BCNランキングで作る! タイプ別自作PCのススメ
いよいよ年の瀬。みなさん年末年始の予定はどうなっているだろうか。今年は節約重視で自宅で過ごすという人は、PCの自作にチャレンジしてはどうだろう。工作気分を味わいながら、予算に見合ったPCが手に入るという点で、一石二鳥だ。とはいっても、どんなパーツを選んだらいいのかわからない、と悩んでいる人もいるだろう。そこで、「BCNランキング」を使ったオススメのプランを紹介しよう。
今回は、PCの用途別に、5万円台で作れる「ベーシックモデル」や、予算に余裕がある人向けの「ちょい高モデル」など、いろいろと構成を考えたので、参考にしてほしい。
また、自作するにあたって注意して欲しいのが、以前に比べれば少ないが、パーツ同士の相性問題だ。そこまで神経質になる必要はないかもしれないが、初めて自作をする人にとっては、心配な部分。ショップによってはパーツの相性保障を行っているところもあるので、購入する際に確認することを推奨する。
このタイプは、ネットとメールを中心に考えているユーザー向け。もし満足できない部分があれば、後からパーツを追加するなり、交換するなりできるので、何をしたいのかまだ決めていないが、とりあえずPCを組んでみたいという人にもオススメだ。
【CPU】
インテル、AMDどちらの製品も、デュアルコアでローエンドモデルあたるタイプだが、いずれもクロック数が高いので、ネットやメールを中心に考えているのであれば、それほど不満に感じることはないだろう。
【メモリ】
Windows 7を快適に動作させるには2GBは最低限必要だ。
【マザーボード】
ASUSTekの「P5QPL-AM」とASRockの「A780GM-LE/128M」、どちらもオンボードでグラフィックを内蔵しており、別途グラフィックボードを揃える必要がないので、予算を抑えたいときに重宝する。
また、オンボードのグラフィックを使用する場合、ビデオメモリはメインメモリからシェアされる形になるが、ASRockの「A780GM-LE/128M」はマザーボード上に専用のビデオメモリ(ローカルフレームバッファ)を搭載しているので、通常のオンボードのグラフィックより性能が高い。
オンラインゲームに興味があるという人は、こちらを選んだほうがいいかもしれない。ただし、オンボードのグラフィックとしては比較的性能がいいというだけで、単体のグラフィックボードには遠く及ばないので、ゲーム中心に考えているのであれば、別途グラフィクボードを購入した方が無難だ。
【PCケース】
市場推定価格が6100円ながら、450Wの電源が付いているのでお買い得感が高いということで、エバーグリーン「TWG-AL625」を選択した。
ベーシックモデル、ちょい高モデル共に、バリバリゲームをしたい人にとっては、スペック的に物足りないかもしれないが、ちょっとゲームもプレイしたい人向けになっている。
【CPU】
ベーシックモデルは、予算を5万円台に抑えるために、標準タイプと同じものに。ゲームの場合は、コアの数よりもクロック数が高い方が有利に働く場合があるので、ちょい高モデルでは標準タイプよりクロック数が高いAMDの「Phenom II X2 550」を選択している。
【HDD】
ゲームメインであれば、HDD容量はあまり必要ないだろう。ということで、グラフィックボード分の予算を捻出するために、標準モデルより容量とコストを削減する。
【グラフィックボード】
ゲームモデルではキモになるパーツ。ベーシックモデルではRADEON HD 4670を搭載したシー・エフ・デー販売の「RH4670-E512HD/D4/AC」を、ちょい高モデルはGeForce 9800 GTを搭載したエルザジャパンの「GD998-512ERSS」を選んだ。
RADEON HD 4670は、最新ゲームだと厳しいかもしれないが、主要なオンラインゲームなら快適にプレイできるだろう。一方、GeForce 9800 GTは、最新のGeFore GTX/GTS 200シリーズには及ばないものの、グラフィック性能が高く、かつ価格がこなれてきており、グラフィックボードにあまり予算をかけられないが、ゲームを楽しみたいという人にピッタリだ。
【PCケース】
ちょい高モデルでは、ゲーム用途に最適なAntecの「ThreeHundred」を選んだ。PCゲームをプレイする際にはマシンパワーが必要なので、発熱量の多いパーツを搭載するケースが多い。Antecの「ThreeHundred」は、冷却性能が優れているので重宝するはずだ。
【電源】
先述のように、ゲーム用途ではパワーが必要なパーツを使用するケースが多いだろう。当然のことながら電源に負荷がかかるので、多少値が張ってもいいものを選んだほうがいい。そこで価格とのバランスも考えて、Antecの「EA-650」を推したい。
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このタイプは、テレビの視聴と録画をメインに考えているユーザー向けに構成を考えている。また、ちょい高モデルでは、リビングでも使用することを想定した構成にした。
【CPU】
動画編集など、よほど負荷の高い作業をしない限りは、Celeron Dual-core E3200やAthlon II X2 235eでも問題はないので、地デジキャプチャーボード分の予算を捻出するためグレードダウンする。
その上で、ちょい高モデルでは、CPUも性能よりも静音性を重視。Athlon II X2 235eは低消費電力で発熱量が少ないので、冷却ファンの回転数を少なくできる。騒音の元となるノイズも減らせるので、リビングで使用するのに最適といえる。
【HDD】
Western DigitalのCaviar グリーンシリーズは、低発熱かつ静音性に優れているので、テレパソ用のHDDに向いている。
【リムーバブルケース】
そして、とことん録画しまくりたい人にオススメなのが、リムーバブルケース。リムーバブルケースは、HDDを自由に入れ替えることがでのでビデオテープのように、HDDをドラマ用、スポーツ用と、それぞれジャンルごとに使い分けることができるようになる。
ただし、リムーバブルケースにHDDは付属していないので、別途購入する必要がある。今回のちょい高モデルでは、リムーバブルケース用に同じHDDをプラスし、HDDの市場推定価格を2個分の合計価格としている。
【キャプチャボード】
ベーシックモデルでは、オーソドックスな「DT-H10/PCI」を、ちょい高モデルでは、ダブルチューナー搭載の「PIX-DT096-PE0」を選んだ。
「DT-H10/PCI」はシンプルながらコストパフォーマンスがよく、「PIX-DT096-PE0」は地上デジタル、BS/CSデジタル放送に対応したダブルチューナーを搭載。簡単な動画編集もできるなど、テレビをとことん楽しみたい人にはうってつけだろう。
【PCケース】
ちょい高モデルはリビングで使うことも想定しているので、PCケースもそれに合わせてAV風の「NSK2480」を選んだ。このケースは振動ノイズを抑制し、静音性が高い。
番外編では、単価の高いパーツを集めた最高級モデルと、極限まで予算を切り詰めたバリューモデルの2つを紹介する。バリューモデルは、最低限動けば良いというレベルで、本当にネットとメールしかやらないし、今後もアップグレードする予定がないというユーザー向けのモデルだ。
また、このモデルはOSにLinuxを想定しており、パーツもちょっとクセがあるものを選んでいる。初めて自作をする人にはあまり向いていないので注意してほしい。
【CPU】
最高級モデルに積んだCore i7 975 Extreme Editionは、価格が約10万円ととてつもなく高いが、Core i7シリーズ最上位モデルだけあって性能も高い。
【マザーボード】
最高級モデルの「GA-X58A-UD7」は、Intel X58チップセットのマザーボードで、USB3.0とSerialATA3.0に対応している最新モデル。一方、バリューモデルの「ITX-220」はCPU(Celeron 220)をオンボードで搭載しているので、別途CPUを購入する必要がない点で経済的だ。
ただし、「ITX-220」が搭載するCPUの性能は最低限といったところなので、ゲームなどをプレイするには能力不足といわざるを得ないが、ネットやメールだけであれば問題ないだろう。
【グラフィックボード】
最高級モデルでは、グラフィックチップにRADEON HD 5970を搭載したHightech Information System(HIS)の「H597F2GDG」を選んだ。RADEON HD 5000シリーズは現時点で唯一、マイクロソフトが提供するマルチメディア機能強化のための拡張API群、Direct Xの最新バージョンDirectX 11に対応したグラフィックボード。なかでもRADEON HD 5970は、シリーズ最上位モデルに位置づけられており、とことんまでゲームをプレイしたいユーザーにオススメだ。
【PCケース】
最高級モデルでは、オウルテックの「OWL-PC60F(B)」を、バリューモデルでは岡谷エレクトロニクスの「MX1201」を選んだ。
オウルテックの「OWL-PC60F(B)」は、ATXに対応したアルミ製のケースで、アルミの特性を生かして、軽量で放熱性に優れ、シンプルな構造で癖のない作りになっている。一方、岡谷エレクトロニクスの「MX1201」は、Mini-ITX対応のケースで、市場推定価格が6200円ながら、200Wの電源を搭載しておりコストパフォーマンスに優れた製品だ。
【OS】
バリューモデルでは、予算を徹底的に切り詰めるということで、Linuxを選んだ。最近では、Windowsライクに使うことが出来るUbuntuなどのLinuxが登場し、以前に比べ格段に敷居が低くなっているが、使いこなす自信がない場合は素直にWindowsを選んだほうがいいだろう。
自作のやり方は人それぞれ、今回提示したプラン通りに組んでみるのもよし、プランを参考にアレンジを加えてみるのもよし、この年末年始の休みを利用して、自分だけのオリジナルPCを作ってみてはどうだろうか。(BCN・大滝和伸)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで127品目を対象としています。
*記事中の「市場推定価格」は、記事掲載時点のものです。市場推定価格は、「BCNランキング」のデータをもとに独自に算出した推定値で、消費税込みの金額で表記しています。
※1:BCNランキングを元に集計した市場推定価格ではなく、独自調査による価格を記載。
※2:DSP版のWindows 7は、PCを構成する主要パーツ(CPU、メモリ、マザーボード等)と同時に購入することが条件。価格は独自調査による。
今回は、PCの用途別に、5万円台で作れる「ベーシックモデル」や、予算に余裕がある人向けの「ちょい高モデル」など、いろいろと構成を考えたので、参考にしてほしい。
また、自作するにあたって注意して欲しいのが、以前に比べれば少ないが、パーツ同士の相性問題だ。そこまで神経質になる必要はないかもしれないが、初めて自作をする人にとっては、心配な部分。ショップによってはパーツの相性保障を行っているところもあるので、購入する際に確認することを推奨する。
とりあえずは作ってみよう 標準タイプ
このタイプは、ネットとメールを中心に考えているユーザー向け。もし満足できない部分があれば、後からパーツを追加するなり、交換するなりできるので、何をしたいのかまだ決めていないが、とりあえずPCを組んでみたいという人にもオススメだ。
パーツ | メーカー名 | 製品名・型番 | 市場推定価格 |
---|---|---|---|
CPU | インテル | Pentium Dual Core E6500(2.93GHz) | 9700円 |
マザーボード | ASUSTek | P5QPL-AM | 7500円 |
メモリ | シー・エフ・デー販売 | W2U800CQ-1GLZJ | 5600円 |
HDD | SAMSUNG | HD103SI(※1) | 6900円 |
光学ドライブ | LITEON | IHAS324-27 | 4500円 |
PCケース | エバーグリーン | TWG-AL625/450 | 6100円 |
OS | マイクロソフト | Windows 7 Home Premium DSP版(※2) | 1万5000円 |
合計 5万5300円 |
パーツ | メーカー名 | 製品名・型番 | 市場推定価格 |
---|---|---|---|
CPU | AMD | Athlon II X2 250(3.0GHz) | 7400円 |
マザーボード | ASRock | A780GM-LE/128M | 6000円 |
メモリ | シー・エフ・デー販売 | W2U800CQ-1GLZJ | 5600円 |
HDD | SAMSUNG | HD103SI(※1) | 6900円 |
光学ドライブ | LITEON | IHAS324-27 | 4500円 |
PCケース | エバーグリーン | TWG-AL625/450 | 6100円 |
OS | マイクロソフト | Windows 7 Home Premium DSP版(※2) | 1万5000円 |
合計 5万1500円 |
【CPU】
インテル、AMDどちらの製品も、デュアルコアでローエンドモデルあたるタイプだが、いずれもクロック数が高いので、ネットやメールを中心に考えているのであれば、それほど不満に感じることはないだろう。
【メモリ】
Windows 7を快適に動作させるには2GBは最低限必要だ。
【マザーボード】
ASUSTekの「P5QPL-AM」とASRockの「A780GM-LE/128M」、どちらもオンボードでグラフィックを内蔵しており、別途グラフィックボードを揃える必要がないので、予算を抑えたいときに重宝する。
また、オンボードのグラフィックを使用する場合、ビデオメモリはメインメモリからシェアされる形になるが、ASRockの「A780GM-LE/128M」はマザーボード上に専用のビデオメモリ(ローカルフレームバッファ)を搭載しているので、通常のオンボードのグラフィックより性能が高い。
(左から)ASUSTek「P5QPL-AM」とASRock「A780GM-LE/128M」
オンラインゲームに興味があるという人は、こちらを選んだほうがいいかもしれない。ただし、オンボードのグラフィックとしては比較的性能がいいというだけで、単体のグラフィックボードには遠く及ばないので、ゲーム中心に考えているのであれば、別途グラフィクボードを購入した方が無難だ。
【PCケース】
市場推定価格が6100円ながら、450Wの電源が付いているのでお買い得感が高いということで、エバーグリーン「TWG-AL625」を選択した。
エバーグリーン「TWG-AL625」
___page___オンラインで盛り上がる ゲームタイプ
ベーシックモデル、ちょい高モデル共に、バリバリゲームをしたい人にとっては、スペック的に物足りないかもしれないが、ちょっとゲームもプレイしたい人向けになっている。
パーツ | メーカー名 | 製品名・型番 | 市場推定価格 |
---|---|---|---|
CPU | インテル | Pentium Dual Core E6500(2.93GHz) | 9700円 |
マザーボード | ASUSTek | P5KPL-AM EPU | 6600円 |
メモリ | シー・エフ・デー販売 | W2U800CQ-1GLZJ | 5600円 |
HDD | Seagate | ST-3500418AS(※1) | 5500円 |
光学ドライブ | LITEON | IHAS324-27 | 4500円 |
PCケース | エバーグリーン | TWG-AL625/450 | 6100円 |
OS | マイクロソフト | Windows 7 Home Premium DSP版(※2) | 1万5000円 |
合計 5万3000円 |
パーツ | メーカー名 | 製品名・型番 | 市場推定価格 |
---|---|---|---|
CPU | AMD | Phenom II X2 550(3.1GHz) | 1万900円 |
マザーボード | ASUSTek | M4A78-VM | 7500円 |
メモリ | シー・エフ・デー販売 | W2U800CQ-1GLZJ | 5600円 |
HDD | Seagate | ST-3500418AS(※1) | 5500円 |
光学ドライブ | LITEON | IHAS324-27 | 4500円 |
グラフィックボード | エルザ ジャパン | GD998-512ERSS | 1万4500円 |
PCケース | Antec | ThreeHundred | 9600円 |
電源 | Antec | EA-650 | 1万100円 |
OS | マイクロソフト | Windows 7 Home Premium DSP版(※2) | 1万5000円 |
合計 8万3200円 |
【CPU】
ベーシックモデルは、予算を5万円台に抑えるために、標準タイプと同じものに。ゲームの場合は、コアの数よりもクロック数が高い方が有利に働く場合があるので、ちょい高モデルでは標準タイプよりクロック数が高いAMDの「Phenom II X2 550」を選択している。
【HDD】
ゲームメインであれば、HDD容量はあまり必要ないだろう。ということで、グラフィックボード分の予算を捻出するために、標準モデルより容量とコストを削減する。
【グラフィックボード】
ゲームモデルではキモになるパーツ。ベーシックモデルではRADEON HD 4670を搭載したシー・エフ・デー販売の「RH4670-E512HD/D4/AC」を、ちょい高モデルはGeForce 9800 GTを搭載したエルザジャパンの「GD998-512ERSS」を選んだ。
(左から)シー・エフ・デー販売「RH4670-E512HD/D4/AC」とエルザジャパン「GD998-512ERSS」
RADEON HD 4670は、最新ゲームだと厳しいかもしれないが、主要なオンラインゲームなら快適にプレイできるだろう。一方、GeForce 9800 GTは、最新のGeFore GTX/GTS 200シリーズには及ばないものの、グラフィック性能が高く、かつ価格がこなれてきており、グラフィックボードにあまり予算をかけられないが、ゲームを楽しみたいという人にピッタリだ。
【PCケース】
ちょい高モデルでは、ゲーム用途に最適なAntecの「ThreeHundred」を選んだ。PCゲームをプレイする際にはマシンパワーが必要なので、発熱量の多いパーツを搭載するケースが多い。Antecの「ThreeHundred」は、冷却性能が優れているので重宝するはずだ。
Antec「ThreeHundred」
【電源】
先述のように、ゲーム用途ではパワーが必要なパーツを使用するケースが多いだろう。当然のことながら電源に負荷がかかるので、多少値が張ってもいいものを選んだほうがいい。そこで価格とのバランスも考えて、Antecの「EA-650」を推したい。
___page___
リビングでも使える テレパソタイプ
このタイプは、テレビの視聴と録画をメインに考えているユーザー向けに構成を考えている。また、ちょい高モデルでは、リビングでも使用することを想定した構成にした。
パーツ | メーカー名 | 製品名・型番 | 市場推定価格 |
---|---|---|---|
CPU | インテル | Celeron Dual-core E3200(2.4GHz) | 5200円 |
マザーボード | ASUSTek | P5QPL-AM | 7500円 |
メモリ | シー・エフ・デー販売 | W2U800CQ-1GLZJ | 5600円 |
HDD | Western Digital | WD10EADS-M2B(※1) | 7500円 |
光学ドライブ | LITEON | IHAS324-27 | 4500円 |
キャプチャボード | バッファロー | DT-H10/PCI | 8400円 |
PCケース | エバーグリーン | TWG-AL625/450 | 6100円 |
OS | マイクロソフト | Windows 7 Home Premium DSP版(※2) | 1万5000円 |
合計 5万9800円 |
パーツ | メーカー名 | 製品名・型番 | 市場推定価格 |
---|---|---|---|
CPU | AMD | Athlon II X2 235e(2.7GHz) | 6900円 |
マザーボード | ASRock | A780GM-LE/128M | 6000円 |
メモリ | シー・エフ・デー販売 | W2U800CQ-1GLZJ | 5600円 |
HDD | Western Digital | WD10EADS-M2B(※1) | 1万5000円 |
リムーバブルケース | ラトックシステム | SA-RC1-SV | 4000円 |
光学ドライブ | LGエレクトロニクス | GH24NS50SL BULK SOFT | 4000円 |
キャプチャボード | ピクセラ | DT-H10/PCI | 2万4800円 |
PCケース | Antec | NSK2480 | 1万2300円 |
OS | マイクロソフト | Windows 7 Home Premium DSP版(※2) | 1万5000円 |
合計 9万3600円 |
【CPU】
動画編集など、よほど負荷の高い作業をしない限りは、Celeron Dual-core E3200やAthlon II X2 235eでも問題はないので、地デジキャプチャーボード分の予算を捻出するためグレードダウンする。
その上で、ちょい高モデルでは、CPUも性能よりも静音性を重視。Athlon II X2 235eは低消費電力で発熱量が少ないので、冷却ファンの回転数を少なくできる。騒音の元となるノイズも減らせるので、リビングで使用するのに最適といえる。
【HDD】
Western DigitalのCaviar グリーンシリーズは、低発熱かつ静音性に優れているので、テレパソ用のHDDに向いている。
【リムーバブルケース】
そして、とことん録画しまくりたい人にオススメなのが、リムーバブルケース。リムーバブルケースは、HDDを自由に入れ替えることがでのでビデオテープのように、HDDをドラマ用、スポーツ用と、それぞれジャンルごとに使い分けることができるようになる。
ラトックシステム「SA-RC1-SV」
ただし、リムーバブルケースにHDDは付属していないので、別途購入する必要がある。今回のちょい高モデルでは、リムーバブルケース用に同じHDDをプラスし、HDDの市場推定価格を2個分の合計価格としている。
【キャプチャボード】
ベーシックモデルでは、オーソドックスな「DT-H10/PCI」を、ちょい高モデルでは、ダブルチューナー搭載の「PIX-DT096-PE0」を選んだ。
(左から)バッファロー「DT-H10/PCI」とピクセラ「PIX-DT096-PE0」
「DT-H10/PCI」はシンプルながらコストパフォーマンスがよく、「PIX-DT096-PE0」は地上デジタル、BS/CSデジタル放送に対応したダブルチューナーを搭載。簡単な動画編集もできるなど、テレビをとことん楽しみたい人にはうってつけだろう。
【PCケース】
ちょい高モデルはリビングで使うことも想定しているので、PCケースもそれに合わせてAV風の「NSK2480」を選んだ。このケースは振動ノイズを抑制し、静音性が高い。
Antec「NSK2480」
___page___番外編
番外編では、単価の高いパーツを集めた最高級モデルと、極限まで予算を切り詰めたバリューモデルの2つを紹介する。バリューモデルは、最低限動けば良いというレベルで、本当にネットとメールしかやらないし、今後もアップグレードする予定がないというユーザー向けのモデルだ。
また、このモデルはOSにLinuxを想定しており、パーツもちょっとクセがあるものを選んでいる。初めて自作をする人にはあまり向いていないので注意してほしい。
パーツ | メーカー名 | 製品名・型番 | 市場推定価格 |
---|---|---|---|
CPU | インテル | Core i7 975 Extreme Edition(3.33GHz) | 9万7600円 |
マザーボード | GIGABYTE | GA-X58A-UD7 | 4万2000円 |
メモリ | Corsair | CMX6GX3M3A1333C9 | 1万9300円 |
HDD | Seagate | ST32000641AS(※1) | 3万円 |
光学ドライブ | パイオニア | BDR-S05J | 3万7400円 |
グラフィックボード | HIS | H597F2GD | 7万9800円 |
PCケース | オウルテック | OWL-PC60F(B) | 1万6500円 |
電源 | Corsair | CMPSU-1000HXJP | 2万8400円 |
OS | マイクロソフト | Windows 7 Ultimate DSP版(※2) | 2万5000円 |
合計 37万6000円 |
パーツ | メーカー名 | 製品名・型番 | 市場推定価格 |
---|---|---|---|
CPU | - | オンボード | - |
マザーボード | ASUSTek | ITX-220 | 8100円 |
メモリ | シー・エフ・デー販売 | D2U533BP-S1GBZZ | 2700円 |
HDD | Seagate | ST-3500418AS(※1) | 5500円 |
光学ドライブ | 東芝サムスン | SH-S223B+S | 3400円 |
PCケース | 岡谷エレクトロニクス | MX1201 | 6000円 |
OS | - | Linux | 0円 |
合計 2万5700円 |
【CPU】
最高級モデルに積んだCore i7 975 Extreme Editionは、価格が約10万円ととてつもなく高いが、Core i7シリーズ最上位モデルだけあって性能も高い。
【マザーボード】
最高級モデルの「GA-X58A-UD7」は、Intel X58チップセットのマザーボードで、USB3.0とSerialATA3.0に対応している最新モデル。一方、バリューモデルの「ITX-220」はCPU(Celeron 220)をオンボードで搭載しているので、別途CPUを購入する必要がない点で経済的だ。
(左から)GIGABYTE「GA-X58A-UD7」とASUSTeK「ITX-220」
ただし、「ITX-220」が搭載するCPUの性能は最低限といったところなので、ゲームなどをプレイするには能力不足といわざるを得ないが、ネットやメールだけであれば問題ないだろう。
【グラフィックボード】
最高級モデルでは、グラフィックチップにRADEON HD 5970を搭載したHightech Information System(HIS)の「H597F2GDG」を選んだ。RADEON HD 5000シリーズは現時点で唯一、マイクロソフトが提供するマルチメディア機能強化のための拡張API群、Direct Xの最新バージョンDirectX 11に対応したグラフィックボード。なかでもRADEON HD 5970は、シリーズ最上位モデルに位置づけられており、とことんまでゲームをプレイしたいユーザーにオススメだ。
Hightech Information System「H597F2GD」
【PCケース】
最高級モデルでは、オウルテックの「OWL-PC60F(B)」を、バリューモデルでは岡谷エレクトロニクスの「MX1201」を選んだ。
(左から)オウルテック「OWL-PC60F」と岡谷エレクトロニクス「MX1201」
オウルテックの「OWL-PC60F(B)」は、ATXに対応したアルミ製のケースで、アルミの特性を生かして、軽量で放熱性に優れ、シンプルな構造で癖のない作りになっている。一方、岡谷エレクトロニクスの「MX1201」は、Mini-ITX対応のケースで、市場推定価格が6200円ながら、200Wの電源を搭載しておりコストパフォーマンスに優れた製品だ。
【OS】
バリューモデルでは、予算を徹底的に切り詰めるということで、Linuxを選んだ。最近では、Windowsライクに使うことが出来るUbuntuなどのLinuxが登場し、以前に比べ格段に敷居が低くなっているが、使いこなす自信がない場合は素直にWindowsを選んだほうがいいだろう。
自作のやり方は人それぞれ、今回提示したプラン通りに組んでみるのもよし、プランを参考にアレンジを加えてみるのもよし、この年末年始の休みを利用して、自分だけのオリジナルPCを作ってみてはどうだろうか。(BCN・大滝和伸)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで127品目を対象としています。
*記事中の「市場推定価格」は、記事掲載時点のものです。市場推定価格は、「BCNランキング」のデータをもとに独自に算出した推定値で、消費税込みの金額で表記しています。
※1:BCNランキングを元に集計した市場推定価格ではなく、独自調査による価格を記載。
※2:DSP版のWindows 7は、PCを構成する主要パーツ(CPU、メモリ、マザーボード等)と同時に購入することが条件。価格は独自調査による。