引っ越し先で地デジが見られない? そんな時に役立つ「室内アンテナ」
取り付け工事費がいらないぶん、家の屋根の上に立てる一般的なUHFアンテナより、室内アンテナはリーズナブル。何かと面倒な大家さんや管理会社との交渉もいらない。もちろん賃貸の場合、取りつけ時に家屋に傷をつけないよう配慮する必要はあるが、室内に置くなら、ほとんど心配いらないだろう。
いいことづくめのように見える室内アンテナだが、「電波状況のいいエリアでしか使えない」という致命的な欠点がある。ビルの谷間など電波が入りにくい場所や、もともと電波が弱い場所では、たとえブースターで電波を増強しても受信できず、CATVなどアンテナ以外の方法で受信するしか手はない。
なお、総務省テレビ受信者支援センター(デジサポ)では、今年2月から、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都4県の在住者を対象に、地デジの受信可否がわかるアンテナキットの無料貸し出しを開始。さらに4月20日から、対象地域を全国に拡大する。手続きは面倒だが、テレビやアンテナの購入前に受信状況を確かめたい場合は活用しよう。
何はともあれ、これから引っ越す人は、地デジの受信状況を物件の契約時に必ず確認した方がいいだろう。
デジサポは、集合住宅向けに地デジ対応済みを示す「地デジカ・ステッカー」の無料配布を2009年11月から開始した。集合住宅の場合、正面玄関などに、「地デジカ・ステッカー」が貼られていれば、地デジに対応している。ただし、このステッカーの配布は始まったばかり。しかも申請制のため、必ず貼られているとは限らない。やはり口頭で確認するのが一番だ。
大家さんや管理会社に聞いてもわからない場合は、下見時に携帯電話などでワンセグの受信状況をチェックし、きれいに映れば、室内アンテナで受信できる可能性は高い。
2011年7月のアナログ放送からデジタル放送への完全移行まで、1年半を切った。それまでにすべての住宅やビルのアンテナがUHFアンテナに切り替わるのか? 室内アンテナは、いわば“最終手段”。建物に設置されたアンテナ経由で、地デジがクリアに見られれば良いに越したことはない。
しかし、賃貸住宅のオーナーや管理会社が地デジに理解がなく、アンテナの交換や調整を行わず、地デジを受信できない状態のまま放置されたり、せっかく対応アンテナを設置しても見られなかったりと、これからどんどんトラブルが起こってくると思われる。薄型テレビの販売好調のうらで、忘れられがちなアンテナ問題。「室内アンテナ」の存在を知っていれば、いざテレビが見られない、という時に役立つだろう。(BCN・嵯峨野芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで127品目を対象としています。
いいことづくめのように見える室内アンテナだが、「電波状況のいいエリアでしか使えない」という致命的な欠点がある。ビルの谷間など電波が入りにくい場所や、もともと電波が弱い場所では、たとえブースターで電波を増強しても受信できず、CATVなどアンテナ以外の方法で受信するしか手はない。
なお、総務省テレビ受信者支援センター(デジサポ)では、今年2月から、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都4県の在住者を対象に、地デジの受信可否がわかるアンテナキットの無料貸し出しを開始。さらに4月20日から、対象地域を全国に拡大する。手続きは面倒だが、テレビやアンテナの購入前に受信状況を確かめたい場合は活用しよう。
これから引っ越すなら、地デジの受信状況を必ずチェック!
何はともあれ、これから引っ越す人は、地デジの受信状況を物件の契約時に必ず確認した方がいいだろう。
デジサポは、集合住宅向けに地デジ対応済みを示す「地デジカ・ステッカー」の無料配布を2009年11月から開始した。集合住宅の場合、正面玄関などに、「地デジカ・ステッカー」が貼られていれば、地デジに対応している。ただし、このステッカーの配布は始まったばかり。しかも申請制のため、必ず貼られているとは限らない。やはり口頭で確認するのが一番だ。
集合住宅の管理会社・オーナー向けに無料配布している「地デジカ・ステッカー」。
デジサポのWebサイトでは、ステッカーの申請受け付けも行っている
デジサポのWebサイトでは、ステッカーの申請受け付けも行っている
大家さんや管理会社に聞いてもわからない場合は、下見時に携帯電話などでワンセグの受信状況をチェックし、きれいに映れば、室内アンテナで受信できる可能性は高い。
2011年7月のアナログ放送からデジタル放送への完全移行まで、1年半を切った。それまでにすべての住宅やビルのアンテナがUHFアンテナに切り替わるのか? 室内アンテナは、いわば“最終手段”。建物に設置されたアンテナ経由で、地デジがクリアに見られれば良いに越したことはない。
しかし、賃貸住宅のオーナーや管理会社が地デジに理解がなく、アンテナの交換や調整を行わず、地デジを受信できない状態のまま放置されたり、せっかく対応アンテナを設置しても見られなかったりと、これからどんどんトラブルが起こってくると思われる。薄型テレビの販売好調のうらで、忘れられがちなアンテナ問題。「室内アンテナ」の存在を知っていれば、いざテレビが見られない、という時に役立つだろう。(BCN・嵯峨野芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで127品目を対象としています。
~室内アンテナ「UWPA(S)」写真レポート~
昨年春に購入した八木アンテナの「ツインパネル型UHFアンテナ UwPA(ウーパ)」のシルバーモデル「UWPA(S)」。アンテナ本体のほか、室内設置用スタンド(購入時にアンテナ取りつけ済み)、防水キャップ、F型コネクタ、マスト取付金具が付属。同軸ケーブルは別売
「UWPA(S)」は、水平/垂直偏波に対応。垂直偏波を受信するには、付属のマスト取付金具を使用し、本体を縦にしてベランダなどに取りつけなければならない。アンテナの向きによって感度が変わるため、雨や風の影響で角度が少しずれると、特定のチャンネルの映りが悪くなった。天候にも左右され、晴天だとクリアに映った。設置は言うほどカンタンではなく、棒状の“物干し竿”に固定するのは大変だった
今年に入って、大家さんの費用負担でUHFアンテナが新たに設置され、室内アンテナを使わず、家のアンテナ経由で地デジが見られるようになった。ちなみに、当初、地デジが映らなかった理由は、別の集合住宅に立てられたアンテナから分岐して引き込んでいたためと判明
地デジの受信強度は、室内アンテナの62~80に対し、新たに設置されたアンテナは84以上(テレビは90以上)と、やはり開きがあった(ブースター不使用・晴天・雨戸オープン時)。とはいえ、推奨受信強度は60以上なので、室内アンテナでも実用には問題ない。しかし、悪天候だと受信レベルが40台まで落ち、映像にブロックノイズが混じることもあった。(受信強度の調査対象機器は、シャープの液晶テレビ・HDD内蔵DVDレコーダー、ソニーのBDレコーダーの3台。画面はHDD内蔵DVDレコーダーのもの)