。ルンバの販売台数は年々拡大し、10年度は前年比237%と急速に成長している。昨年10月には、東芝が「Smarbo(スマーボ)」を発売。掃除機売り場で動き回る姿が定着してきた「ルンバ」や、国内大手家電メーカーの「Smarbo」によって、ロボット掃除機市場は、ますます活気づきそうだ。
「ルンバ」は、6万円台半ばから8万円弱の3モデル、「Smarbo」は実勢価格9万円前後といったように、まだまだ気軽に購入できるような価格ではないが、それだけの付加価値はある。専業、共働きにかかわらず、主婦なら今まで床掃除にかけていた時間を別のことに使えるということは大きなメリットだ。
米アイロボットのルンバ「ルンバ780」(左)と東芝ホームアプライアンス「スマーボ」
共働き世帯なら、仕事に行っている間にも床掃除ができるし、赤ちゃんや小さい子どもがいる家庭なら、買い物やお散歩などで外出している間にロボット掃除機で掃除をしてしまえば、昼寝中の子どもが目を覚まして困ることもない。狭い隙間など細かい部分はキャニスター型掃除機を使うとして、ロボット掃除機に床掃除を任せば、効率的に掃除ができるというわけだ。将来は、ロボット掃除機は一家の2台目の掃除機として受け入れられるようになっていくだろう。
<ドラム式洗濯乾燥機&大型冷凍冷蔵庫>洗濯乾燥機は花粉対策にも有効、大型冷蔵庫はネットスーパー活用で時短に貢献
洗濯機や冷蔵庫は、日々の生活に欠かせない電化製品だ。高価でサイズが大きいので、そうそう買い替えるものではないが、魅力的な製品が増えているので、きっかけがなくても買い替えたくなる。
パナソニックが昨年4月に発売したドラム式洗濯乾燥機「プチドラム」は、同社の計画の約1.2倍売れるなど人気を集めた。洗濯容量9kg/乾燥6kgのレギュラーサイズに比べて小ぶりの洗濯6kg/乾燥3kgなので、設置スペースに限りがある集合住宅に住む人や、単身や夫婦2人の少人数世帯などに支持された。
パナソニックのプチドラム「NA-VD110L」(左)は単身や少人数世帯などに人気。東芝ホームアプライアンス「TW-Z9200L」は、ジーンズやバスマットなどを1枚だけで洗ったときに時間通りに洗濯が終了しないことがあるというドラム式の弱点を解消
洗濯乾燥機なら、洗濯物を入れて洗濯~乾燥コースにセットしておけば、自動で乾燥までが終わる。タオルなどの縮みやしわが気にならない洗濯物なら、外出前にセットして、帰宅したときには乾いているので、仕事などで自宅にいる時間が短い人には便利な製品だ。天日干し派の人でも、雨や花粉で外に洗濯物が干せないときの味方になる。関心が高まっている製品なので、売り場展開に力を入れる家電量販店が増えている。
一方、冷蔵庫は年々省エネ性能が高まっているので、5年前以上のモデルを使っているなら、買い替えるだけで電気代を抑えることができるというメリットがある。さらに、使い方によっては時短にも貢献する。
日立アプライアンスの670L「R-B6700」は業界最大サイズ
冷蔵庫は、容量500L前後の大型の最新モデルのほうが、小型サイズよりも消費電力量が少ないケースが多い。思い切って最新の大型サイズを選べば、電気代が半分程度になるかもしれない。冷蔵庫がサイズアップすれば、余裕があるときに料理をたくさんつくってストックしたり、野菜をゆでて冷凍しておいたり、意外と傷みやすい米を冷蔵庫に収納したりなど、食材を有効活用できてムダが減る。ネットスーパーで食材をまとめ買いすれば、買い物で外出する手間も省けてしまう。
三菱電機「RXシリーズ」。右上の肉は、マイナス7度で冷凍した食材を凍ったまま簡単に包丁で切って解凍せずに調理できる(下は普通に冷凍した肉)
今ある古い家電を買い替えたり、買い増ししたりすれば、節電ができたり、家事を効率化して空いた時間を他のことに使うことができる。より快適で充実した毎日を送るための一助になるだろう。(BCN・田沢理恵)