海外旅行者必見! 海外でデジカメやケータイを充電するには?
不況が続くとはいえ、会社や学校の長期休暇を利用して海外旅行に出かける人は少なくないだろう。出張や旅行で頻繁に海外に行く人もいれば、反対にまったく行かない、ほとんど行かない人もいる。今回は後者の“海外初心者”の方々に向けて、私が今夏、海外旅行用に購入したデジタル製品を紹介しつつ、海外での電化製品の使用に関する基礎知識をまとめた。
観光旅行に欠かせないのは、何といっても「カメラ」だ。人によっては、移動中や待ち時間の暇つぶしにゲーム機や携帯電話なども欠かせない。今年7月下旬に、二度目の海外旅行として夫婦2人でフランスを訪れた際、コンパクトデジカメ、携帯電話(海外非対応)、iPod nano各2台とiPad、ニンテンドーDS Liteを持っていった。乾電池タイプのデジタルカメラ1台以外は、すべて充電式バッテリの製品だ。
日本と海外では電圧が異なるので、海外で電化製品を使うには、電圧を変換する「変圧器」が必要になる。さらに、国によってコンセントの形状が異なるので、渡航先に合った「変換プラグ」を用意する必要がある。変換プラグの価格は、単独タイプで数百円、一つで複数の形状に変形できるマルチタイプでも3000円程度。それほど高くない。
製品の本体や取扱説明書に「100V~240V対応」と書かれていれば、変圧器は不要。最初から幅広い電圧に対応した製品なので、海外でもそのまま使える。ただし、本体が対応していても電源コードが対応していない場合は、海外対応コードに付け替えなければならない。カメラを買った店で店員に聞いたところ、実際には本体さえ対応していれば使えるのだが、「安全性の問題から店としては推奨できない」とのことだった。
ノートPCのACアダプタやカメラ用バッテリの充電器など、手持ちの複数のデジタル製品で確認したところ、いずれも本体は100V~240V対応だが、コードは125V対応の国内専用だった。どうせならコードも世界共通だとうれしいのだが……。このうち、海外でカメラ用バッテリ充電器をそのまま使用したが、問題はなかった。
あいにく携帯電話とニンテンドーDS Lite用の充電器は国内専用だったので、量販店のゲームコーナーで見つけた「多機種対応オールインACアダプタ」を利用して充電した。これは、変換プラグを付け替えることで、携帯電話、iPod/iPhone、ニンテンドーDS、PSPなど、さまざまな機器をコンセントやパソコンなどのUSBポートから充電できるというスグレモノ。もちろん240V対応なので、海外でも使用可能だ。価格は2640円だった。
コンセントから充電できる汎用ACアダプタや、急な電池切れに役立つモバイルバッテリは、さまざまなタイプの製品が販売されている。ノートPCを持って行くなら、パソコンのUSBポート経由で充電する「USBケーブル」だけあればOK。晴天下を長時間歩くなら「ソーラーバッテリ」もエコでいい。これらは海外旅行時以外にも活用できるので、量販店の売り場やネットショップで探してみよう。
海外旅行用に新たに購入したのは、渡航先のフランスで使える変換プラグ2種(C+SEタイプのセット、490円)と前述の「多機種対応オールインACアダプタ」の2点。そのほか、手持ちの旧式デジカメの買い替えとして、カシオ計算機のコンパクトデジカメ「EXILIM ZOOM EX-Z2000」を買った。
現地で使った感想は、「変換プラグは一つでは足りない」ということ。事前の調査で、1日目に宿泊するホテルだけ形状が異なることがわかったので2種類の変換プラグを用意したが、2日目以降に宿泊するホテルに対応する変換プラグを二つ用意するべきだったと後悔した。
寝ている間に、カメラ用バッテリとiPodを充電したいと思っても、変換プラグが一つしかなく、順番に充電するしかなかったからだ。コンセント自体は複数あったので、余計にいらだつ。旅行に持っていく機器の数にもよるが、やはり一人1個、変換プラグを用意したほうが安心だろう。
これまで海外旅行には、乾電池で動作する「乾電池デジカメ」がいいといわれていた。充電器いらずで、不意のバッテリ切れのときも現地で簡単に調達できるからだ。しかし、充電器の小型化やバッテリの長寿命化が進み、1日1回、ホテルで必ず充電できるなら、むしろ充電式バッテリ採用のカメラのほうが便利かもしれない。バッテリ寿命の長いモデルなら、予備バッテリも必要ないくらいだ。
旅行中、撮影可能枚数約580枚(CIPA準拠)の長電池寿命がウリの「EX-Z2000」は、一度もバッテリ切れにならなかった。一方、もう1台の乾電池デジカメは、2007年発売のやや古いモデルだったのと、動画を頻繁に撮影していたことが影響し、何度か電池を入れ替えた。旅行先が充電できない環境なら乾電池デジカメしか選択肢はないが、そうでない場合は、電池の種類は気にせず、電池の持ち(撮影可能枚数)で比較・検討しよう。
ちなみに、2010年7月時点で、コンパクトデジカメ売れ筋トップ5の製品の撮影可能枚数は約170枚~580枚。「EX-Z2000」以外のモデルでもおおむね200枚以上と、数字上はかなり長時間撮影しても持つ計算だ。手持ちのカメラのバッテリの持ちが悪いと感じている人は、念のため予備のバッテリを買うか、買い替えを検討してはどうだろう。
最後にもう一つ。海外でもインターネットに接続できる携帯電話やiPhoneなどのスマートフォン、iPodを含むモバイルノートPCの海外での利用について紹介したい。旅行中も仕事をしなければならない場合を除いて、これらは特になくても困らないが、少なくとも1台は持っていると、空いた時間にネット検索などができて便利だ。特にアップル製品は、設定一つでWi-Fi機能のオン・オフやタイムゾーン、ネットワーク設定などを変更でき、国内では気づかなかった使い勝手のよさを改めて感じた。
ソフトバンクモバイルは、夏の旅行シーズンに合わせて、7月21日から海外向けパケット定額サービス「海外パケットし放題」を開始した。NTTドコモも、同様の「海外パケ・ホーダイ」を9月1日から開始する。これらのサービスを利用すると、上限額1日あたり1480円(ソフトバンクモバイルは2011年6月30日まで、NTTドコモは2011年3月31日までの価格、以降は正規料金)と、パケット通信料に応じて上限なしの従量課金制で海外ローミング料金が請求された従来に比べ、かなり安く済む。
手持ちのiPadで1日間だけ通信機能を利用してみたが、問題なくインターネットに接続できた。また、実際には利用しなかったが、フランスでは空港やホテルなど、有料または無料でWi-Fi通信が利用できる場所がかなり多くあった。国や地域にもよるが、Wi-Fiは想像以上に世界中で浸透しつつあるようだ。特に無料の公衆無線LANは、海外ローミングに比べ安く速度も速いので、設定方法や料金などをあらかじめ調べておいて、うまく活用したい。
カメラや充電器などの小物は、1日あれば準備できる。ネットでの下調べも、数時間あれば事足りるはず。これから海外旅行に出かける人は、後悔のないように、準備万端の状態で出かけてください。(BCN・嵯峨野 芙美)
240V対応製品なら「変換プラグ」を利用して世界中で使える
観光旅行に欠かせないのは、何といっても「カメラ」だ。人によっては、移動中や待ち時間の暇つぶしにゲーム機や携帯電話なども欠かせない。今年7月下旬に、二度目の海外旅行として夫婦2人でフランスを訪れた際、コンパクトデジカメ、携帯電話(海外非対応)、iPod nano各2台とiPad、ニンテンドーDS Liteを持っていった。乾電池タイプのデジタルカメラ1台以外は、すべて充電式バッテリの製品だ。
充電式バッテリのさまざまなデジタル製品
日本と海外では電圧が異なるので、海外で電化製品を使うには、電圧を変換する「変圧器」が必要になる。さらに、国によってコンセントの形状が異なるので、渡航先に合った「変換プラグ」を用意する必要がある。変換プラグの価格は、単独タイプで数百円、一つで複数の形状に変形できるマルチタイプでも3000円程度。それほど高くない。
製品の本体や取扱説明書に「100V~240V対応」と書かれていれば、変圧器は不要。最初から幅広い電圧に対応した製品なので、海外でもそのまま使える。ただし、本体が対応していても電源コードが対応していない場合は、海外対応コードに付け替えなければならない。カメラを買った店で店員に聞いたところ、実際には本体さえ対応していれば使えるのだが、「安全性の問題から店としては推奨できない」とのことだった。
ノートPCのACアダプタやカメラ用バッテリの充電器など、手持ちの複数のデジタル製品で確認したところ、いずれも本体は100V~240V対応だが、コードは125V対応の国内専用だった。どうせならコードも世界共通だとうれしいのだが……。このうち、海外でカメラ用バッテリ充電器をそのまま使用したが、問題はなかった。
ケータイやiPodの充電には海外対応の「汎用ACアダプタ」が便利
あいにく携帯電話とニンテンドーDS Lite用の充電器は国内専用だったので、量販店のゲームコーナーで見つけた「多機種対応オールインACアダプタ」を利用して充電した。これは、変換プラグを付け替えることで、携帯電話、iPod/iPhone、ニンテンドーDS、PSPなど、さまざまな機器をコンセントやパソコンなどのUSBポートから充電できるというスグレモノ。もちろん240V対応なので、海外でも使用可能だ。価格は2640円だった。
変換プラグを付け替えて、さまざまな機器を充電できるゲームテックの「多機種対応オールインACアダプタ」。
ゲーム機を充電したかったのでこの製品を選んだが、携帯電話やiPodだけなら「海外対応の汎用ACアダプタ」で十分だ。よりコンパクトで、価格も1000円以下と安い
ゲーム機を充電したかったのでこの製品を選んだが、携帯電話やiPodだけなら「海外対応の汎用ACアダプタ」で十分だ。よりコンパクトで、価格も1000円以下と安い
コンセントから充電できる汎用ACアダプタや、急な電池切れに役立つモバイルバッテリは、さまざまなタイプの製品が販売されている。ノートPCを持って行くなら、パソコンのUSBポート経由で充電する「USBケーブル」だけあればOK。晴天下を長時間歩くなら「ソーラーバッテリ」もエコでいい。これらは海外旅行時以外にも活用できるので、量販店の売り場やネットショップで探してみよう。
海外旅行用に新たに購入したのは、渡航先のフランスで使える変換プラグ2種(C+SEタイプのセット、490円)と前述の「多機種対応オールインACアダプタ」の2点。そのほか、手持ちの旧式デジカメの買い替えとして、カシオ計算機のコンパクトデジカメ「EXILIM ZOOM EX-Z2000」を買った。
カシムラの海外旅行用蓄光変換プラグ C・SEタイプセット「TI-91」。
なくさないように、光を吸収してグリーンに発光する蓄光タイプを選んだが、特に役に立つことはなく、一番安いノーマルタイプで十分だった
___page___なくさないように、光を吸収してグリーンに発光する蓄光タイプを選んだが、特に役に立つことはなく、一番安いノーマルタイプで十分だった
現地で使った感想は、「変換プラグは一つでは足りない」ということ。事前の調査で、1日目に宿泊するホテルだけ形状が異なることがわかったので2種類の変換プラグを用意したが、2日目以降に宿泊するホテルに対応する変換プラグを二つ用意するべきだったと後悔した。
寝ている間に、カメラ用バッテリとiPodを充電したいと思っても、変換プラグが一つしかなく、順番に充電するしかなかったからだ。コンセント自体は複数あったので、余計にいらだつ。旅行に持っていく機器の数にもよるが、やはり一人1個、変換プラグを用意したほうが安心だろう。
旅行向けに買い替えるなら長電池寿命の最新デジカメを!
これまで海外旅行には、乾電池で動作する「乾電池デジカメ」がいいといわれていた。充電器いらずで、不意のバッテリ切れのときも現地で簡単に調達できるからだ。しかし、充電器の小型化やバッテリの長寿命化が進み、1日1回、ホテルで必ず充電できるなら、むしろ充電式バッテリ採用のカメラのほうが便利かもしれない。バッテリ寿命の長いモデルなら、予備バッテリも必要ないくらいだ。
旅行中、撮影可能枚数約580枚(CIPA準拠)の長電池寿命がウリの「EX-Z2000」は、一度もバッテリ切れにならなかった。一方、もう1台の乾電池デジカメは、2007年発売のやや古いモデルだったのと、動画を頻繁に撮影していたことが影響し、何度か電池を入れ替えた。旅行先が充電できない環境なら乾電池デジカメしか選択肢はないが、そうでない場合は、電池の種類は気にせず、電池の持ち(撮影可能枚数)で比較・検討しよう。
カシオのコンパクトデジタルカメラ「EX-Z2000」のシルバーモデル。価格は1万6900円だった
ちなみに、2010年7月時点で、コンパクトデジカメ売れ筋トップ5の製品の撮影可能枚数は約170枚~580枚。「EX-Z2000」以外のモデルでもおおむね200枚以上と、数字上はかなり長時間撮影しても持つ計算だ。手持ちのカメラのバッテリの持ちが悪いと感じている人は、念のため予備のバッテリを買うか、買い替えを検討してはどうだろう。
あると便利な世界対応ケータイ/スマートフォン
最後にもう一つ。海外でもインターネットに接続できる携帯電話やiPhoneなどのスマートフォン、iPodを含むモバイルノートPCの海外での利用について紹介したい。旅行中も仕事をしなければならない場合を除いて、これらは特になくても困らないが、少なくとも1台は持っていると、空いた時間にネット検索などができて便利だ。特にアップル製品は、設定一つでWi-Fi機能のオン・オフやタイムゾーン、ネットワーク設定などを変更でき、国内では気づかなかった使い勝手のよさを改めて感じた。
ソフトバンクモバイルは、夏の旅行シーズンに合わせて、7月21日から海外向けパケット定額サービス「海外パケットし放題」を開始した。NTTドコモも、同様の「海外パケ・ホーダイ」を9月1日から開始する。これらのサービスを利用すると、上限額1日あたり1480円(ソフトバンクモバイルは2011年6月30日まで、NTTドコモは2011年3月31日までの価格、以降は正規料金)と、パケット通信料に応じて上限なしの従量課金制で海外ローミング料金が請求された従来に比べ、かなり安く済む。
手持ちのiPadで1日間だけ通信機能を利用してみたが、問題なくインターネットに接続できた。また、実際には利用しなかったが、フランスでは空港やホテルなど、有料または無料でWi-Fi通信が利用できる場所がかなり多くあった。国や地域にもよるが、Wi-Fiは想像以上に世界中で浸透しつつあるようだ。特に無料の公衆無線LANは、海外ローミングに比べ安く速度も速いので、設定方法や料金などをあらかじめ調べておいて、うまく活用したい。
カメラや充電器などの小物は、1日あれば準備できる。ネットでの下調べも、数時間あれば事足りるはず。これから海外旅行に出かける人は、後悔のないように、準備万端の状態で出かけてください。(BCN・嵯峨野 芙美)