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周辺機器が熱いPIE2009――謎のキューブからインクジェットペーパーまで

特集

2009/03/27 21:17

 東京ビッグサイトで3月26日に開催したアジア最大級の写真・映像の総合展示会「フォトイメージングエキスポ 2009(PIE2009)」。カメラメーカー各社の最新機種などが注目を集める中、周辺機器メーカーも負けず劣らず、個性的な製品を出展している。今回の記事では、ソリューションシステムズ、ハクバ写真産業、エプソン販売、富士フイルムの各ブースのイチ押し製品をリポートする。

ソリューションシステムズ、キューブ型の画像キャリブレーションツール



 ソリューションシステムズのブースで、アマチュアカメラマンたちの注目を集めていたのが、キューブ型の「SpyderCube」という製品。一見飾りモノ風で、「何に使うのか」と思ってしまうが、実はRAWデータのキャリブレーションツールなのだ。これを被写体と一緒に写真に写すことによって、画像編集ソフトで写真のホワイトバランス、露出、輝度、コントラストなどを本来に近いかたちに調整することができる。いわば、「反射率18%のグレーカード」の多機能版だ。

 まず、「SpyderCube」のクロームボール部分に映った光で、光源の方向、種類などをチェックする。次に、スポイトツールなどを用いて、本体上半分の18%グレーの「グレーフェース」と「ホワイトフェース」をクリックし、ホワイトバランスとハイライトを調整する。下半分の「ブラックフェース」と絶対黒の「ブラックトラップ」は、コントラストを調整する部分。「ブラックフェース」と「ブラックトラップ」の色の違いがわかるように、コントラストを補正する。

左=補正前 右=補正後
白などが実際に近い色に補正されている

 写真は「SpyderCube」を一緒に写したものと、被写体だけのものを2パターン撮っておき、本製品が写っている方の画像をまず補正する。その際、補正データのプリセットを作成しておくことで、被写体のみの画像も同じように編集できる。発売は4月中旬で、実勢価格は8000円前後の見込み。

ハクバ、100種類以上の液晶保護フィルムと内蔵ストロボ用デフューザー



 ハクバ写真産業は、代表的な製品の一つであるデジタルカメラ用の液晶保護フィルムを展示。デジタルビデオカメラや、デジタルフォトフレーム用も合わせると、100種類以上あるという。同社の保護フィルムは、ハードコート処理を施し、3Hの鉛筆でこすってもキズがつかない。また、帯電防止剤によって、カメラをバックなどに入れておいても、フィルムにホコリが付きにくいのが特徴だ。

100種類以上の液晶保護フィルム

 そのほか、昨年同様、内蔵ストロボ用の「ビルトインストロボディフューザー」を展示していた。カメラの内蔵ストロボは、顔が白飛びしたり、影ができたりする場合があるが、ディフューザーを使えば、光を拡散して影をやわらげてくれるのだ。

内蔵ストロボに「ビルトインストロボディフューザー」を装着

 同社のディフューザーは、内蔵ストロボ自体に装着できるのが特徴。折りたたむこともできるので、持ち運びに便利だ。モデルを使った撮影コーナーでは、来場者が実際に手持ちのカメラにディフューザーを装着し、その効果を試していた。

左=ディフューザーなし 右=ディフューザーあり
顔の白飛びと影がやわらいでいる

エプソン販売、レタッチができるフォトストレージ



 エプソン販売は、08年9月に発売したフォトストレージを展示。フォトストレージとは、メモリカードのリーダー/ライター機能をもつポータブルサイズのHDDのこと。メモリカードのデータをフォトストレージにコピーすることで、撮影時に何枚もメモリカードを持ち歩く必要がない。

印刷したものに近い色で画像を表示する「P-7000」

 今回展示した容量80GBの「P-6000」と160GBの「P-7000」は、データのコピーだけでなく、さまざまな画像のレタッチが行えるのが特徴。「人物」「風景」「モノクロ」などの各モードの他に、「明るさ」「コントラスト」「カラーバランス」などのマニュアル補正機能、自由なトリミング、レイアウト機能などを備え、PCを介さずに画像を編集できる。

 また、色再現範囲が広く、多くのプロ写真家や写真愛好家が撮影フローで採用している色空間の定義「Adobe RGB」に対応。印刷時に近い色で画像を再生する。液晶サイズは4.0型で、解像度は640×480ドット、輝度は230cd/m2。視野角160度の透過型低温ポリシリコンTFT液晶を採用し、斜めから見ても非常に見やすく、美しい。

富士フイルム、来場者にオリジナルのフォトブックをプレゼント



 富士フイルムは、インクジェットペーパー「画彩 写真仕上げ Pro」シリーズの専用コーナーを設け、他社製品との違いを来場者にアピールしていた。

 超光沢の「画彩 写真仕上げ Pro」は、紙の上部にインクを留める技術で、色に立体感が出るという。微光沢の「画彩 写真仕上げ Proモノクロ」は、インクの吸収量が高く、印刷時にインク濃度を上げても黒が白っぽくならない。無光沢の「画彩 写真仕上げ Proフォトマット」は、紙の繊維を均一にすることで、ムラのない黒を表現できる。

 ブースでは、来場者の写真をその場で撮影し、フォトブックにしてプレゼントするイベントを開催。アマチュアカメラマンの男性が多い「PIE2009」の会場には珍しく、子供連れや、若い女性たちが列を作っていた。

フォトブック スクエア

 このイベントは、FUJICOLORの店舗でオリジナルの写真集が作れる「フォトブック スクエア」というサービスを実際に体験するもの。「フォトブック スクエア」は、各店舗の受付機で、カバーのデザイン、表紙や中身に入れる文字などを選択するだけで、オリジナルの写真集を作成してくれる。カバーデザインは、ディズニーキャラクタータイプ、結婚式や卒業式などのシーズン・イベントタイプなど、豊富なラインアップから選べる。会場では、写真撮影から約1時間程度でフォトブックが手渡され、参加者は仕上がりに満足そうな表情をみせていた。