その名は「蛇神」(ナガス)、自作心を刺激するエーオープンのゲーミングPCケース
マザーボードやグラフィックカードでおなじみのエーオープンジャパンから、自作心を強く刺激するPCケースが登場した。それが、インド神話の蛇神「ナーガ」に由来する「Nagas」(ナガス)という名を冠したハイスペックなゲーミングPCケースだ。
ラインアップは大きく三つに分かれる。Micro ATX/Flex ATX/Mini-ITXに対応するキューブ型の「Nagas G3」、ATXとMicro ATXに対応するミドルタワー型の「Nagas G5」、同じくATX/Micro ATXに対応し、高い拡張性をもつフルタワー型の「Nagas G6」だ。いずれも黒ベースのスパルタンなカラーと戦闘的なデザインが特徴で、ほかのPCケースとはひと味違う強烈な個性を発散している。順を追って、それぞれの特徴を紹介していこう。
キューブ型の「Nagas G3」は、そのコンパクトな外見通り、Micro ATX、Flex ATX、Mini-ITXなどの小型マザーボードに対応する。インテル最新CPUのCore i7やCore i5に対応するLGA1156/LGA1366ソケット搭載のマザーボードはもちろん、Core 2シリーズやPentium/Celeronなどの旧世代CPUに対応するLGA775ソケットを備えるマザーボードも組み込める。
異彩を放っているのは、そのデザイン。両サイドが大きく張り出し、戦国武将がまとう兜のような戦闘的で重厚感のあるフォルムをもつ。この“張り出し”部分には、それぞれ8cmのファンが収まるようになっていて、タワー型PCケースと遜色ない放熱性能を確保している。また、キューブ型ながら拡張スロットの横幅を広く確保。幅26cmまでのハイエンド向けの大型グラフィックカードが装着できる。
もう一つの特徴が、「イージーメンテナンス機構」を採用する高いメンテナンス性。ケース内を広く確保し、ブラケットなどがワンタッチで脱着できるようになっているので、マザーボードや拡張カード、HDDをはじめとするストレージ類の装着が実にやりやすい。
ドライブベイは、5.25インチベイ×1、3.5インチベイ×1、3.5インチシャドウベイ×2、拡張スロット×4と、このクラスのケースとしては十分な拡張性をもっている。
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高い拡張性とスペースを占有しないコンパクトなサイズという相反する要素を高いレベルで融合させたのが、ミドルタワー型の「Nagas G5」だ。ATX/Micro ATXマザーボードに対応。Core i5/i7など、最新世代のCPUに対応するマザーボードを組み込める。
天板後部には12cmファンを2基増設できるスペースを設け、メッシュデザインの前面吸気フロントパネルと、多数のパンチ穴加工を施した排気用の背面パネルによって、吸排気性にすぐれる。また、ネジ止めすることなくワンタッチで内蔵型HDDや光学ドライブを装着できるドライブベイを採用。ケース内のケーブル類をまとめて束ねられるケーブルマネージメント機構など、高い作業性をもつ。このあたりは、さすが自作を知り尽くしたエーオープンだ。
驚くのはその拡張性。5.25インチベイ×3、3.5インチベイ×2、3.5インチシャドウベイ×4、さらに2.5インチシャドウベイ×1、拡張スロット×7と、このクラスのケースとしては異例ともいえる高い拡張性をもつ。一般のユーザーなら、まずパーツ増設のスロット不足で悩むことはないだろう。また、2.5インチシャドウベイを備えることで、ノートPC用のSSDなどを組み込むこともできる。
天板や側板、底面、背面と、すべての面に配したスリットや、ダイヤモンドカット風の多面的なデザイン、天板に備えるスイッチ/コネクタ類など、戦闘的な雰囲気を強く醸し出すのが「Nagas」シリーズのフラッグシップモデル「Nagas G6」だ。
「Nagas G5」よりもひと回り大型で、冷却性、作業性、拡張性もフラッグシップモデルにふさわしく非常に高いレベル。特に冷却性に関しては、前面に12cmの静音ファンを装備し、背面と天板と底面の各面に12cmファン用のマウントをもつ。さらに、水冷システム向けのパイプ穴なども備え、特別な加工をせずに水冷ユニットを搭載できる。高性能なグラフィックカードとCore i7などのハイエンドCPUを組み合わせたパフォーマンス重視のゲーミングPCを構築するには、最適なケースだ。
作業性についても、「Nagas G3」や「Nagas G5」と同じく、ネジ止めすることなく、ワンタッチで内蔵型HDDや光学ドライブを装着できるドライブベイや、ケーブルマネージメント機構を採用している。
横幅約30cm、高さ約40cmと、側面の開口部を広く確保し、ケース内のあらゆる部分に無理なく手が届く作業エリアの広さも大きなポイントだ。
電源スイッチやLED、USBポート、e-SATAポートなど本体上部にを装備する独創的なデザインも特徴の一つ。特にこのサイズのPCケースの場合、机の上ではなく、床に直接置いて使うことが多いので、このように天板部に主要スイッチやコネクタがあるのは非常にありがたい。
圧巻はその拡張性。ドライブベイは、5.25インチベイ×9、3.5インチベイ×1、3.5インチシャドウベイ×6、2.5インチシャドウベイ×1、拡張スロット×7と、ハイエンドサーバーの構築にも十分耐える高い拡張性をもつ。SLIなどのマルチGPUシステムを用いる高性能なゲーミングPCをはじめ、あらゆるハイエンドPCを構築するうえで、心強い相棒となるだろう。
ハイエンドのCPUやグラフィックカードを利用するパフォーマンス重視のシステムにもビクともしないすぐれた冷却性と、自作の作業負担を大幅に削減してくれる高い作業性をもつ「Nagas」シリーズ。そのスパルタンなデザインと相まって、ゲーマーや自作ユーザーの“やる気”を限りなく高めてくれる。ハイエンドケースではあるが、長期的な拡張にも余裕をもって対応する高い拡張性を考えれば、安い買い物だ。ゲーマーだけでなく、画一的なPCケースに食傷感を感じている方や、自作に対する新たな刺激を求めている方に、ぜひおすすめしたい。(ITジャーナリスト・市川昭彦)
「すぐれた冷却性と高い拡張性」を共通コンセプトに、ゲーマーなどのヘビーユーザーをターゲットとする「Nagas」シリーズ
ラインアップは大きく三つに分かれる。Micro ATX/Flex ATX/Mini-ITXに対応するキューブ型の「Nagas G3」、ATXとMicro ATXに対応するミドルタワー型の「Nagas G5」、同じくATX/Micro ATXに対応し、高い拡張性をもつフルタワー型の「Nagas G6」だ。いずれも黒ベースのスパルタンなカラーと戦闘的なデザインが特徴で、ほかのPCケースとはひと味違う強烈な個性を発散している。順を追って、それぞれの特徴を紹介していこう。
蛇神「ナーガ」がシリーズのネーミングの由来
“兜”のようなデザインは冷却性にすぐれる~「Nagas G3」
キューブ型の「Nagas G3」は、そのコンパクトな外見通り、Micro ATX、Flex ATX、Mini-ITXなどの小型マザーボードに対応する。インテル最新CPUのCore i7やCore i5に対応するLGA1156/LGA1366ソケット搭載のマザーボードはもちろん、Core 2シリーズやPentium/Celeronなどの旧世代CPUに対応するLGA775ソケットを備えるマザーボードも組み込める。
戦国武将の兜を彷彿とさせる戦闘的なデザインの「Nagas G3」
異彩を放っているのは、そのデザイン。両サイドが大きく張り出し、戦国武将がまとう兜のような戦闘的で重厚感のあるフォルムをもつ。この“張り出し”部分には、それぞれ8cmのファンが収まるようになっていて、タワー型PCケースと遜色ない放熱性能を確保している。また、キューブ型ながら拡張スロットの横幅を広く確保。幅26cmまでのハイエンド向けの大型グラフィックカードが装着できる。
背面の電源ボックス装着スペースにあしらわれた蛇神「Nagas」のエンブレム。デザイン上のアクセントになっている
もう一つの特徴が、「イージーメンテナンス機構」を採用する高いメンテナンス性。ケース内を広く確保し、ブラケットなどがワンタッチで脱着できるようになっているので、マザーボードや拡張カード、HDDをはじめとするストレージ類の装着が実にやりやすい。
ケースはスライドでオープンできる
ドライブベイは、5.25インチベイ×1、3.5インチベイ×1、3.5インチシャドウベイ×2、拡張スロット×4と、このクラスのケースとしては十分な拡張性をもっている。
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冷却性と作業性を重視したミドルタワー~「Nagas G5」
高い拡張性とスペースを占有しないコンパクトなサイズという相反する要素を高いレベルで融合させたのが、ミドルタワー型の「Nagas G5」だ。ATX/Micro ATXマザーボードに対応。Core i5/i7など、最新世代のCPUに対応するマザーボードを組み込める。
冷却性/作業性重視のミドルタワー「Nagas G5」
天板後部には12cmファンを2基増設できるスペースを設け、メッシュデザインの前面吸気フロントパネルと、多数のパンチ穴加工を施した排気用の背面パネルによって、吸排気性にすぐれる。また、ネジ止めすることなくワンタッチで内蔵型HDDや光学ドライブを装着できるドライブベイを採用。ケース内のケーブル類をまとめて束ねられるケーブルマネージメント機構など、高い作業性をもつ。このあたりは、さすが自作を知り尽くしたエーオープンだ。
背面、側板、天板、底面と、すべての面にメッシュ加工の吸排気パネルを装備。すぐれたエアフロー設計によって、ゲーミングPCなど、発熱量の多いシステムと好相性
驚くのはその拡張性。5.25インチベイ×3、3.5インチベイ×2、3.5インチシャドウベイ×4、さらに2.5インチシャドウベイ×1、拡張スロット×7と、このクラスのケースとしては異例ともいえる高い拡張性をもつ。一般のユーザーなら、まずパーツ増設のスロット不足で悩むことはないだろう。また、2.5インチシャドウベイを備えることで、ノートPC用のSSDなどを組み込むこともできる。
「Nagas」シリーズに共通するネジレス仕様のドライブベイ
拡張性、冷却性、作業性、あらゆる要素に死角なし~「Nagas G6」
天板や側板、底面、背面と、すべての面に配したスリットや、ダイヤモンドカット風の多面的なデザイン、天板に備えるスイッチ/コネクタ類など、戦闘的な雰囲気を強く醸し出すのが「Nagas」シリーズのフラッグシップモデル「Nagas G6」だ。
拡張性、冷却性、作業性、あらゆる要素を高いレベルで融合させた「Nagas G6」
「Nagas G5」よりもひと回り大型で、冷却性、作業性、拡張性もフラッグシップモデルにふさわしく非常に高いレベル。特に冷却性に関しては、前面に12cmの静音ファンを装備し、背面と天板と底面の各面に12cmファン用のマウントをもつ。さらに、水冷システム向けのパイプ穴なども備え、特別な加工をせずに水冷ユニットを搭載できる。高性能なグラフィックカードとCore i7などのハイエンドCPUを組み合わせたパフォーマンス重視のゲーミングPCを構築するには、最適なケースだ。
天板に設けられた12cm大型ファンの設置スペース。このほか、底面にも12cmファン設置スペースをもつ
作業性についても、「Nagas G3」や「Nagas G5」と同じく、ネジ止めすることなく、ワンタッチで内蔵型HDDや光学ドライブを装着できるドライブベイや、ケーブルマネージメント機構を採用している。
背面には水冷システム向けのパイプ穴を装備
横幅約30cm、高さ約40cmと、側面の開口部を広く確保し、ケース内のあらゆる部分に無理なく手が届く作業エリアの広さも大きなポイントだ。
電源スイッチやLED、USBポート、e-SATAポートなど本体上部にを装備する独創的なデザインも特徴の一つ。特にこのサイズのPCケースの場合、机の上ではなく、床に直接置いて使うことが多いので、このように天板部に主要スイッチやコネクタがあるのは非常にありがたい。
圧巻はその拡張性。ドライブベイは、5.25インチベイ×9、3.5インチベイ×1、3.5インチシャドウベイ×6、2.5インチシャドウベイ×1、拡張スロット×7と、ハイエンドサーバーの構築にも十分耐える高い拡張性をもつ。SLIなどのマルチGPUシステムを用いる高性能なゲーミングPCをはじめ、あらゆるハイエンドPCを構築するうえで、心強い相棒となるだろう。
ハイエンドのCPUやグラフィックカードを利用するパフォーマンス重視のシステムにもビクともしないすぐれた冷却性と、自作の作業負担を大幅に削減してくれる高い作業性をもつ「Nagas」シリーズ。そのスパルタンなデザインと相まって、ゲーマーや自作ユーザーの“やる気”を限りなく高めてくれる。ハイエンドケースではあるが、長期的な拡張にも余裕をもって対応する高い拡張性を考えれば、安い買い物だ。ゲーマーだけでなく、画一的なPCケースに食傷感を感じている方や、自作に対する新たな刺激を求めている方に、ぜひおすすめしたい。(ITジャーナリスト・市川昭彦)