<質問に答えて診断!>録画テレビ/レコーダー どのタイプがおススメ?
内蔵HDDや外付けHDD、ブルーレイディスク(BD)にテレビ番組を録画できる「録画テレビ」が伸びている。録画テレビは、今後、従来のレコーダーと並んで録画機器のメインストリームになりそうな感じだ。
「BCNランキング」によると、2010年9月に販売された地上デジタル放送(地デジ)対応の薄型テレビ(液晶+プラズマ)に占める録画対応モデルの構成比は30.1%となり、初めて3割を突破。10月も31.9%に達し、着実に伸びている。
タイプ別の内訳を見ると、10月は、USBやLANで接続した外付けHDDに録画する「“録画もできる”テレビ」が45.0%で最も多く、次いで、内蔵HDDに記録する「HDD内蔵テレビ」が21.9%で多かった。以下、BDレコーダー内蔵モデルが14.9%、HDDとBDレコーダーの両方を内蔵したモデルが9.6%、リムーバブルHDD「iVDR」搭載モデルが8.6%となっている。
市販の外付けHDDを接続しないと録画できない「外付けHDD対応」タイプを除外すると、録画テレビの構成比は、2010年9月は全体の16.1%、10月は17.5%まで下がる。それでも2割近くが録画テレビを選んでいることから、テレビ単体でデジタル放送を録画するスタイルが広まりつつあるといえるだろう。
「ダビング10」をはじめとするデジタル放送のコピー制限に不便さを感じつつも、ドラマやアニメ、スポーツ番組などのマニアにとって、好きな時に好きな番組を見られる「レコーダー」は必需品。筆者もその一人だ。
目下の悩みは、HDDの容量不足。日々、HDDが足りないと嘆き、空のBDメディアに番組をダビングしてHDD内のデータを消したり、やむなく録画自体を諦めたり、とにかくHDDが足りないのだ。実際にはHDDの容量ではなく、録画した番組を見る「時間」が足りないのだが――。
外付けHDDに録画できる録画テレビとテレビチューナー搭載パソコンは、BD/DVDレコーダーユーザーの多くが悩んでいると思われる「HDD不足」という問題を、HDDを買い足すことで簡単に解決できる。一部の機種を除き、HDDの増設ができないレコーダーと比較した場合の最大のメリットだ。
前置きが長くなってしまったが、「録画テレビ」と「レコーダー」、あるいは「録画機能のないテレビ」と「録画機能のあるテレビ」、どちらにしようか悩んでいる人向けに、購入候補の絞り方のポイントをまとめた。過去数年間に計3台のレコーダーを購入した筆者の体験談をもとにしたものなので、一般的なアドバイスとは少し違うかもしれないが、参考にしてもらえるとうれしい。
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テレビとレコーダーを個々に購入するより、録画対応テレビや地デジチューナーを搭載したパソコン(地デジパソコン)を購入したほうが安く、設置スペースを取らずに済む。しかし、ポイント還元のある量販店の場合、テレビ購入時に得たポイントをレコーダーの代金に当てることができるので、一概にどちらが安いとはいえない。価格だけではなく、ライフスタイルや録画の頻度などを考慮し、総合的に判断しよう。
メーカーが同じでも、編集機能や長時間録画モードの画質、外部機器との連携など、録画テレビとレコーダーでは、機能に差がある場合が多い。特に、録画テレビのうち、内蔵HDDや外付けHDDに記録するタイプは、頻繁には録画しないライトユーザー向けだ。
録画した番組を高画質のままメディアに保存したい人は、BDレコーダーかBD対応の地デジパソコンで決まり。ラインアップは少ないものの、HDDとBDレコーダーを内蔵したオールインワンテレビもおススメだ。
かつて主流だったVHSビデオは、テープを使い分けることで家族全員で共有することができた。しかし、一つのHDDに番組をデータを記録していくレコーダーは、管理やプライバシーの面で共有しにくい。
HDDが故障するリスクを考慮すると、大容量HDDを搭載したレコーダー1台より、価格の安いエントリーモデルを1人1台買ったほうが便利かつ安心だ。実体験から、特に録画番組数が多い人には強くおススメしたい。テレビのそばに複数のレコーダーを置くスペースがなければ、外付けHDDやBDに記録するタイプの録画テレビを候補にしよう。ユーザーによって録画先の外付けHDDやメディアを変更できるので、プライバシーを確保できるからだ。
現在のレコーダーの売れ筋は、DVDに加え、BDの再生・記録に対応したHDD内蔵のBDレコーダー。より大容量のデータを記録できるブルーレイの新規格「BDXL」や「Blu-ray 3D」に対応した製品も増えており、「Blu-ray 3D」対応モデルの場合、3D対応テレビと組み合わせれば、立体感のある3D映像を視聴することができる。
録画テレビの場合、BDレコーダー内蔵モデルを除き、BDソフトの再生やBDメディアへのダビングができない。しかし、BDが必要なのは、「録画番組をディスクにダビングして保存したい」人だけ。テレビ番組の録画・視聴という用途に限れば、BDがなくてもまったく問題ない。録画を頻繁にする人でも、ディスクに一切ダビングしないのなら、BDレコーダーを選ぶ必然性はない。
現時点で市販のBDソフトを見るつもりがない、興味がない、という人は、地デジ対応のテレビだけを購入し、将来BDの普及が進み、見たくなった時に、新たにBDレコーダー/プレーヤーや「プレイステーション 3」などのBD対応機器を購入するのがベストだろう。
録画テレビ、レコーダーともに、さまざまなタイプの製品が出回っている。メーカーや機種による機能や操作性の違いも大きい。特にレコーダーについては、従来より設置場所を取らない小型・薄型ボディの新製品の発売が発表されるなど、選択肢が広がってきた。まずはライフスタイルからタイプを決め、次に具体的な機種を絞り込んでいこう。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などのPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
録画テレビは、外付けHDD対応の“録画もできる”モデルが人気
「BCNランキング」によると、2010年9月に販売された地上デジタル放送(地デジ)対応の薄型テレビ(液晶+プラズマ)に占める録画対応モデルの構成比は30.1%となり、初めて3割を突破。10月も31.9%に達し、着実に伸びている。
タイプ別の内訳を見ると、10月は、USBやLANで接続した外付けHDDに録画する「“録画もできる”テレビ」が45.0%で最も多く、次いで、内蔵HDDに記録する「HDD内蔵テレビ」が21.9%で多かった。以下、BDレコーダー内蔵モデルが14.9%、HDDとBDレコーダーの両方を内蔵したモデルが9.6%、リムーバブルHDD「iVDR」搭載モデルが8.6%となっている。
タイプ | 2010年09月 | 2010年10月 |
HDD内蔵 | 17.5% | 21.9% |
HDD・BD内蔵 | 8.1% | 9.6% |
BD内蔵(HDDはなし、または外付けHDD対応) | 19.1% | 14.9% |
iVDR搭載(iVDR/HDD搭載モデルを含む) | 8.9% | 8.6% |
外付けHDD対応 | 46.5% | 45.0% |
薄型テレビ全体に占める録画対応モデルの構成比 | 30.1% | 31.9% |
※すべて地上デジタルチューナーを搭載した薄型テレビ(液晶テレビ+プラズマテレビ)に限って集計
「BCNランキング」2010年9月・10月 月次<最大パネル
市販の外付けHDDを接続しないと録画できない「外付けHDD対応」タイプを除外すると、録画テレビの構成比は、2010年9月は全体の16.1%、10月は17.5%まで下がる。それでも2割近くが録画テレビを選んでいることから、テレビ単体でデジタル放送を録画するスタイルが広まりつつあるといえるだろう。
市販のUSB/LAN HDDに録画できる東芝の液晶テレビ「42Z1」、ソニーのHDD内蔵液晶テレビ「KDL-32BX30H」
「ダビング10」をはじめとするデジタル放送のコピー制限に不便さを感じつつも、ドラマやアニメ、スポーツ番組などのマニアにとって、好きな時に好きな番組を見られる「レコーダー」は必需品。筆者もその一人だ。
目下の悩みは、HDDの容量不足。日々、HDDが足りないと嘆き、空のBDメディアに番組をダビングしてHDD内のデータを消したり、やむなく録画自体を諦めたり、とにかくHDDが足りないのだ。実際にはHDDの容量ではなく、録画した番組を見る「時間」が足りないのだが――。
外付けHDDに録画できる録画テレビとテレビチューナー搭載パソコンは、BD/DVDレコーダーユーザーの多くが悩んでいると思われる「HDD不足」という問題を、HDDを買い足すことで簡単に解決できる。一部の機種を除き、HDDの増設ができないレコーダーと比較した場合の最大のメリットだ。
前置きが長くなってしまったが、「録画テレビ」と「レコーダー」、あるいは「録画機能のないテレビ」と「録画機能のあるテレビ」、どちらにしようか悩んでいる人向けに、購入候補の絞り方のポイントをまとめた。過去数年間に計3台のレコーダーを購入した筆者の体験談をもとにしたものなので、一般的なアドバイスとは少し違うかもしれないが、参考にしてもらえるとうれしい。
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5つの質問に答えるだけ! おススメの録画機器のタイプを診断!
テレビとレコーダーを個々に購入するより、録画対応テレビや地デジチューナーを搭載したパソコン(地デジパソコン)を購入したほうが安く、設置スペースを取らずに済む。しかし、ポイント還元のある量販店の場合、テレビ購入時に得たポイントをレコーダーの代金に当てることができるので、一概にどちらが安いとはいえない。価格だけではなく、ライフスタイルや録画の頻度などを考慮し、総合的に判断しよう。
メーカーが同じでも、編集機能や長時間録画モードの画質、外部機器との連携など、録画テレビとレコーダーでは、機能に差がある場合が多い。特に、録画テレビのうち、内蔵HDDや外付けHDDに記録するタイプは、頻繁には録画しないライトユーザー向けだ。
回答 | おススメの録画機器 |
見たら消す | テレビ(→質問5へ)、BDレコーダー(エントリーモデル) |
ディスクにダビングする | BDレコーダー、地デジパソコン(BD対応) |
ディスクには保存しない(HDDに残ったまま) | 録画テレビ(→質問5へ)、BDレコーダー(大容量HDDモデル) |
録画した番組を高画質のままメディアに保存したい人は、BDレコーダーかBD対応の地デジパソコンで決まり。ラインアップは少ないものの、HDDとBDレコーダーを内蔵したオールインワンテレビもおススメだ。
シャープのBDレコーダーを内蔵した液晶テレビ「LC-32DX3-W」、HDDとBDレコーダーを内蔵した液晶テレビ「LC-32DR3」
回答 | おススメの録画機器 |
録画しない(自分専用) | BDレコーダー、地デジパソコン、録画テレビ(→質問5へ) |
録画する(家族で共有) | BDレコーダー(大容量HDDモデル)、録画テレビ(→質問5へ) |
現状、録画しているが、できれば自分専用にしたい | BDレコーダー(エントリーモデル)、録画テレビ(→質問5へ) |
かつて主流だったVHSビデオは、テープを使い分けることで家族全員で共有することができた。しかし、一つのHDDに番組をデータを記録していくレコーダーは、管理やプライバシーの面で共有しにくい。
HDDが故障するリスクを考慮すると、大容量HDDを搭載したレコーダー1台より、価格の安いエントリーモデルを1人1台買ったほうが便利かつ安心だ。実体験から、特に録画番組数が多い人には強くおススメしたい。テレビのそばに複数のレコーダーを置くスペースがなければ、外付けHDDやBDに記録するタイプの録画テレビを候補にしよう。ユーザーによって録画先の外付けHDDやメディアを変更できるので、プライバシーを確保できるからだ。
回答 | おススメの録画機器 |
見たい・興味がある | BD再生対応の録画テレビ ※BDメディアにダビングしたい場合はBDレコーダー内蔵の録画テレビかBDレコーダー |
見たくない・興味ない | HDD内蔵の録画テレビ、外付けHDD対応の録画テレビ |
現在のレコーダーの売れ筋は、DVDに加え、BDの再生・記録に対応したHDD内蔵のBDレコーダー。より大容量のデータを記録できるブルーレイの新規格「BDXL」や「Blu-ray 3D」に対応した製品も増えており、「Blu-ray 3D」対応モデルの場合、3D対応テレビと組み合わせれば、立体感のある3D映像を視聴することができる。
パナソニックの縦置きも可能な地デジ専用BDレコーダー「DMR-BF200」(11月15日発売)、2TBの大容量HDDを搭載し、「BDXL」や「Blu-ray 3D」に対応するソニーのBDレコーダー「BDZ-AX2000」
録画テレビの場合、BDレコーダー内蔵モデルを除き、BDソフトの再生やBDメディアへのダビングができない。しかし、BDが必要なのは、「録画番組をディスクにダビングして保存したい」人だけ。テレビ番組の録画・視聴という用途に限れば、BDがなくてもまったく問題ない。録画を頻繁にする人でも、ディスクに一切ダビングしないのなら、BDレコーダーを選ぶ必然性はない。
現時点で市販のBDソフトを見るつもりがない、興味がない、という人は、地デジ対応のテレビだけを購入し、将来BDの普及が進み、見たくなった時に、新たにBDレコーダー/プレーヤーや「プレイステーション 3」などのBD対応機器を購入するのがベストだろう。
録画テレビ、レコーダーともに、さまざまなタイプの製品が出回っている。メーカーや機種による機能や操作性の違いも大きい。特にレコーダーについては、従来より設置場所を取らない小型・薄型ボディの新製品の発売が発表されるなど、選択肢が広がってきた。まずはライフスタイルからタイプを決め、次に具体的な機種を絞り込んでいこう。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などのPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。