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同じ「iPhone 4S」、ドコが違うの? <1>海外旅行でのびのび使えるSB版

特集

2011/12/01 18:25

 10月14日発売のアップルの最新スマートフォン「iPhone 4S」は、国内ではソフトバンクモバイルとKDDIの2社が販売している。既報の通り、売れ行きは好調だ。ただ、同じ「iPhone 4S」といっても、下り/上りの最大通信速度、利用できる機能、メール関連の仕様(受信間隔や絵文字など)、端末の販売価格、料金プランなど、公衆無線LANサービスのWi-Fiスポット数など、異なる要素は多く、ある意味“別モノ”といえなくもない。製品そのものは同じでも、ユーザーの使い方によってはキャリア間で使い心地が同じではないゆえに、どちらを選んだほうがいいのか、「キャリア比較」に注目が集まるのは当然だろう。このシリーズでは、「iPhone 4S」のソフトバンクモバイル(SB)版とKDDI(au)版のいくつかの「違い」をみていきたい。第1回は、恐縮だが私自身の経験をもとに話を進めていきたい。キーワードは「海外旅行」だ。

海外でもそのまま使えるiPhone 4S

海外でデータ通信するなら「海外向けパケット定額サービス」は必須



 昨年夏、プライベートで海外旅行に行った際、始まったばかりのソフトバンクモバイルの海外向けパケット定額サービス「海外パケットし放題」を、試しに手持ちのiPad Wi-Fi + 3Gモデルで利用した。iPadとiPhoneは同じiOSを搭載しており、設定方法は同じだ。事前の申し込みは必要なく、海外でもそのまま使える国際ローミング対応機種で、国内でパケット定額プランを契約しているなど、所定の対象条件を満たしている場合に、定額対象事業者(キャリア)に接続すれば、自動的に適用される。国際ローミング中、通常は「SoftBank」などとキャリア名が表示されている端末の左上の部分に、対象事業者名が表示されていればOK。万が一、対象外の事業者名が表示されていたら、設定画面から、手動で切り替えればいい。

国内での表示(左)、フランスで国際ローミングで接続した際の表示(右)

 事前に、利用金額が設定額を超えた場合にメールで知らせてくれる「一定額お知らせメール」を設定していなかったので、本当に適用されているのか心配だったが、日本時間に合わせて24時間使って、「海外パケットし放題」の1日あたりの最大料金1480円(キャンペーン適用価格、現在の料金体系だと2980円)だった。明細書によると、「海外パケットし放題」対象パケットの本来の請求額は9万8254円。正規料金と比べると、いかにおトクかわかるだろう。海外でデータ通信するなら、海外向けパケット定額サービスは必須といえる。

au版「iPhone 4S」は設定項目に「キャリア」がない



 「海外向けパケット定額サービス」は、昨年7月、ソフトバンクモバイルが導入し、他の携帯電話会社も追従した。ソフトバンクモバイルが販売するiPhoneやiPadのWi-Fi +3Gモデルの設定画面には、「キャリア」という項目があり、国際ローミング時は、デフォルト設定の「自動」をオフにし、手動で通信事業者(キャリア)を選択することができる。

左から、「iPhone 4S」のSB版、au版の設定画面

 しかし、au版「iPhone 4S」には、現段階ではこの項目がなく、国際ローミングをする場合には、自動で通信事業者に接続される。通常、「KDDI」の表示がある左上の部分に、CDMAでローミングした場合は「Roaming(ローミング)」、GSMとW-CDMAについては、接続したキャリア名が表示される。設定画面から、接続する「キャリア」を手動で選択できない点に加え、CDMAでのローミング時にキャリア名を確認できず、auの海外向けパケット定額サービス「海外ダブル定額」の対象事業者に接続しているのかどうか、わからない。

 「海外ダブル定額」が適用されないと、国際ローミング時のパケット代金は従量課金となり、先述した本来の請求額のように、使用量によっては高額になりかねない。国際ローミングによるデータ通信に、それほど費用がかかるなら、現地の有料・無料の公衆無線LANサービスを利用する、そもそも海外ではデータ通信はしない(「モバイルデータ通信」の設定をオフにする)など、国際ローミング以外の別の手段を講じたほうがいい。

 KDDIの広報によると、au版「iPhone 4S」の「国際ローミング中のキャリア選択」については、何らかの方法で、今後、対応するという。auの他の携帯電話・スマートフォンと同様、安心して海外向けパケット定額サービスを使えるよう、一刻も早い改善が望まれるところだ。

 iPhoneに限らず、一台でいろいろできるスマートフォンは、海外旅行と相性がいい。海外にいながら日本の最新ニュースをチェックしたり、撮った写真をリアルタイムにブログやSNSに投稿したり、ナビアプリを利用して観光したりと、さまざまな用途で活用できる。「iPhone 4S」の購入を検討中で、最初から国内でしか使用しないつもりなら、「国際ローミング」に関する現状のソフトバンクモバイル版、au版の仕様の違いは気にしなくていい。ただ、海外でも確実に利用する機会がある人、今後利用してみたいと思っている人は、頭に入れておこう。(BCN・嵯峨野 芙美)

※シリーズ第2回<絵文字とメール>を2011年12月29日に掲載しました。また、「iPhone 4S」の売れ行きに関しては、下記記事にて紹介しています。

・「iPhone 4S」キャリア別シェアの差が拡大、ソフトバンクモバイルが優勢に
・2011年10月のキャリア別携帯電話ランキング、auとソフトバンクは「iPhone 4S」に人気集中
・スマートフォンが携帯電話の月間販売台数の7割に、「iPhone 4S」効果で占有率が上昇
・<続報>「iPhone 4S」キャリア対決、発売2週目はauがシェア59.5%でソフトバンクを引き離す
・「iPhone 4S」キャリア対決、ソフトバンク51.7%、au48.3%でほぼ互角のスタート

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