増える「水筒男子」は男前? 軽くてオシャレなアウトドアモデルが人気
エコブームや経済不振を受けて、資源もお金も節約できる「水筒」の人気が高まっている。特に09年は前年までとは客層が違っており、主婦のみでなく男性サラリーマンにも受けているという。現代の水筒事情について、東急ハンズ 横浜店の店員さんに聞いた。
現在人気を集めている水筒は、誰もが小学校の遠足などに持っていったであろう、頭にコップがついた従来のものではない。アメリカやヨーロッパメーカーが開発した、山登りなどアウトドア向けのボトルだ。
アウトドア向けの水筒は、素材に軽量なアルミニウム等を採用し、持ち運びやすいのが特徴。また、ペットボトルのように直接口をつけて飲むタイプのため、オフィスだけでなく外出時でも手軽に水分補給ができる。柄やカラーなどデザインにこだわったモデルも多い。
では、具体的にどんな製品が売れているのだろうか。大手ホームセンター東急ハンズの横浜店を訪れ、水筒コーナーを展開しているフロアの主任・能見敬司さんに人気モデルトップ3を紹介してもらった。
1位はスイスメーカー「SIGG(シグ)」の「クラウドドラゴン」。07年に日本で開催されたデザインコンペディションで、応募総数500点以上の中から最優秀作品に選ばれたものを製品化した「トラベラー デザインコンペボトル」だ。ブラックのボディに龍を描いたデザインは非常に男性的。こうした男性向けモデルの人気が高いのは、今年に入ってからだという。容量は0.6L。
「SIGG」の製品はアルミニウム製で軽く、キャップはねじ込み式だ。能見さんによると、「指にキャップを引っ掛けて持つのがかっこいい」のだそう。
続いて2位は、今年一番伸びた、アメリカ「NALGENE(ナルゲン)」の製品。人気のカラーボトルシリーズは半透明でメモリが付いていることから、オリジナルドリンクを作る人が買い求めていくという。素材はポリカーボネート。お茶や水以外にお酢なども入れることができ、この辺りも自身で飲み物を作るユーザーに受けている。
中でも売れたのは、広口の0.5Lタイプのピンクモデル。女性を意識したピンクは日本限定だ。
3位は、スペインメーカー「LAKEN(ラーケン)」の「フツーラ」シリーズの0.6Lタイプで、カラーはゴールド。「フツーラ」シリーズは飲みやすさを考慮し、26mmの細口を採用。キャップにはカラビナが付属しているため、カバンやズボンに引っ掛けることができる。素材はアルミニウム。
現在アウトドアモデルの売れ筋は0.6Lサイズで、「500mmのペットボトルじゃ足りない、でも1Lでは多すぎるという人が購入していく」と能見さん。また、「今年は男性ユーザーが増えたことで1Lの大型サイズも好調。今後も売れ筋は大型化してくのでは」と教えてくれた。価格は2500-3500円程度のものが主流で、メーカーごとの価格差はあまりない。
素材がアルミニウムであれば茶渋などがつきにくく、衛生面にも優れる。洗剤を使わなくても「水ですすいで逆さまにしておけば、2週間ほど使用できる」(同氏)という。
とはいえ、口が狭い上に細長い水筒を洗うのは大変だ。そのため、洗浄用タブレットや専用ブラシも併せて売れている。そのほかカラビナや、片手で空けて飲めるよう、水筒の口部分に付けるキャップなど、周辺パーツが充実しているのもアウトドアモデルならでは。この辺りも男性の心をくすぐるのではないだろうか。
今年に入り、男性から注目を集めるようになった水筒だが、横浜店では05年から海外メーカーのアウトドア向けボトルに注目していた。能見さんは、「二子玉川で子連れの主婦が『SIGG』の子ども向けボトルをベビーカーにぶら下げている姿をよく目にし、これはいけると思った」と語る。そこで、当初は子持ちの主婦をターゲットに水筒を大型展開し始めた。
狙い通りアウトドア向けの水筒は年々売り上げを伸ばしていったが、特に09年は男性客の増加もあってか、08年に比べて売り上げが1.6-1.8倍に増えているという。今年の男性人気について能見さんは、「エコ意識の高まり、経済の悪化、お弁当を作る男性の増加、海外メーカーのかっこいい水筒が、見た目を気にする男性に受けたことなど、いくつもの原因が重なったため」とみている。
毎日ペットボトルの代わりに水筒を持てば、経済的だし、ゴミが出なくてエコにもつながる。さらにオリジナルドリンクを作れば健康的。それをオシャレなアウトドア向けボトルに入れれば、持ち歩いても様になる。今年の水筒人気は、エコがファッションとして根付き初めている代表的な例だろう。(BCN・武井美野里)
東急ハンズ 横浜店の水筒売り場
軽いアウトドアモデルに注目 ハンズ横浜店の人気ボトルトップ3
現在人気を集めている水筒は、誰もが小学校の遠足などに持っていったであろう、頭にコップがついた従来のものではない。アメリカやヨーロッパメーカーが開発した、山登りなどアウトドア向けのボトルだ。
アウトドア向けの水筒は、素材に軽量なアルミニウム等を採用し、持ち運びやすいのが特徴。また、ペットボトルのように直接口をつけて飲むタイプのため、オフィスだけでなく外出時でも手軽に水分補給ができる。柄やカラーなどデザインにこだわったモデルも多い。
人気のアウトドア向け水筒
では、具体的にどんな製品が売れているのだろうか。大手ホームセンター東急ハンズの横浜店を訪れ、水筒コーナーを展開しているフロアの主任・能見敬司さんに人気モデルトップ3を紹介してもらった。
東急ハンズ 横浜店 B1B・1B 主任の能見敬司さん
1位はスイスメーカー「SIGG(シグ)」の「クラウドドラゴン」。07年に日本で開催されたデザインコンペディションで、応募総数500点以上の中から最優秀作品に選ばれたものを製品化した「トラベラー デザインコンペボトル」だ。ブラックのボディに龍を描いたデザインは非常に男性的。こうした男性向けモデルの人気が高いのは、今年に入ってからだという。容量は0.6L。
「SIGG」の「クラウドドラゴン」
「SIGG」の製品はアルミニウム製で軽く、キャップはねじ込み式だ。能見さんによると、「指にキャップを引っ掛けて持つのがかっこいい」のだそう。
指にキャップを引っ掛けて持つのが正しい持ち方
続いて2位は、今年一番伸びた、アメリカ「NALGENE(ナルゲン)」の製品。人気のカラーボトルシリーズは半透明でメモリが付いていることから、オリジナルドリンクを作る人が買い求めていくという。素材はポリカーボネート。お茶や水以外にお酢なども入れることができ、この辺りも自身で飲み物を作るユーザーに受けている。
中でも売れたのは、広口の0.5Lタイプのピンクモデル。女性を意識したピンクは日本限定だ。
「NALGENE」のカラーボトルシリーズ 広口の0.5Lタイプ(ピンク)
3位は、スペインメーカー「LAKEN(ラーケン)」の「フツーラ」シリーズの0.6Lタイプで、カラーはゴールド。「フツーラ」シリーズは飲みやすさを考慮し、26mmの細口を採用。キャップにはカラビナが付属しているため、カバンやズボンに引っ掛けることができる。素材はアルミニウム。
「LAKEN」の「フツーラ」シリーズ 0.6Lタイプ(ゴールド)
現在アウトドアモデルの売れ筋は0.6Lサイズで、「500mmのペットボトルじゃ足りない、でも1Lでは多すぎるという人が購入していく」と能見さん。また、「今年は男性ユーザーが増えたことで1Lの大型サイズも好調。今後も売れ筋は大型化してくのでは」と教えてくれた。価格は2500-3500円程度のものが主流で、メーカーごとの価格差はあまりない。
素材がアルミニウムであれば茶渋などがつきにくく、衛生面にも優れる。洗剤を使わなくても「水ですすいで逆さまにしておけば、2週間ほど使用できる」(同氏)という。
とはいえ、口が狭い上に細長い水筒を洗うのは大変だ。そのため、洗浄用タブレットや専用ブラシも併せて売れている。そのほかカラビナや、片手で空けて飲めるよう、水筒の口部分に付けるキャップなど、周辺パーツが充実しているのもアウトドアモデルならでは。この辺りも男性の心をくすぐるのではないだろうか。
アウトドア向けボトルは周辺パーツが充実
09年はエコをファッションとして楽しむ男性に受けて売り上げが急増
今年に入り、男性から注目を集めるようになった水筒だが、横浜店では05年から海外メーカーのアウトドア向けボトルに注目していた。能見さんは、「二子玉川で子連れの主婦が『SIGG』の子ども向けボトルをベビーカーにぶら下げている姿をよく目にし、これはいけると思った」と語る。そこで、当初は子持ちの主婦をターゲットに水筒を大型展開し始めた。
当初人気だった「SIGG」の子ども向けボトル
狙い通りアウトドア向けの水筒は年々売り上げを伸ばしていったが、特に09年は男性客の増加もあってか、08年に比べて売り上げが1.6-1.8倍に増えているという。今年の男性人気について能見さんは、「エコ意識の高まり、経済の悪化、お弁当を作る男性の増加、海外メーカーのかっこいい水筒が、見た目を気にする男性に受けたことなど、いくつもの原因が重なったため」とみている。
毎日ペットボトルの代わりに水筒を持てば、経済的だし、ゴミが出なくてエコにもつながる。さらにオリジナルドリンクを作れば健康的。それをオシャレなアウトドア向けボトルに入れれば、持ち歩いても様になる。今年の水筒人気は、エコがファッションとして根付き初めている代表的な例だろう。(BCN・武井美野里)