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<KeyPerson>カインズ土屋社長、出店形態を多様化させ、新たなニーズを開発へ

インタビュー

2016/10/28 12:00

 「ホームセンターは日本中どこにでもある」と話すカインズの土屋裕雅社長。全国各地で激しい競争が繰り広げられるなか、次の一手で考えているのが出店形態の多様化だ。テーマやライフスタイルを軸に、ホームセンターのイメージの一新を狙う。(取材・文/廣瀬 秀平 写真/川嶋 久人)

・前半の<製造小売りで成長継続>はこちら

――出店に対するお考えを教えてください。

土屋 今春、九州に初進出したくらいなので、まだ進出していない県も多いです。出店できる場所はたくさんありますが、ホームセンターは日本中どこにでもあるので、ホームセンターが初めて出店するというエリアはありません。

 だからこそ、自社でオリジナル商品を開発してほかにない売り場をつくったり、お客さんに受け入れられる売り方をしたりすることが、より重要になると思っています。

 「ほかとの競争を何とかする」というよりも、いかにお客さんに受け入れられるかを考える方が大事です。新しいエリアへの進出もありますが、今年は小さな店舗に商品をかなり詰め込んだり、駅の隣に出店したりと、出店形態を多様化させた新たなニーズの開発に取り組んでいます。
 

出店や売り場づくりに関する考えを語るカインズの土屋裕雅社長

――売り場づくりについてはいかがですか。

土屋 商品を軸にするというより、テーマやライフスタイルを軸にしていこうと思っています。カフェを導入したり、緑のある売り場にしたりといった内容ですね。ホームセンターというと、男っぽいというか、さっぱりとしたイメージがありますが、もう少しほっとする場所があってもいいと考えています。

 実際の取り組みとしては、売り場で燻製をして匂いを演出したり、お客さんに味の違いを比べてもらいました。ただ、コト売りというと、何を売っているかよく分からなくなることもあります。あくまで物を買うことの楽しさを提案することが大事ですね。

・<「対抗」より「対応」、カインズのネット戦略>に続く