USBハブはデジタル家電の進化が追い風に、バッファローコクヨ担当者が語る製品戦略
マウスやキーボード、USBメモリなど、いまやPCとUSBポートを介して接続する機器はたくさんある。PCのUSBポートの数が限られているなかで、頼りになるのが、PCに接続してポートを増やすことができる「USBハブ」だ。バッファローコクヨサプライは、高速データ転送のUSB新規格「USB3.0」に対応する「BSH4A03U3シリーズ」を他社に先駆けて発売するなど、攻勢をかけている。マーケティング部商品企画1グループの鈴木雅博氏に、製品戦略を聞いた。
――USBハブの必要性を改めて教えて下さい。
ノートPCのUSBポートの数は、意外と少ないのが実情です。例えばネットブックは3ポート、モバイルノートPCは2ポート程度。マウスやキーボードをつなぐと、すぐにポートが足りなくなってしまう。こうしたときにUSBハブをつなぐことで、USBメモリなどのUSB機器をさらに追加することができます。
――電源の違いでタイプが2種類ありますが……。
USB経由で電力を供給する「バスパワー」と、コンセントから給電する「セルフパワー」ですね。バスパワーだと、接続先の機器に500mAという限られた電力しか供給できません。一方、セルフパワーだと、4ポート搭載モデルの場合、2A程度提供できます。ポータブルHDDを接続するときには、セルフパワーのやや高い電力が必要です。つまり、利用シーンに応じて使い分けるわけです。
現在、バスパワー型の製品が市場のおよそ85%を占めていますが、これは価格が安いので売れている、という側面があります。例えば、当社で最も低価格な製品で比べると、バスパワー型が980円なのに対し、セルフパワー型は1980円です。
しかし、セルフパワー型は、薄型テレビなどのデジタル家電や家庭用ゲーム機と一緒に使われることが多く、用途が明確。例えば「BSH4A01シリーズ」は、東芝の液晶テレビ<レグザ>の動作確認済みで、セルフパワーでUSBポートから接続するHDDを2台、3台と増設することができます。現在、デジタル家電は、外付けHDDをはじめとしたPC周辺機器がつながるようになってきたので、それを追い風にUSBハブ市場の拡大が期待できると考えています。
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――USB3.0対応モデルを投入した狙いを教えて下さい。
2010年3月、USB3.0に対応したUSBハブ「BSH4A03U3シリーズ」を発売しました。「世界で一番最初に出す」ということにこだわりました。グループ会社のバッファローが外付けHDD「HD-HU3シリーズ」を09年10月に発売していたので、グループ全体として先進的な取り組みをしたかった。こうした新技術にいち早く着手することで、市場での認知を高めることができると考えています。
――PC側の対応も不可欠ですね。
各メーカーの2010年夏モデルの上位機は、徐々に対応してきています。ただ、現在、PCがUSB3.0に対応するには、CPUメーカーが提供する通常のチップセットほかに、別途USB3.0専用のホストコントローラーをメーカー側が用意しなければならない、というハードルがあります。このため、まだ絶対的製品数は少ないですね。しかし、今後はインテルやAMDが一つのチップセットで済むよう改善するでしょう。早ければ2011年中には、こうしたチップセットを搭載したPCが登場すると予想しています。
――その課題が解決すれば、USB3.0の対応製品が増えてくる、と。
そうみています。USB2.0のときと同様、PCやその周辺機器でUSB3.0の対応製品が出揃ってくれば、ユーザーは特にUSBの規格を気にしなくても製品を買えるようになります。当社の製品は、USBメモリや外付けHDDなどさまざまなPC周辺機器を提供しているバッファローの製品と互換性があります。グループ間の連携が他社にはない強みだと思っています。
――今、市場で強いモデルは何でしょうか。
「BSH4U08シリーズ」をはじめとしたスイッチで給電のオン/オフを切り替える「エコハブ」が挙げられます。使っていない機器の電源だけを切ることができ、エコであることがメリットですね。カードリーダーなど、使用するタイミングでその都度コネクタを抜き差しなくてもいいので、便利ですよ。また、「BSHW7Aシリーズ」も自信作。ポート数は7つですが、4ポート程度の本体サイズに仕上げていますので、机の上でじゃまになりません。
――USBハブは、今後どのように展開していきますか。
2010年度は、USB3.0対応モデルのラインアップを強化します。これまで、市場の変化に合わせた製品をその都度投入してきたと自負していますが、そのノウハウを生かし、今後も形状や使い方など、ユーザーの立場に立った操作性を追求していきます。こうしたスタンスを軸に、10年の「BCNランキング」USB部門の販売台数でシェアNo.1獲得を目指します。(BCN・井上真希子)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで129品目を対象としています。
デジタル家電市場の後押しでセルフパワー型に期待
――USBハブの必要性を改めて教えて下さい。
ノートPCのUSBポートの数は、意外と少ないのが実情です。例えばネットブックは3ポート、モバイルノートPCは2ポート程度。マウスやキーボードをつなぐと、すぐにポートが足りなくなってしまう。こうしたときにUSBハブをつなぐことで、USBメモリなどのUSB機器をさらに追加することができます。
マーケティング部商品企画1グループの鈴木雅博氏
――電源の違いでタイプが2種類ありますが……。
USB経由で電力を供給する「バスパワー」と、コンセントから給電する「セルフパワー」ですね。バスパワーだと、接続先の機器に500mAという限られた電力しか供給できません。一方、セルフパワーだと、4ポート搭載モデルの場合、2A程度提供できます。ポータブルHDDを接続するときには、セルフパワーのやや高い電力が必要です。つまり、利用シーンに応じて使い分けるわけです。
現在、バスパワー型の製品が市場のおよそ85%を占めていますが、これは価格が安いので売れている、という側面があります。例えば、当社で最も低価格な製品で比べると、バスパワー型が980円なのに対し、セルフパワー型は1980円です。
バスパワーの「BSH4U06シリーズ」
しかし、セルフパワー型は、薄型テレビなどのデジタル家電や家庭用ゲーム機と一緒に使われることが多く、用途が明確。例えば「BSH4A01シリーズ」は、東芝の液晶テレビ<レグザ>の動作確認済みで、セルフパワーでUSBポートから接続するHDDを2台、3台と増設することができます。現在、デジタル家電は、外付けHDDをはじめとしたPC周辺機器がつながるようになってきたので、それを追い風にUSBハブ市場の拡大が期待できると考えています。
バス&セルフパワーの「BSH4A01シリーズ」。
東芝の液晶テレビ<レグザ>の動作確認済み
東芝の液晶テレビ<レグザ>の動作確認済み
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“世界初”を獲得したUSB3.0対応モデル
――USB3.0対応モデルを投入した狙いを教えて下さい。
2010年3月、USB3.0に対応したUSBハブ「BSH4A03U3シリーズ」を発売しました。「世界で一番最初に出す」ということにこだわりました。グループ会社のバッファローが外付けHDD「HD-HU3シリーズ」を09年10月に発売していたので、グループ全体として先進的な取り組みをしたかった。こうした新技術にいち早く着手することで、市場での認知を高めることができると考えています。
USB3.0対応の「BSH4A03U3シリーズ」
――PC側の対応も不可欠ですね。
各メーカーの2010年夏モデルの上位機は、徐々に対応してきています。ただ、現在、PCがUSB3.0に対応するには、CPUメーカーが提供する通常のチップセットほかに、別途USB3.0専用のホストコントローラーをメーカー側が用意しなければならない、というハードルがあります。このため、まだ絶対的製品数は少ないですね。しかし、今後はインテルやAMDが一つのチップセットで済むよう改善するでしょう。早ければ2011年中には、こうしたチップセットを搭載したPCが登場すると予想しています。
――その課題が解決すれば、USB3.0の対応製品が増えてくる、と。
そうみています。USB2.0のときと同様、PCやその周辺機器でUSB3.0の対応製品が出揃ってくれば、ユーザーは特にUSBの規格を気にしなくても製品を買えるようになります。当社の製品は、USBメモリや外付けHDDなどさまざまなPC周辺機器を提供しているバッファローの製品と互換性があります。グループ間の連携が他社にはない強みだと思っています。
使いやすさとデザインを継続して追求 シェアNo.1を目指す
――今、市場で強いモデルは何でしょうか。
「BSH4U08シリーズ」をはじめとしたスイッチで給電のオン/オフを切り替える「エコハブ」が挙げられます。使っていない機器の電源だけを切ることができ、エコであることがメリットですね。カードリーダーなど、使用するタイミングでその都度コネクタを抜き差しなくてもいいので、便利ですよ。また、「BSHW7Aシリーズ」も自信作。ポート数は7つですが、4ポート程度の本体サイズに仕上げていますので、机の上でじゃまになりません。
エコハブ「BSH4U08シリーズ」
――USBハブは、今後どのように展開していきますか。
2010年度は、USB3.0対応モデルのラインアップを強化します。これまで、市場の変化に合わせた製品をその都度投入してきたと自負していますが、そのノウハウを生かし、今後も形状や使い方など、ユーザーの立場に立った操作性を追求していきます。こうしたスタンスを軸に、10年の「BCNランキング」USB部門の販売台数でシェアNo.1獲得を目指します。(BCN・井上真希子)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで129品目を対象としています。